45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ

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外伝 リュークとエリザヴェータ

想像していたのとまるで違う

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  翌朝集合場所へ到着したのですが、早かったのかまだ誰も居ませんでした。
 暫くして聖女さまとビーチェさん、別方向からレーツェルさんが現れました。

 それからかなり時間を過ぎてからやっと勇者さまとイディオさんが・・・千鳥足でこちらにやってくるのが見えました。
 何て事!今日から旅に、それも危険な旅へ出るのにあんなになるまで酒を飲んでくるなんて!
 それに城壁の外は草原なので暫くは多分安全だと思いますが、草原を超えると其処は人の手が入っていない森。
 森は魔物が闊歩する場所。
 そんな場所へ自ら居場所を教えるような臭いをさせまくって移動するとか考えられない!
 仮にも魔王を倒す使命を帯びた勇者がそんなので大丈夫なの?と、旅に出る前から心配になってしまいました。

 さらに追い打ちをかける出来事が発生。
 何とダンジョンまで馬車で移動する、というのです。
 別に馬車で移動するのはよくある事なので構いませんけれど、ダンジョンの入り口まで馬車で向かうとか。
 僕が聞いているダンジョンの入り口は街道から森へ向かい、森をそれなりに進んで行かないと辿り着かない場所。
 小高い山まで向かう必要があるはずなのに、そこまで馬車?

 想像していたのとまるで違う!

 それにこれから旅に出る冒険者であれば絶対にしない、喫煙をしているんです!
 あの臭いは魔物を引き寄せるので、冒険者であれば旅から戻ると吸う人もいますが、旅へ出る前は余程の事が無い限り吸いません。
 若しくは相当自信があるかのどちらか。

 まあソロの冒険者であればそれでいいかもしれませんが、今回聖女さまを筆頭に初めてダンジョンに挑むメンバーがいるんです。
 余程全員を守り切れる自信があると考えるべきなのか。
 そんな僕の心配をよそに、
「おーリューク殿、少し名前を貸してもらったぞ。後から頼んだ。」
 イディオさんが僕の事をリューク殿と言うのって、かなり怪しい。
 また何か僕の名前で買い物をしたのでしょうか?
「他人の金でってのもいいもんだ!それだけでもお前は俺様のパーティーに加わった、つまり勇者様を支援できたって誇れるぜ!うはははは!」

 勇者さまのテンションが朝からおかしい。
 昨日も相当変でしたが、先が思いやられます。

 メンバーが揃ったので全員馬車に乗り込んでいきますが、何故か僕は乗せてもらえませんでした。
 レーツェルさんもです。
「誰が馬車を御すんだ!察しろよ!」
 察しろって・・・・僕出来ないよ。
「仕方がない。私が教えてあげるから覚えなさい。」
 レーツェルさんはできるんだ?
「レーツェルさん、宜しくお願いします。」
「わ、分かったからあまり近づかないでよね!」

 こうして僕は新たな知識を得つつ、旅に出るのでした。
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