45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ

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外伝 リュークとエリザヴェータ

今のは忘れて下さい

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 レーツェルさんは馬車を御す事に関し、正直なところあまり詳しくはないようで、何とか御せる程度だそうです。
 どちらかと言えば乗馬の方が詳しいらしく、レーツェルさんの馬車を御す方法は、乗馬からの自己流らしいです。

 実際今までロニーさんと共に馬車に乗ったりする機会はそれなりにあり、御者の方がどのように馬を扱うのかもそれなりに見てきました。
 なのであまり詳しくはないと言いつつ馬の扱いはとても優しく、それでいて自然と馬にこちらの意思を伝える事ができているようで、いい意味で自己流のようです。

「君は筋がいい。後は何度か実践あるのみね。」

 レーツェルさんが横にいてくれるお陰で、僕も安心して練習をする事ができ、驚く事なのですが、なんとそれなりに御せるようになっていました。
 因みに馬車だとダンジョンの入り口付近は4時間程で着くようで、先ずは森への入り口に到着。
 本当は通常より時間がかかっていたようですが、学びながらだったのであっという間に感じたようです。

「ここからは私がするわ。流石にまだリューク君には早いわね。」

 森の中を馬車で移動っていったいどうやってやるのでしょう。
 今までは街道を通っていましたので問題ありませんでしたが、今からは舗装されていない場所を通る事になるんです。

 しかしながら杞憂だったようで、今まで数多の冒険者達がダンジョンへ向かうのにここを通ってきたようで、森の中ですがなんと道がありました。
 そして都合のいい事に道幅は一定で、しかも馬車が通るのにちょうどいい幅だったり。
 もしかして勇者さまは知っていた?
 ダンジョンに行った事があれば気が付くだろうって?
 僕、ダンジョンは初めてなんです。
 だから何故馬車で?と思いましたし、今回レーツェルさんが無理だと指摘しなかったし・・・・僕だけ知らなかったとか?
 そんな僕の無知とは関係なく、暫く進むと目的地であるダンジョンの入り口が見えてきました。

 目的地に到着しレーツェルさんが馬車を止め、僕は先に降りました。
 続いてレーツェルさんも降りましたが、馬車のドアは一向に開きません。
 どうしようか悩んでいるとやっと開き、ご機嫌な勇者さまが僕に何故か礼を言ってくれました。

「てめえのお陰でいいおもいさせてもらったぜ!」
「リュークサマサマだな!うはははは!」

 その後真っ赤な顔をさせた聖女さまとビーチェさんが降りてきましたが、もしかして馬車酔いですか?
「その、あ、ありがとうございます。できれば今後はもう少し揺れが少ないようにして頂けると・・・・その、ずっと御して下さったお2人に失礼でした!今のは忘れて下さい!そしてここまでありがとうございます!」

 一体どういう事?
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