４５歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

外伝 女神のチョンボで大変な事に 口田 士門

建物の中には・・・・？

建物の中に、意を決して突入する俺。
　すぐ後ろからせつが付いてくる。
　更に後ろからはイベッテ、シビル、みつえが付いてくる。
　みつえは入った所で、さわは入り口前で警戒。
　そして、そこで俺が見たものは・・・・？

　建物の中に横たわる、冒険者達の成れの果てだった・・・・？
　ああ・・・・・やはりこれは・・・・

「おい！生きているか？」

　へんじがない。
　ただの　しかばね　のようだ。

「死んでねえよ！」

　おっと、生きていたようだ。

「こんな所で何をしているんだ？」

　反応のあった冒険者に聞く。

「棺桶に片足突っ込んでいる所だよ！」

　・・・・なんだよ、死にかけているんじゃねえか！

「みんな生きているのか？」

　不毛なやり取りになりそうなので、聞いてみる。

「ええ・・・・ここに居る全員、まだ生きてはいますが・・・・その・・・・食べ物と・・・・水・・・・ありませんか・・・？もう一週間ほど・・・・ゲホッ！」

　別の・・・・女性の冒険者が喋り始めるが、此処で力尽きたようだ。

「まだ死んでないし！」

　突っ込んでくるあたり、大丈夫だろう。
　俺はまず、水を出す。

　殆どの奴等は動く事もできないほど衰弱しているので、順番に少しずつ飲ませていく。
　因みに経口補水液を飲ませている。
　こういう時は普通の水を飲ませるより、よかったはず。
　もう死にかけの顔をしていた冒険者達だったが、少し顔色がよくなってきたようだ。

　さて・・・・こういう時は何を食べさせたらいいんだ？
　日本じゃあ飢える事ってなかったからなあ。
　お互い顔を見合わせるが、召喚組はやはり分からない様子。

　体調不良の時、よくお粥を食べたけれど、あれってどうなんだろうか？
　梅干しか？あれ入れて食べさせれば・・・・塩も効いて、いいんじゃね？
　早速道具を出して、お粥を炊き始める。
　そういえば、スキルの料理と調理は何が違うんだ？

　俺は調理、せつとみつえは料理、さわは両方持っている。
　正直違いが分からない・・・・

　ここは・・・・さわに任せよう。
　何故か張り切ってお粥を作るさわ。

　俺達はそれぞれ食材を用意し・・・・用意するのはもちろん俺・・・・せつとみつえは米を洗ったり・・・・はしないで、今回は無洗米を用意したから・・・・道具をセットしたり。
　そして、野菜も色々出したけれど、どうやら鍋を作るらしい。
　因みに鍋は業務用のごつい奴。

　燃料は一寸パクってきたＬＰガス。
　カバンに入ったから、ガスボンベを持ってきた。
　そして、鋳物のコンロ。
　こいつで一気に炊き上げる。

　お粥が出来上がり、野菜は・・・・もう原型がない。
　ドロドロに溶けている。
　さわが作ってたけれど、どうやったんだ？
　ほんのぽっちり肉も入れたけれど、細かくして、噛まなくてもいいようにした。
　兎に角栄養を取らないと、しかも胃が受け付けないといけないからと、胃に優しいのを作ってくれたようだ。

　うーん・・・・俺が作るのって、時間はかかるけれど作業自体は簡単なやつばっかだったからなあ。

　肉に塩・コショウを振り、オーブンの低温調理とか。
　簡単お手軽ロースト。

　後は、小麦粉・砂糖・塩・ドライイーストを混ぜて捏ねて、暫く放置して焼くだけお手軽パン。
　気分で平らにし、トッピングしてピザとか。
　うーん・・・・流石にこの状況では食べられないだろうな・・・・