４５歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

外伝 リュークとエリザヴェータ

お城へ連絡

　　この後、僕はロニーさんの所で1ヶ月お程世話になりました。
　そうは言っても店でじーっとしているのではなく、ロニーさんと王都中を駆け巡り、更にはロートレック領へと何度も足を運びました。

　僕は知らなかったのですが、ロートレック領はロートレック公爵さまが治める地なのだそう。

　そして、ロニーさんとは学友なんだとか。
　公爵さまとではなく、公爵さまの嫡男ですね。
　
　そう、皇太子さまとも親しいようで・・・・悪童3人組と言われ、学生時代は凄かったらしいです。
　何が凄かったのかは知りませんが、ロニーさんは凄いです！
　相手は皇太子さまと公爵さま・・・・当時はまだ公爵位を継いでいなかったようですが、いずれ公爵さまとなる事が決まっている人と親しくなるなんて。
　それを言えば皇太子さまと親しくなるって・・・・やっぱりロニーさんはただものではありません！だからトレイナー商会が凄まじい勢いで発展？しているのがよくわかります。

　そうそう、僕はロニーさんと行動を共にする事が多いのですが、実はそれ以外にも王都で色々と用事が出来たんです。

　僕がロニーさんと遠征した帰りには、必ずお城へ連絡をする事になったんです。
　何で？と思うかもしれませんが、エリザヴェータさまからの要望？で、ロニーさん宛に手紙が届いていて、内容はどうやら僕と一緒に魔法の勉強を・・・・そう、回復魔法をシグネさんだったかな？彼女を交えてしたいのだとか。

　どうやらシグネさんは僕やエリザヴェータさまと違い、回復魔法の適性が飛びぬけているようで、欠損した身体の治療を道具を用いればできるようになったのだとか。

　欠損した部位の修復って相当難易度の高い治療なので、セアリアス帝国でも数える程しかいないのだとか。
　それを道具を用いてとはいえ、シグネさんはできる。
　凄い！

　で、シグネさんは教師としても優秀で、僕とエリザヴェータさまはシグネさんを師匠と仰ぎ一緒に学ぶ事になっているんです。
　僕は一応回復魔法を使えますが、残念ながらレベルが低すぎて未だかすり傷程度しか治療できません。

　それでも回復魔法の使い手は貴重なようで、皇族とは言えエリザヴェータさまは父である皇帝陛下より回復魔法をしっかり扱えるよう懇願されたのだとか・・・・懇願なんだ。

　で、僕がロニーさんと帰ってくると、
「リューク殿、お疲れの所申し訳ないが、直ぐに来てもらおう。」
　どうやって僕がトレイナー商会へ戻ったのを分かるのか不思議ですが、総じて1時間以内に使者の方が城からやってきます。
　で、そのまま馬車に乗ってお城へ。

　馬車を下りると、
「リュークさん！」
　エリザヴェータさまは僕を見ると飛びついてきます。
「た、ただいま。」
「おかえりなさい！」

　何故か入城するとただいまって挨拶をする事になっちゃいました。