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外伝 女神のチョンボで大変な事に 口田 士門

者ども、出合え!出合え!

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 暫くして、大勢の野郎共がやってきた・・・

 何だかべたな展開に困惑する俺。
 そして三津枝が、

「あ!これもしかして、時代劇じゃないですか?者ども、出合え出合え!とか言う奴。」
「あ、もうきっとそれ、さっき俺の聞こえない所で言ったんだろうな。だからこんなに野郎共が来たんだよ、きっと。」
「そうですか・・・・黄門さまとかちょっと憧れたから・・・・」
「さしずめ世津と三津枝が格さんと助さんってか?」
「やっぱりそうなりますか?」

 俺と三津枝が阿呆な会話をしていると世津が、

「囲まれていますよ?」

 と言ってきた。
 ありゃ・・・・パメラさんを逃がし損ねたな。
 仕方ない・・・・ちょっと暴れて印籠を・・・・ってないわそんなの!あれって確か・・・・薬が入っているんだよな?

 あ!しまった・・・・貴族になったから、家紋というか旗というか、何か用意しとかなくてはいけなかった・・・・

 俺が侯爵を受けた時に、こっそり言われた事のひとつに、
 貴族たるもの、住まいには紋章を掲げておくように!

 うーん・・・・家紋とどう違うのか・・・・あ、そうだ、何か盾に剣とか動物とか、何かデザインされている奴だよな、紋章って・・・・
 それを見せれば、俺が侯爵って気が付くような・・・・まっとうな商人なら絶対気付く・・・・

 まあ、後々。
 そうしているうちに豚が現れ・・・・何かブヒブヒ言っている。

「おいお前等、こいつ等は我が商店を荒らしに来た曲者だ!とっとと仕留めろ!」
「だ・・・・旦那・・・・女も殺すんですかい?」
「・・・・女は・・・・高く売れそうだな・・・・お前等!褒美にその女共で少し遊ばせてやるぞ!」
「ひゃっほーい!男は殺し!!女は犯せ!行け!」
「おうぉ!!!」

 おいおい、ここあんた等の店なんじゃないのか?

「世津、三津枝、パメラさんを護ってくれよ?」
「わかっている。任せて!」

 気合の入った世津。

「うわ・・・・ゲすい・・・・あ、任せて。」

 2人はパメラさんの左右で護っている。まあ、あの2人なら安心か。
 さて・・・・どうするか?

 何人か俺に向かってくるから、敢えて剣を腕で受け止める。
 流石防御力の高い服。
 低レベルの冒険者崩れが振るった剣なんか、話にならない。

 俺は囲まれつつ、一応向こうから手を出してきたよ?的な事実を作り、
「お前等、誰に剣を向けたのか分かっているのか?そして・・・・剣を振るってきたという事は、こちらもそれ相応の事をするぞ?死んでも文句は言わないよなあ?」

 俺はニタアッと笑い、相手の剣をはじいて無力化していく。
 そして、途中から面倒になってきたので何人か捕まえ次々投げ飛ばし、そのまま周りの野郎共にぶつけ、無力化していく。
 そして、豚にも命中。
 痛いのか、悶絶状態。

 あっという間に相手は無力化。
 俺は豚の前に立ち、

「折角穏便に済まそうと思っていたのにな・・・・因みに、俺が最近侯爵の爵位を受けたの知っているよな?」

 俺がそう言うと豚が・・・・

「ひ!まさか・・・・侯爵だと・・・・そんな馬鹿な!わしは知らんぞ!」

 ああ、ここで紋章があれば、この紋所もんどころが目に入らぬか!とかやれたのにな?
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