948 / 1,096
外伝 女神のチョンボで大変な事に 口田 士門
商館
しおりを挟む
王都は人が多い。
そして、ギルドは常に冒険者で溢れている。
素材の売却に来た者、依頼の達成を報告に来た者、一攫千金を狙って王都に来たばかりの者、依頼を探しに来た者・・・・
それらの対応で常にギルドは忙しく、冒険者の相手で手一杯、とてもではないが商人相手の話が出来ない状態。
そこで提案されたのが、大都市などの人口の多い場所ではギルド以外に商館を設ける、というもの。
常に商売の事で時間に追われる商人。
”時は金なり”という程、時間は貴重。
そこで商人専用の場を設ける事に。
これが好評で世界各地にこの流れが広がり、今や人口10万人規模の都市では商館の設置が当たり前のように行われる事になった。
そして王都でも・・・・
「ようこそ商館へ。どのような要件でしょうか・・・・って、お姉ちゃん?」
「あらパメラ、久しぶりね。」
「聞いたわ。婚約したんですってね?しかも相当な大物を釣り上げたって聞いたけれど、この人がそう?」
「ふふ。そうよ。あんな地方に配属になったから半ば諦めていたけれど、10年越しでやっと、これは!と思う男性と巡り会えたの。」
・・・・何を言っているんだイベッテは、この受付はイベッテの妹?
「あ・・・・えっと・・・・今日は何か用があるの?」
「ええ、此処で建物を購入したいと思って良い物件が無いか聞きに来たのよ?」
「良い物件ねえ・・・あるけど、高いよ?」
「お金は・・・・たぶん大丈夫。」
「あ・・・・オークキングの睾丸でしょ?」
「知っているの?」
「商人は情報が命よ?それに・・・・兄の奥さんがおめでたなんだから、そりゃあもうお祭りモードで好景気なんだから。」
・・・・よく分からないけれど、そんなに話が広まっているのか?まあおめでただから良い事なんだけれど・・・・確か睾丸の入手は秘密裏に行われたんだよな?何でこの女性知っているんだ?
機密駄々洩れって怖い・・・・
注: 王太子が妹達に言いふらした結果です。
「で、具体的な希望は何かな?小さいお店から郊外の大きな店、一等地の貴族向け物件、金さえあれば何でもござれよ?」
「条件は厳しいけれど、あるかなあ?そうねえ、商売がしたいのと、鍛冶がしたいのね。そして・・・・クランの王都での活動拠点としたいから、それなりに大きな建物及び、土地が必要かな?」
「・・・・そんなのある訳ないじゃない!贅沢言いすぎ・・・・とあれ?あるわね・・・・」
「一つ、ちょっと希望と違うかもだけれど、商店として使っていた表側と、裏側は倉庫だった場所があるのよ。大通りに面しているから、商店としても申し分ない物件で、実際大通りから外れると土地代は安いのだけれど、この物件は倉庫が奥にあるのね。更に奥は材木の資材置き場だったから、広い土地がそのまま残っているわね。」
「え?そこって確か・・・・?」
「調子に乗って事業を拡大しすぎて、最近倒産したのよ。しかも夜逃げ・・・・」
「わあ、借金抱えて逃げちゃったの?」
「ええ、今は冒険者が依頼を受けて追っているわ。」
何処の世界も世知辛いな。
しかも夜逃げを冒険者が追いかけるとか。
そうはなりたくないね?
