45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ

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外伝 リュークとエリザヴェータ

複雑そうな顔

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「ほうほう・・・・裁縫が5か。成程・・・・清掃もいけるな・・・・」
 何やらユッテの事を見ているロゼさんから独り言が聞こえてきます。
「ユッテとやら、其方は裁縫と清掃スキルの値が高いな。これを生かした職業をやってみないか?」
「えっと具体的にはどういう事でしょうか?」
「どこかで裁縫をするか、貴族の館でメイドとして働くかだな。」
 えっと、確か裁縫とか、何処かに弟子入りしないと仕事できないんじゃなかったかな?メイドさんなんかも誰かの紹介がないといけないって聞いた記憶があるような無いような。
「えっと私片目失っているし、見た目もそんなによくないからメイドとかは無理じゃあないでしょうか?」
「そうだな・・・・確かに片目がないとメイドはな・・・・人目に触れるしな。じゃあ裁縫を生かしてどこかの針子として働くか?」
「えっと針子とは?」
「うん?ああ、まあそうだな、どこかの店で服を縫う仕事だな。スキルが5あれば大抵の店で雇ってもらえるだろう。人目に晒される訳ではないから見た目も気にしないでいいしな。」
 複雑そうな顔をするユッテ。
「あ、あの・・・・もしかして、ヴェニアミンとは離れないといけないでしょうか?」
「うん?ああ、もしかしてそこにいる片腕は其方の良い人だったか。大丈夫だ、その辺も考えてある。元々其方ら2人を離すつもりはなかったのでな。」
 そう言って、もうユッテの事は心配ない感じで、再びヴェニアミンに。
「ヴェニアミン君。今、帝国は1人でも多くの兵士を募っている。片腕では出来る事も限られるが、戦場で剣を持って戦うのが兵士の全てではない。補給しかり、伝令しかり。」
 じっとヴェニアミンを見つめるロゼさん。
「あ・・・・片腕でも務まるものなのでしょうか?」
「其方馬には乗れるのであろう?伝令は戦場において戦う必要はない。逃げる必要はあるがな。もう少し体を鍛え、武器無しで自らを守る術をしっかり持てば何とかなる。剣術はあまり役に立たんが、ショートソードを片手で扱う分には護身用としてそれなりにはなる。若しくは失った方の腕に剣を装着して戦う手もあるがな。」
 考えるヴェニアミン。
 そこに追い打ちをかけるように言うロゼさん。
「それにな、若い針子の娘はたいてい兵士を夫に選ぶものだ。」
「え・・・・えーどういう事ですか?」
「ああ、どういう服を縫うのか言っていなかったが、必ずしも貴婦人の服を縫う訳ではない。この世の半数は男だ。そして男のうち若い奴は兵士である事が多い。田舎に行けば農民である事も多いがな。なのでな、其方には男物の服を縫う仕事をやってもらいたいのだ。」
「あ、あの、ちょっとヴェニアミンと相談させて下さい・・・・」
「ああいいぞ、若いっていいな!ハハハ!」
 豪快に笑うロゼさん。
 真っ赤になって俯くヴェニアミンとユッテ、うん、分かり易いよね、この2人って。
 そして急に真剣な眼差しになって、僕の方を向くロゼさん。

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