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外伝 リュークとエリザヴェータ

車輪に臭いが

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 道からは少し離れているけれど帝都がある方角へ向かってるらしく、万が一を考え道は使わないほうがいい、と。
 僕もそう思った。
 何故なら、車輪に臭いが付いていて馬車本体に殆んど臭いが付いていなかったって事は、きっと道に臭いがする何かが置いてあって、その上を車輪が通過した可能性があるなあ、と。
 馬もきっとその臭いを踏んだんだろうな。
 そして怪我人もいるから1時間歩いたと言ってもその歩みは遅く、一度安全そうな場所で止まって休憩する事に。

 シグネさんが回復魔法を使ってくれたお陰か、全員血は止まっているんだけど、失った腕や脚は流石に元に戻らず、ヴェニアミンは片手がなく時々痛むのか苦しそう。
 ユッテも片目は包帯?布を巻いたまま。
 片目の所為かあまり上手く歩けていない。
 しかもヴェニアミンと一緒に歩いているから、どうしても歩くのが遅くなる。
 そんな事を思いつつ見ていると、
「おい少年、どうして車輪に魔物が集まると気が付いたんだ?」
 ロゼさんが聞いてきた。
 すると騎士の人や、他の冒険者の人達が一斉に振り返る・・・・僕に。
「そうです。車輪を転がして下さり魔物が移動した隙に、あの場で生きていた人は皆ここまでやってこられましたら、ありがとうなのですわ、そしてどうして気が付いたのですか?」
 お礼を言いつつやっぱり聞いてくる姫さま。

 僕は気が付いた事を皆の前で話しました。

「うーん・・・・たまたまスタンピードに巻き込まれたと思っていたけれど、人為的な何か?」
 そう言う冒険者の一人。
「だが何故だ?そんな事をしてどうなる?」
 別の冒険者。
「それはやっぱり・・・・」
 そう言いつつ、姫さまの方を見る冒険者の人達。
「無礼な!姫様は何もしておられぬ!むしろこちらも被害者だ!」
 皆の視線に気が付いたのか怒るロゼさん。

「皆様の言いたい事は分かります。ただ、私を襲おうと思えば私には護衛がいますが、数倍の手練れを用意すれば達成できたはずです。しかし、如何に皇族とはいえ、所詮は女。死んだ所で何も変わりません。父には立派な跡継ぎの兄上もおられますし。」

 僕はこういった事は全く分からないのだけれど、姫さまは何者かに狙われていたのでしょうか?
 でも、魔物に襲わせたとして確実じゃあないし。
 そう思ってると、
「おい、今はそんな事はどうでもいい。生き残った我々が皆無事に魔物の脅威から脱する事が、まず優先されるべきだろう。」
 騎士の一人が・・・・たぶんこの騎士の人たちの中心・・・・隊長さん?かな、がそう言ってくれます。
「じゃあこれからどうするんだ?」
 冒険者の人がそう言って聞いてきたんだけど、どうするべきなのかな?
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