45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ

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外伝 リュークとエリザヴェータ

河の中へ

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 僕は川と思っていたけれど、ロゼさん曰く、【河】なんだそう。

 結構大きな川だなあと思っていたのですが、大きな川は河、と呼ぶんだって。
 初めて知ったかも。

 今は春。
 今日は日差しが強いから少し暖かい感じ。
 だけど河の水は恐ろしいほどに冷たい。

「さ・・・寒い・・・・」

 凍えそうになりながらも、生きるか死ぬかなので誰も河へ入る事への躊躇はなかったんだけど。
 うん、必死だったから河の冷たさもお構いなし。
 で、今は河の中に頭も突っ込んで・・・・当然ながら髪の毛もわしゃわしゃと洗ったので、全身ずぶ濡れ。

 自分の荷物は何とか持ち出せていたけれど、持ち出せたというか身体に括り付けていた訳で。

 この中から何とか乾いた布を取り出し、拭いていきます。

 あ、そうそう。
 河原で騎士の隊長さんが火を起こしてくれていて、今はそこで暖を取っています。

 気が付けばロゼさんと隊長さんが何か話し合っていて、まあ隠す程の事ではないのか、僕の方にも会話が聞こえてきてます。
 簡単に言えば、まだ衣服が十分乾いていないが、無理を承知で町まで進むか、このまま野営できる所で野営をするか。

 どちらも難点があって、全員街まで辿り着く体力があるかどうか、また野営の場合道具が無いのでどうするか、といった所かな。

「ねえリューク、あれは何でしょう?」

 姫さまが僕に指をさして尋ねたのでその方向を見ると、河の上流から何かが流れてくるのが見えました。
 まだ遠いから何だか分からないけれど。

「えっと、何かいますね。何でしょう?」

 姫さまを見ると・・・・メイドさんが2人、一生懸命姫さまの髪を拭いている所です。
 馬車からあまり荷物を持ってきていないようで・・・・まああの状況では難しいかな。
 ありあわせの布で拭いているみたい。
 それでもいくばくかの布を持ってこれていたんだ。
 自分達もずぶ濡れなんだから、自分達も拭けばいいのに。
 一度そう言ってみたら、信じられないものを見るような眼で僕を見てきたメイドさん。

「私達は姫さまの為に存在しております。どうぞお気遣いなく。」

 あっさり否定されてしまいました・・・・

 僕と姫さまが見ている方向に女性の冒険者も気が付き、同じように何かを見つけたみたいです。

「何かいますね・・・・あれは・・・・人?」
 シグネさんも気が付いたようで、

「皆さん警戒を!」

 そう言うシグネさんの声にロゼさんと隊長さんが反応し、指さす方向を見ると、
「人だ!人が流されているぞ!」
 とロゼさんが言うけれど、だんだん近づいてきたから分かるけれど、あれ多分死体・・・・
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