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外伝 女神のチョンボで大変な事に 口田 士門

精霊”ロンダーヴ”  その①

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 ボクの名前はロンダーヴ。
 ロンダートじゃないよ?
 こう言っちゃあなんだけど、実力はかなりのものだよ?

 そもそも精霊に固有の名前が付く事は滅多にないんだから、その辺りは推して知るべきと思わない?

 さて、ボクがマスターと出会ったのはね・・・・その前に、どうして人間の居る場所に来ちゃったか、知りたいよね?
 ちょっとその辺りを今から話そうか?フフッ!

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 時は少し遡り、数か月前女神がミスを犯して慌てている所から始まる。

 今日もフワフワ―スイスイー

 何も考えないで漂うのも、たまにはいいよね?あれ?何か変わった感じだな?あっちかな?あっちへいけ!!フアフワー

 あれ?なにか・・・・ありゃりゃ?これ裂け目じゃない?しかも人間の住んでいる所に行ける?

 うーん悩んじゃうなーここの暮らしも悪くないけれど、漂ってるだけだしー

 ちょっと行ってみるかなー?うん・・・・暇だしねえいってみよー

 ムムム夢夢むむむ・・・・中々きついなあ・・・・魔力が減っちゃうよー・・・・

 あ、出た。
 ここが人間の世界かあ。
 あー、これはいけないなあ。
 このままだと魔力が無くなっちゃって、消えちゃうなあ。
 このまま消えるなんて、ボク嫌だなあ?
 あれ?何か・・・・呼んでいる?なんだろう?カンカンと音がしてるー
 あ、人間が・・・・精霊の住処作ってるよー あれに住まわせてもらおー スイスイー

「グワッ!」
「親方!大丈夫ですか?」
「ぐうぉ――――――!」
 どちゅーん!!!!!!!!!!!!!

「ううう・・・・何だったのだ・・・・今までと全く違うこの感覚。成功したのか?」
「親方?何やら剣が光っていますよ?」
「・・・・なんじゃこりゃ?今日は何やら胸騒ぎがするから、久しぶりに精霊の効果がある剣を打とうと思ったのじゃが、失敗か?ガエル・バルリエントスともあろう者が、こんなしくじりをするとは・・・・作り直すか・・・・ウギャー!」

【気安くボクに触るな!触っていいのはマスターだけだ!ってマスターって誰?】
 しまったな・・・・考えなしにこの剣とやらに住まわせてもらったけれど、出れないじゃない?
 どうしてくれよう・・・・ここでマスターを待つか・・・・

「何だと・・・・まともに触れないだと・・・・どれ・・・・鑑定してみるか・・・・」


 名称:<精霊剣”ロンダーヴ”>
 <効果:精霊を使役できる。>
 <種類:精霊剣>
 <素材:ミスリル>
 <製作者:ガエル・バルリエントス>
 <レベル13以上で使役可能>

 何だこれは!レベル13以上でないと扱えぬのか?
 俺は一体何でこんなのを作ったのか・・・・?
 捨てるのもなんだし・・・・加工し直すのも無理なのか・・・・?仕方がない、工房の隅にでも置いておこう。
 しかし、何だったんだ・・・・未だかつてない予感がしたんだがな・・・・?

 暇だなあ・・・もう何ヶ月も経っちゃったけれど、ボクにふさわしい奴なんて現れないじゃないか?幸いこの剣の中にいる限り、魔力の消費は殆んどないからいいけれど、外に行けないしなあ?
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