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外伝 リュークとエリザヴェータ
肝に銘じておこう
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翌朝、僕とロニーさんは中々に豪勢な朝食を食べ、店を出ました。
「あの、あんなに沢山、しかもお肉を食べさせてもらってもよかったんですか?」
硬いパンをよくわからないスープに浸して食べるのが日常な僕にとって、ロニーさんの店で頂いた食事は美味しくって贅沢過ぎました。
「何を言っているんだいリューク君。今や君はビジネスパートナーなのだよ。パートナーを粗末に扱うなど、考えられないさ。それに身体は資本。活力となる食事は大事なんだよ。」
そうは言っても・・・・そう、寝る場所もそうだったけれど、少し硬いかな?という丁度良い寝心地の敷布団に、驚く事に何と掛け布団は羽毛だった!
あんなに軽くて暖かくって・・・・泣きそうだったんだ。
そして最初少し硬いと思った敷布団だったけれどあら不思議。
翌朝には昨日の疲れがすっかり取れていて、すっきりとした朝を迎える事ができたんだ。
「僕、羽毛布団なんて初めて使いました。」
「僕はねリューク君、店を構える商人だけれども、仕入れは自らの足で、と決めているんだよ。旅先での宿はどうしようもないけれど・・・・それでも何度も足を運んだ街であれば、どの宿がいいとかも分かるから、そうした宿を選ぶのも目利きの勉強になるのさ。せめて自分の住んでいる店では良質の寝具で身体をよい状態にしたいと思っているのだよ。その為の投資には金を惜しまないつもりさ。」
成程そう言う事なんだ。
ロニーさんは店でも忙しく、店員さん?に色々指示を出していたり、指導したりと大変そうでした。
しかしロニーさんの表情はとてもよく、相手も真剣そのものでロニーさんと話を終えた後の表情も明るく、ロニーさんの店はこう言った細かな配慮からも繁盛するのは当然だなあと、素人の僕でさえ感じたんだ。
「さあ王都へ行こうかリューク君。」
「はい!」
因みに昨日はアフェールで沢山の品を出し入れしました。
そして出発という時になり、
「リューク君、すまないがこれも仕舞ってくれないかい?何とか間に合ったようなのでね。」
木箱を受け取り仕舞いました。
「さあ出発だ!昨日も伝えたと思うが夕方には王都へ到着予定だよ!準備はいいかい?」
「僕はいつでも大丈夫ですよ。」
僕とロニーさんは昨日乗っていた馬車へ再び乗り込みました。
どうやら今日は昨日とは違う馬がけん引してくれるようで、
「長距離を移動するからね。可能であればこうして馬を取り換えるのだよ。そうする事で馬の寿命も長くなるのだよ。」
酷い商人は馬を乗り潰す事もあるんだとか。馬も生き物だからね、可能であれば健康な状態で長生きしたいよね?
僕は再びロニーさんと馬車の中へ入り、出発しました。
道中ロニーさんは王都に関して色々教えてくれました。
王都の壁はアフェールの2倍ほどの高さと厚みがあり、ドラゴンでも襲ってこない限り王都が破壊される事はないだろうって言っていました。
それといまいち分かりませんでしたが、信頼できる相手を見つけるには自身の信用が重要なんだとか。
まあ自分の商人としての振る舞いが酷ければ相手がどう対応するかは・・・・わかる気がします。
そうそう、ロニーさんは王都ではこの店で食事をするといい!とお勧めの店をいくつか教えてくれました。
まあ今の僕はそれなりにお金を持っているので、社会勉強と思って王都では沢山の店で飲み食いや買い物をするといい、とも言われました。
うーん、お金を使うのって難しそう。
孤児院では自由に使えるお金なんてなかったから、自分の為に買い物をするってどうすればいいのかいまいち分からない。
それも含め、敢えて使うべきと指摘を受けました。
金の使い方を学ぶのも大事なんだとか。
必要な時に必要な金をちゃんと使えるかどうか。
勿論無駄使いは厳禁。
それにはある程度金を使わないと感覚を掴めないのだとか。
それはそうだよね。
孤児院出身の僕には欠けている感覚。
金があればあるだけ使ってしまい、身を崩す冒険者が多いのだとか。
肝に銘じておこう。
お金の使いどころを間違えない事、と。
「あの、あんなに沢山、しかもお肉を食べさせてもらってもよかったんですか?」
硬いパンをよくわからないスープに浸して食べるのが日常な僕にとって、ロニーさんの店で頂いた食事は美味しくって贅沢過ぎました。
「何を言っているんだいリューク君。今や君はビジネスパートナーなのだよ。パートナーを粗末に扱うなど、考えられないさ。それに身体は資本。活力となる食事は大事なんだよ。」
そうは言っても・・・・そう、寝る場所もそうだったけれど、少し硬いかな?という丁度良い寝心地の敷布団に、驚く事に何と掛け布団は羽毛だった!