俺達は早速その物件を見る事になった。
そして、ギルドは常に冒険者で溢れている。
素材の売却に来た者、依頼の達成を報告に来た者、一攫千金を狙って王都に来たばかりの者、依頼を探しに来た者・・・・
それらの対応で常にギルドは忙しく、冒険者の相手で手一杯、とてもではないが商人相手の話が出来ない状態。
そこで提案されたのが、大都市などの人口の多い場所ではギルド以外に商館を設ける、というもの。
常に商売の事で時間に追われる商人。
”時は金なり”という程、時間は貴重。
そこで商人専用の場を設ける事に。
これが好評で世界各地にこの流れが広がり、今や人口10万人規模の都市では商館の設置が当たり前のように行われる事になった。
そして王都でも・・・・
「ようこそ商館へ。どのような要件でしょうか・・・・って、お姉ちゃん?」
「あらパメラ、久しぶりね。」
「聞いたわ。婚約したんですってね?しかも相当な大物を釣り上げたって聞いたけれど、この人がそう?」
「ふふ。そうよ。あんな地方に配属になったから半ば諦めていたけれど、10年越しでやっと、これは!と思う男性と巡り会えたの。」
・・・・何を言っているんだイベッテは、この受付はイベッテの妹?
「あ・・・・えっと・・・・今日は何か用があるの?」
「ええ、此処で建物を購入したいと思って良い物件が無いか聞きに来たのよ?」
「良い物件ねえ・・・あるけど、高いよ?」
「お金は・・・・たぶん大丈夫。」
「あ・・・・オークキングの睾丸でしょ?」
「知っているの?」
「商人は情報が命よ?それに・・・・兄の奥さんがおめでたなんだから、そりゃあもうお祭りモードで好景気なんだから。」
・・・・よく分からないけれど、そんなに話が広まっているのか?まあおめでただから良い事なんだけれど・・・・確か睾丸の入手は秘密裏に行われたんだよな?何でこの女性知っているんだ?
機密駄々洩れって怖い・・・・
注: 王太子が妹達に言いふらした結果です。
「で、具体的な希望は何かな?小さいお店から郊外の大きな店、一等地の貴族向け物件、金さえあれば何でもござれよ?」
「条件は厳しいけれど、あるかなあ?そうねえ、商売がしたいのと、鍛冶がしたいのね。そして・・・・クランの王都での活動拠点としたいから、それなりに大きな建物及び、土地が必要かな?」
「・・・・そんなのある訳ないじゃない!贅沢言いすぎ・・・・とあれ?あるわね・・・・」
「一つ、ちょっと希望と違うかもだけれど、商店として使っていた表側と、裏側は倉庫だった場所があるのよ。大通りに面しているから、商店としても申し分ない物件で、実際大通りから外れると土地代は安いのだけれど、この物件は倉庫が奥にあるのね。更に奥は材木の資材置き場だったから、広い土地がそのまま残っているわね。」
「え?そこって確か・・・・?」
「調子に乗って事業を拡大しすぎて、最近倒産したのよ。しかも夜逃げ・・・・」
「わあ、借金抱えて逃げちゃったの?」
「ええ、今は冒険者が依頼を受けて追っているわ。」
何処の世界も世知辛いな。
しかも夜逃げを冒険者が追いかけるとか。
そうはなりたくないね?
俺達は早速その物件を見る事になった。
11
お気に入りに追加
3,980
あなたにおすすめの小説
勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!
よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です!
僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。
つねやま じゅんぺいと読む。
何処にでもいる普通のサラリーマン。
仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・
突然気分が悪くなり、倒れそうになる。
周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。
何が起こったか分からないまま、気を失う。
気が付けば電車ではなく、どこかの建物。
周りにも人が倒れている。
僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。
気が付けば誰かがしゃべってる。
どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。
そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。
想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。
どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。
一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・
ですが、ここで問題が。
スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・
より良いスキルは早い者勝ち。
我も我もと群がる人々。
そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。
僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。
気が付けば2人だけになっていて・・・・
スキルも2つしか残っていない。
一つは鑑定。
もう一つは家事全般。
両方とも微妙だ・・・・
彼女の名は才村 友郁
さいむら ゆか。 23歳。
今年社会人になりたて。
取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。
Sランク昇進を記念して追放された俺は、追放サイドの令嬢を助けたことがきっかけで、彼女が押しかけ女房のようになって困る!
