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知らない場所に・・・・

1話 電車に乗っていたはずが・・・・

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僕の名前は常山 順平つねやま じゅんぺい 24歳。

もうすぐ25歳になるサラリーマン。

今日も仕事帰りに電車に乗って、吊革に掴まりうつらうつらしていました。

中々座れないから、吊革につかまって寝る特技を覚え、毎日こうして寝ています。

そして今日もうつらうつら・・・・

しかし突然、気分が悪くなります。

吊革を咄嗟に強く握ります。何せ倒れそうになったから。

見ると、周りの人達が、椅子に座っている人々はその場にうずくまり、立っていた人達もどんどん倒れていきます。

何が起こってるのでしょうか?

そんな中、同じく倒れていく人の中に、見知った女性を見たような気がしましたが、そこで意識が無くなった・・・・

・・・・
・・・
・・



う・・・う・・・・何だったんだろう?

何故か突然気が付いた僕。

周りを見ると、あれ?電車の中じゃない?

何か石畳の建物の中?

そして周りには、僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。
そんな人達が倒れています。

何人かが僕と同じように意識を取り戻し、起き上がったり、周りを見渡したりしています。

僕は、自分の荷物を確認します。

カバンがあった、よかった。

何せ最近買ったばかりの高性能ノートパソコン、バッテリー、後は水筒とか入ってるから。特にノートパソコンは小さいながらも、かなりの性能だから、高かった。

後はちょっと趣味の”サバイバル1からできる快適生活”例えば無人島で、一から家を建てたり、獣の解体方法や、レンガの作り方とか、調味料の作り方とか。
そんなのが紹介してるSDカード付きの本が、カバンに入っています。

面白いのでいつも持ち歩いているんです。

それと、便利なので、名刺サイズぐらいのソーイングセット。
はさみとかあるから便利だし、いざ災害に遭った時の為に小型の折り畳みのツールナイフやライト、熱さましや腹下し時に服用する薬とかも入ってるから、僕の生命線だ。飴ちゃんも少しあって安心。

まさかこんな所で役に立とうとしてるなんて。

僕はカバンを・ビジネスに使えるけど、リュックの紐を収納しているタイプのカバンです。僕は急いでリュックタイプにして、背負います。万が一盗まれたら大変。まさか背負ってるリュックをひったくろうなんて奴はいないよね?


で、周りを見直すと、いました。知ってる女性が近くに倒れています。

同じ会社で働くその女性は、確か今年入ったばかりだったと思います。

彼女は会社の受付をしてるから、かなり見てくれはいいですね。

僕も業務で何度か話をした事があるけど、やさしそうな、気が利いて好感の持てる、まだあどけなさの残る、今は可愛らしい、あと数年したらものすごい美女になるんだろうな・・・・そんな高嶺の花。
だけど、この場ではそれは意味がなさそうです。

僕はその女性の元へ向かおうとしたけど、誰かが何かを話し始めます。

「ようこそ勇者様御一行様方。こちらの一方的な都合で召喚してしまい、申し訳ございません。」

うん?今勇者?召喚?なんかそんな事を言った?

「おい!何だこれは!俺は急いでるんだ!こんなテレビかユーチューブか知らんが、そんな番組の収録に付き合ってる時間はないんだ!元の場所に戻せ!」

「明日から試合があるので早く休みたいから返して!」

リーマンや学生が一斉に騒ぎ始めます。

「ああ、それは心配ありません。何せこちらと貴方達勇者様のいた世界の時間軸は少し違っておりましてな。こちらで数年過ごしても、こちらのお願いが解決すれば、召喚前の場所、時間へ全員送り返す事ができますので、申し訳ありませんが今暫らくだけお付き合いいただけるようお願いいたします。」

何だか嘘くさい?
何せスマホの時計は普通に動いているから。

あと、腕時計も動いている。

僕は最初の冬のボーナスで、ある程度しっかりした機械式の腕時計を購入した。
スーツと違和感が無い、シンプルな奴。

その時計も動いているからかなり嘘くさい。
いや、ここでの時間は進んでいるから、そんなものなのかな?
我ながら馬鹿な事を考えました。
スマホも今の時間で時計が進んでいきますよね、とか今更ながら思ったり。

そして周りが騒ぐのもお構いなしに、その人は説明を続けます。

「それと、本来は勇者様だけを召喚する予定でしたが、どうやら勇者様の周りにいらした方々も一緒に来てしまったようで。
重ね重ね申し訳ございません。ですが、魔王を倒していただければ、元の世界に戻れますので、勇者様におかれましては、魔王の討伐をお願いしたいのと。
できれば数人の方にはご協力願いたいのです。勿論、こちらで色々準備をさせて頂いております。」


お前らが自分でやればいいじゃないか!と言う声が上がってますね。

「申し訳ございません。魔王は勇者様にしか討伐・・出来ないのでございます。それで旅の活動資金と、ギフト、スキル・過去の勇者様方はそう呼んでおりましたが、いくつかご用意させていただきました。勇者様と一緒に行動される方と、勇者様にはそれ相応のギフト、スキルをご用意いたします。それと装備、資金も。ですが、もし、この場に残りたいという方もお見えでしょう。お年を召された方々も多数おみえのようですし。」
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