あんなに軽くて暖かくって・・・・泣きそうだったんだ。
そして最初少し硬いと思った敷布団だったけれどあら不思議。
翌朝には昨日の疲れがすっかり取れていて、すっきりとした朝を迎える事ができたんだ。
「僕、羽毛布団なんて初めて使いました。」
「僕はねリューク君、店を構える商人だけれども、仕入れは自らの足で、と決めているんだよ。旅先での宿はどうしようもないけれど・・・・それでも何度も足を運んだ街であれば、どの宿がいいとかも分かるから、そうした宿を選ぶのも目利きの勉強になるのさ。せめて自分の住んでいる店では良質の寝具で身体をよい状態にしたいと思っているのだよ。その為の投資には金を惜しまないつもりさ。」
成程そう言う事なんだ。
ロニーさんは店でも忙しく、店員さん?に色々指示を出していたり、指導したりと大変そうでした。
しかしロニーさんの表情はとてもよく、相手も真剣そのものでロニーさんと話を終えた後の表情も明るく、ロニーさんの店はこう言った細かな配慮からも繁盛するのは当然だなあと、素人の僕でさえ感じたんだ。
「さあ王都へ行こうかリューク君。」
「はい!」
因みに昨日はアフェールで沢山の品を出し入れしました。
そして出発という時になり、
「リューク君、すまないがこれも仕舞ってくれないかい?何とか間に合ったようなのでね。」
木箱を受け取り仕舞いました。
「さあ出発だ!昨日も伝えたと思うが夕方には王都へ到着予定だよ!準備はいいかい?」
「僕はいつでも大丈夫ですよ。」
僕とロニーさんは昨日乗っていた馬車へ再び乗り込みました。
どうやら今日は昨日とは違う馬がけん引してくれるようで、
「長距離を移動するからね。可能であればこうして馬を取り換えるのだよ。そうする事で馬の寿命も長くなるのだよ。」
酷い商人は馬を乗り潰す事もあるんだとか。馬も生き物だからね、可能であれば健康な状態で長生きしたいよね?
僕は再びロニーさんと馬車の中へ入り、出発しました。
道中ロニーさんは王都に関して色々教えてくれました。
王都の壁はアフェールの2倍ほどの高さと厚みがあり、ドラゴンでも襲ってこない限り王都が破壊される事はないだろうって言っていました。
それといまいち分かりませんでしたが、信頼できる相手を見つけるには自身の信用が重要なんだとか。
まあ自分の商人としての振る舞いが酷ければ相手がどう対応するかは・・・・わかる気がします。
そうそう、ロニーさんは王都ではこの店で食事をするといい!とお勧めの店をいくつか教えてくれました。
まあ今の僕はそれなりにお金を持っているので、社会勉強と思って王都では沢山の店で飲み食いや買い物をするといい、とも言われました。
うーん、お金を使うのって難しそう。
孤児院では自由に使えるお金なんてなかったから、自分の為に買い物をするってどうすればいいのかいまいち分からない。
それも含め、敢えて使うべきと指摘を受けました。
金の使い方を学ぶのも大事なんだとか。
必要な時に必要な金をちゃんと使えるかどうか。
勿論無駄使いは厳禁。
それにはある程度金を使わないと感覚を掴めないのだとか。
それはそうだよね。
孤児院出身の僕には欠けている感覚。
金があればあるだけ使ってしまい、身を崩す冒険者が多いのだとか。
肝に銘じておこう。
お金の使いどころを間違えない事、と。
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