45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ

文字の大きさ
上 下
870 / 1,180
外伝 女神のチョンボで大変な事に 口田 士門

ミゲルさんの価格提示

しおりを挟む
「どうする?」
 ヒソヒソ

「え?しもんさん、売らないのですか?」
 せつがさも売るのが当たり前といった感じで聞き返してくる。

「そこ迷う必要ある?」
 ズバッとくる安楽座さん。

「まあまあ、最後に決めるのは口田さんですからね。私は賛成ですけれど。」
 大人な対応の前重先生。
 今、四人でひっそりと話をしている。

 何故かと言えば・・・・

「・・・・まずは胡椒ですが、一袋小金貨5枚でどうでしょうか?」

 ・・・・え?ミゲルさんの提示した金額に驚く。
 因みにただで手に入れたとはいえ、店での販売価格は200円ぐらい。
 小袋、小瓶の詰め替え用が驚きの値段。

「砂糖ですが、これだけの量ですと金貨3枚でどうですかな?塩ですが、こちらは金貨1枚ですな。どうですかな、口田殿。」

 凄い値段だったので驚き、皆と相談する事に。
 砂糖と塩は袋入りで1キロのやつ。
 甜菜糖とか黒砂糖とかあったけれど、あれらは少なかったから出さなかった。
 上白糖は、どの店でも大抵ドカ売りしているからな。

 結局売る事に。
 胡椒の小袋10ケ、砂糖と塩一キロを5つ。
 胡椒は金貨  5枚。
 砂糖は金貨15枚。
 塩は 金貨  5枚。

 計25枚。
 凄い。

 なお小出しにしたのは、大量に一度で出せば値崩れする可能性があったから。
 今から楽しみだ。
 そして、ミゲルさんが再び口を利く。

「それにしても、凄い物を出してきましたな、口田殿は。この街で商売を始めるのですかな?」

「あ・・・・ああ・・・・この街まだ知らないからなあ。商売するかどうかは考えてはいないかな。」
 商売か・・・・今ある商品が無くなったら、売る物が無くなるな。あんまり売りまくってトラブルにならないだろうか?
 希少な商品をめぐって争いになるとか。
 慎重に考えよう。

「おお、そうだった、忘れていた。口田殿が購入する館、もう引き渡す事が可能なのですよ。どうする?」

「じゃあ早速頂いときます。」
 金貨500枚をカバンから出し、渡す。
 うーん・・・・さっきの売った金以外もう殆どないな。

「ああ、それと・・・・あの館、今も一応人に管理させているのだが、引き継がすか?元々公爵付きの執事と、メイドだ。ああいった館には必要だろう?」

「む・・・・見知らぬ人と暮らすのか・・・・」
「その辺りは心配いらない。彼等彼女等はプロだ、口は堅い。たとえ口田殿が館内で犯罪を犯しても、館内の出来事は決して誰にも言わない。」

 ・・・・日本じゃあ絶対言うな。

「一寸待ってくれ。」
「なあ・・・・執事とメイドだよ!」
「何を期待しているのでしょうか?きっとお爺さんお婆さんです。」
「あ、やっぱりそう?せつの家は執事とメイドって歳いっていた?」
「執事は60近かったですね。メイドは・・・・メイド長が50代、リーダーが40代、あとは20代と30代ですね。というか私そういった事、話しましたか?」

「いや、多分いいとこのお嬢さんだと思ったから、もしかしてと思って聞いてみただけ。」
「家が金持ちの娘とか嫌いですか?人によっては避けられるので・・・・」

「いや、問題ない!」

 まあ、折角こんな美女・美少女に囲まれているんだ、これ以上期待はしない方がいい。

「よく分からんが、そのままいてもらっていいのか?今はギルドが雇っている形なのだ。引き継ぐのであれば今後は口田殿が雇う形となる。それと、クランの拠点として使うんだったな。その手続きもしとておこう。」

 この後、屋敷をクランの拠点にする手続きをし、給料や手数料を先に払う。
 意外とかかる。

 金貨20枚が飛んだ。

 さて・・・・実際の引き渡しは翌日になるらしい。
 さあ楽しみだ。

しおりを挟む
感想 63

あなたにおすすめの小説

凡人がおまけ召喚されてしまった件

根鳥 泰造
ファンタジー
 勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。  仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。  それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。  異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。  最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。  だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。  祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。

