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外伝 リュークとエリザヴェータ
僕達の前には宝箱が
しおりを挟むダンジョンとは不思議な場所です。
どうした事か魔物を倒しても死体が残らないのです。
大抵は魔石が残るのみです。
但しごくまれに魔石以外にも残してくれます。
所謂ドロップアイテム。
そしてダンジョンの上層は大抵魔石のみで、ごくまれに何かをドロップする程度です。
中層へ向かうと、つまりどんどんダンジョンを進み、下へ向かうと魔物が強くなっていきます。
魔物を仕留めた後に残る魔石も上層の魔物に比べ大きいですし、ドロップアイテムも多くなります。
また特定の魔物はドロップアイテムが発生しやすく、例えばボアなんかはお肉をドロップします。
そしてごくまれに宝箱が地面に鎮座していたり。
宝箱の中身は大抵装備品及び知識を得られる書物です。
よくわからない魔道具らしき物が入っている場合もありますが、こういう時は鑑定の力が役に立ちます。
そして今、僕達の前には宝箱が・・・・因みに大抵罠が仕込んであり、今は誰が開けるんだ!という話になっています。
このパーティーには罠を解除できるジョブの人がいません。
盗賊や探検家だったかな?このようなジョブがあれば大抵罠を解除できますが、僕には今まで縁が無かったので無理なんです。
「リューク君、教えてあげよう。」
「レーツェルさんは罠解除の魔法って知っているのですか?」
僕は驚きました。流石は宮廷魔術師見習い・・・・実際は見習いどころか宮廷魔術師の中でも抜きん出て能力が高いとか・・・・流石です!
そう思ったのですが、
「実はさっき得た知識の書に載っているのよねえ。」
少し前に知識の書を得ていたんです。
何故か勇者さまやイディオさんはこう言ったアイテムに興味がないようで、
「好きに使え。」
なのだそう。
メンバーを考慮すればこういった本はレーツェルさんに渡すのが一番。
で、時間を見つけては調べてくれていたようです。
「この本ってね、本に手をかざしてして念じれば、中に封じられている魔法を得られるのよ。因みにこの本だと2回までね。」
そんな便利な本があるんだ。
うーん、色々勉強して覚えた魔法とは何か違うのでしょうか?
「それでね、魔法は使えるようになるけれど、仕組みなんかは分からないから、ちゃんと練習してから使うようにね。尤も罠解除なんて練習しようもないから実際に出現した宝箱で試すのが一番ね。」
どうでもいい事なのですが、今回2回目の出現なんです。
最初の宝箱に本が入っていたのですが、罠があるとは知らず勇者さまとイディオさんが宝箱の前でふざけあっていて、その時に偶然開けてしまったんです。
で、開いた宝箱の中から何かが飛び出す罠だったようで、
「いてええ!!!!!」
イディオさんのお尻に矢が刺さっていました。
「うひゃひゃひゃひゃ!似合ってるぜイディオ!」
「そんな事より早く取ってくれ!そして誰か回復を!」
はあ、本当に大丈夫なのでしょうか。
ここはダンジョン中層。
それなのに勇者さまとイディオさんは相変わらず緊張感がありません。
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