４５歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

外伝 リュークとエリザヴェータ

出発時刻が迫って

　　リュークは色々考えたが、各々の私物のうちリュークに預けてもよい物をそれぞれ袋に予め入れてもらい、受け取る事にした。
　特に女性の場合、袋の中身を見られたくない場合・・・・例えば下着など・・・・は、そう言った物を別の袋に入れ、リュークへ渡す袋の中に袋を入れる事で解決をした。

　これにより、特に女性は衣類を余分に持っていく事ができる為、通常の旅より数段快適になるはずだ。

　食料もリュークが死にさえしなければ、リュークの収納能力が限界にならない限り持ち込み放題。

　それに予備の武器や防具、薬なども沢山持てるので旅がはかどる。
　リューク自身は何故か旅の準備を勇者に丸投げされた事もあり、急いで必要と思われる物資を購入していった・・・・何も聞いていなかったので自腹で、だが。
　だがリュークは実際使い切れない金を既に所持していたので、大した出費と思わなかった。
　それよりも何か不足している物はないかな？
　もっと予備を買うべきだろうか？
　男性の着替えは十分持ったが、流石に女性用の着替えは本人に任せる他なく、念の為にもう一度確認すべきか悩むリュークだった・・・・
　こんな時姫さまがいれば相談に乗ってもらえたのに、今は居ないからなあ・・・・
　そんな事を思いながら準備を進め、気が付けば出発時刻が迫っていた。

　・・・・
　・・・
　・・
　・

　最終的に今まで確保していた食料を含め、数ヶ月は持つだけの食料と水を収納する事となったリューク。
　実際は1ヶ月程度の旅となるそうだが、何があるか分からないので積み込めるだけ詰め込んだ。
　それでもまだまだ収納には余裕がある。

「リューク様、こちらをお願いしますわ。」
「リュークさん、これ私と聖女様の。中身は見ないでよね？」
　聖女さまとビーチェさん。
「中身なんて見ませんよ？流石に袋ごと収納すれば、一度出さないと中身は確認できませんし、そんな時間もないと思いますしね・・・・では受け取りました。しかしいいのですか？2人共僕が思ったより荷物は少ないようですが？」
　主に衣類を預かる事になるはずのリュークだが、片手で持てる程度の重さしかない。
「私には浄化という魔法がございますの、リューク様。浄化があれば体を清め、衣類の汚れも綺麗になりますので余程生地が破れたり傷まない限りは問題ありませんの。」
　浄化って便利なんだなあ。
　そんな事だったら取得しておけばよかった。
　もし時間に余裕があれば、教えてもらえないかな？
　そしてビーチェさんの荷物も聖女さま同様少なかった。
「あたいはほら、拳で戦うからさ、予備の武器って本当は必要ないし？防具ってほら、普通の服みたいなもんだからね。」
「そうでしたか。では預かります。」

「リューク殿、これを託す。」

　レーツェルさんから受け取ったのは、恐らく着替えの入っている袋と、杖だった。
「杖、ですか？」
「私は魔法を使う。杖があればより魔法が安定するが、万が一今の杖が折れた場合使う事になる。」
「では受け取ります。僕の方でも武具は一通り揃えましたので、万が一の時は使えるかどうかは分かりませんが用意した杖も使って下さい。」
「準備がいいな。」

　そのまま僕の後ろに行っちゃった。
　そして勇者さまとイディオさんがやってきて・・・・
「勇者と俺が用意した予備の荷物だ。」
　そう言って渡して下さるのはいいのですが、結構多い。
　別に詮索するつもりはありませんが、一体こんなに大量、何が入っているのだろう。