仁徳
ファンタジー
シロウ・オルダーは、Sランク昇進をきっかけに赤いバラという冒険者チームから『スキル非所持の無能』とを侮蔑され、パーティーから追放される。
しかし彼は、異世界の知識を利用して新な魔法を生み出すスキル【魔学者】を使用できるが、彼はそのスキルを隠し、無能を演じていただけだった。
そうとは知らずに、彼を追放した赤いバラは、今までシロウのサポートのお陰で強くなっていたことを知らずに、ダンジョンに挑む。だが、初めての敗北を経験したり、その後借金を背負ったり地位と名声を失っていく。
一方自由になったシロウは、新な町での冒険者活動で活躍し、一目置かれる存在となりながら、追放したマリーを助けたことで惚れられてしまう。手料理を振る舞ったり、背中を流したり、それはまるで押しかけ女房だった!
これは、チート能力を手に入れてしまったことで、無能を演じたシロウがパーティーを追放され、その後ソロとして活躍して無双すると、他のパーティーから追放されたエルフや魔族といった様々な追放少女が集まり、いつの間にかハーレムパーティーを結成している物語!
美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった
ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます!
僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか?
『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』
お花畑な母親が正当な跡取りである兄を差し置いて俺を跡取りにしようとしている。誰か助けて……
karon
ファンタジー
我が家にはおまけがいる。それは俺の兄、しかし兄はすべてに置いて俺に勝っており、俺は凡人以下。兄を差し置いて俺が跡取りになったら俺は詰む。何とかこの状況から逃げ出したい。
ハズレスキル【収納】のせいで実家を追放されたが、全てを収納できるチートスキルでした。今更土下座してももう遅い
平山和人
ファンタジー
侯爵家の三男であるカイトが成人の儀で授けられたスキルは【収納】であった。アイテムボックスの下位互換だと、家族からも見放され、カイトは家を追放されることになった。
ダンジョンをさまよい、魔物に襲われ死ぬと思われた時、カイトは【収納】の真の力に気づく。【収納】は魔物や魔法を吸収し、さらには異世界の飲食物を取り寄せることができるチートスキルであったのだ。
かくして自由になったカイトは世界中を自由気ままに旅することになった。一方、カイトの家族は彼の活躍を耳にしてカイトに戻ってくるように土下座してくるがもう遅い。
無限に進化を続けて最強に至る
お寿司食べたい
ファンタジー
突然、居眠り運転をしているトラックに轢かれて異世界に転生した春風 宝。そこで女神からもらった特典は「倒したモンスターの力を奪って無限に強くなる」だった。
※よくある転生ものです。良ければ読んでください。 不定期更新 初作 小説家になろうでも投稿してます。 文章力がないので悪しからず。優しくアドバイスしてください。
改稿したので、しばらくしたら消します
帰って来た勇者、現代の世界を引っ掻きまわす
黄昏人
ファンタジー
ハヤトは15歳、中学3年生の時に異世界に召喚され、7年の苦労の後、22歳にて魔族と魔王を滅ぼして日本に帰還した。帰還の際には、莫大な財宝を持たされ、さらに身につけた魔法を始めとする能力も保持できたが、マナの濃度の低い地球における能力は限定的なものであった。しかし、それでも圧倒的な体力と戦闘能力、限定的とは言え魔法能力は現代日本を、いや世界を大きく動かすのであった。
4年前に書いたものをリライトして載せてみます。
「お前のような奴はパーティーに必要ない」と追放された錬金術師は自由に生きる~ポーション作ってたらいつの間にか最強になってました~
平山和人
ファンタジー
錬金術師のカイトは役立たずを理由にパーティーから追放されてしまう。自由を手に入れたカイトは世界中を気ままに旅することにした。
しかし、カイトは気づいていなかった。彼の作るポーションはどんな病気をも治す万能薬であることを。
カイトは旅をしていくうちに、薬神として崇められることになるのだが、彼は今日も無自覚に人々を救うのであった。
一方、カイトを追放したパーティーはカイトを失ったことで没落の道を歩むことになるのであった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる