45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ

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外伝 リュークとエリザヴェータ

それは流石に

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  人の荷物をあれこれ詮索するつもりはないので特に聞きませんが、どうやらまだある様子。

「流石に重すぎて持てねえ。一緒に来てくれ。」
 何故かイディオさんにそう言われ、僕は付いて行きます。
 然程距離はありませんでしたが、案内された先で収納してほしいのは樽のようです。
「これを仕舞ってくれ。それと横にある瓶も入れといてくれ。」
 水でしょうか?
「イディオさん、水であれば沢山用意していますし、魔法で飲み水は確保できますよ。」
「何で俺が水の心配をしないといけないんだ!いいか、これは命の飲料だ!特に勇者はこれがないと始まらねえ!いいか、これが切れたら旅は終わりだ。直ぐに帰還する。」
 命の飲料・・・・特別な飲料なのでしょうか?
 リュークはまだ15歳になったばかりで酒を飲んだ事が無い上に、孤児院では酒そのものに接する機会が無かったので、分かっていなかったりする。
 尤も冒険者になってからは酒場などで飲んでいる人々を沢山見ているので、酒の知識がない訳ではない。
 そしてリュークが知る限り、いかに冒険者であろうと危険な旅の道中に酒を持っていく事はない。
 そもそもかなりの荷物になる上に、酒を持っていくのであれば通常は水を持っていくからだ。

 そして普通の冒険者はよほどの事が無い限り所謂収納かばん、つまり空間を拡げ重量を軽減するようなかばんは持っていない。
 運良くダンジョンで獲得できればいいが、そんなかばんを手に入れれば普通は売ってしまう。
 何せあまりもの高額で取引されるので、一般の冒険者であれば質素に暮らせば一生暮らす事も可能な金額で取引される事があるからだ。

 リュークは樽の置いてある店の前で、イディオに言われるがまま収納していった。
「一寸待っていろ。」
 イディオさんは奥へ行き、何やらお店の人と話している様子。
「先に帰る。後は任せた!」
 ・・・・後は任せたって何の事?
 すると、店の人が僕に、
「イディオ様よりあなた様からお代金を頂戴するよう仰せつかっております。」
 え?これお金払っていなかったの?僕は驚くと共に何故僕が?と思いましたが既に収納に入れてしまっています。
 まあ出せばいいのでしょうが、それだと勇者さまが困るのかな?

「イディオさんお金払っていなかったのですね。えっとカードに入っていますが、引き落とせますか?」
「勿論できます。」

 結局安くない金額を支払い僕は急造パーティーに合流すべく、急いで戻りました。

 ・・・・
 ・・・
 ・・
 ・

「戻ったか。ちゃんと持って来たんだろうな?」
「はい、持ち帰りました。」
「それならいい・・・・って勇者痛い!待て待て何事?」
 僕とイディオさんの近くにいたせいで、会話が聞こえたらしい勇者さま。
 すると何故かイディオさんを何処かへ引きずっていきます。

『全額払わせたのか?』
『当然だろう勇者。散々散財したせいで俺達一文無しじゃねえか。』
『あいつたんまり金持っていやがったのか・・・・そんな事なら娼館しょうかんへ・・・・』
『いやそれは流石に・・・・』

 商館しょうかんがどうかしたのでしょうか?

 分かっていないリュークだった。
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