チートがちと強すぎるが、異世界を満喫できればそれでいい

616號
ファンタジー
 不慮の事故に遭い異世界に転移した主人公アキトは、強さや魔法を思い通り設定できるチートを手に入れた。ダンジョンや迷宮などが数多く存在し、それに加えて異世界からの侵略も日常的にある世界でチートすぎる魔法を次々と編み出して、自由にそして気ままに生きていく冒険物語。

『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる

農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」 そんな言葉から始まった異世界召喚。 呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!? そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう! このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。 勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定 私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。 ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。 他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。 なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。

あなたがそう望んだから

まる
ファンタジー
「ちょっとアンタ!アンタよ!!アデライス・オールテア!」 思わず不快さに顔が歪みそうになり、慌てて扇で顔を隠す。 確か彼女は…最近編入してきたという男爵家の庶子の娘だったかしら。 喚き散らす娘が望んだのでその通りにしてあげましたわ。 ○○○○○○○○○○ 誤字脱字ご容赦下さい。もし電波な転生者に貴族の令嬢が絡まれたら。攻略対象と思われてる男性もガッチリ貴族思考だったらと考えて書いてみました。ゆっくりペースになりそうですがよろしければ是非。 閲覧、しおり、お気に入りの登録ありがとうございました(*´ω`*) 何となくねっとりじわじわな感じになっていたらいいのにと思ったのですがどうなんでしょうね?

異世界に転生した俺は元の世界に帰りたい……て思ってたけど気が付いたら世界最強になってました

ゆーき@書籍発売中
ファンタジー
ゲームが好きな俺、荒木優斗はある日、元クラスメイトの桜井幸太によって殺されてしまう。しかし、神のおかげで世界最高の力を持って別世界に転生することになる。ただ、神の未来視でも逮捕されないとでている桜井を逮捕させてあげるために元の世界に戻ることを決意する。元の世界に戻るため、〈転移〉の魔法を求めて異世界を無双する。ただ案外異世界ライフが楽しくてちょくちょくそのことを忘れてしまうが…… なろう、カクヨムでも投稿しています。

異世界転移しましたが、面倒事に巻き込まれそうな予感しかしないので早めに逃げ出す事にします。

sou
ファンタジー
蕪木高等学校3年1組の生徒40名は突如眩い光に包まれた。 目が覚めた彼らは異世界転移し見知らぬ国、リスランダ王国へと転移していたのだ。 「勇者たちよ…この国を救ってくれ…えっ!一人いなくなった?どこに?」 これは、面倒事を予感した主人公がいち早く逃げ出し、平穏な暮らしを目指す物語。 なろう、カクヨムにも同作を投稿しています。

クラス転移から逃げ出したイジメられっ子、女神に頼まれ渋々異世界転移するが職業[逃亡者]が無能だと処刑される

こたろう文庫
ファンタジー
日頃からいじめにあっていた影宮 灰人は授業中に突如現れた転移陣によってクラスごと転移されそうになるが、咄嗟の機転により転移を一人だけ回避することに成功する。しかし女神の説得?により結局異世界転移するが、転移先の国王から職業[逃亡者]が無能という理由にて処刑されることになる 初執筆作品になりますので日本語などおかしい部分があるかと思いますが、温かい目で読んで頂き、少しでも面白いと思って頂ければ幸いです。 なろう・カクヨム・アルファポリスにて公開しています こちらの作品も宜しければお願いします [イラついた俺は強奪スキルで神からスキルを奪うことにしました。神の力で学園最強に・・・]

はずれスキル『本日一粒万倍日』で金も魔法も作物もなんでも一万倍 ~はぐれサラリーマンのスキル頼みな異世界満喫日記~

緋色優希
ファンタジー
 勇者召喚に巻き込まれて異世界へやってきたサラリーマン麦野一穂(むぎのかずほ)。得たスキルは屑(ランクレス)スキルの『本日一粒万倍日』。あまりの内容に爆笑され、同じように召喚に巻き込まれてきた連中にも馬鹿にされ、一人だけ何一つ持たされず荒城にそのまま置き去りにされた。ある物と言えば、水の樽といくらかの焼き締めパン。どうする事もできずに途方に暮れたが、スキルを唱えたら水樽が一万個に増えてしまった。また城で見つけた、たった一枚の銀貨も、なんと銀貨一万枚になった。どうやら、あれこれと一万倍にしてくれる不思議なスキルらしい。こんな世界で王様の助けもなく、たった一人どうやって生きたらいいのか。だが開き直った彼は『住めば都』とばかりに、スキル頼みでこの異世界での生活を思いっきり楽しむ事に決めたのだった。

処理中です...