え!僕が英雄?

よっしぃ

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学院 2年目

金属音と、怒号と、魔法と

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騒がしいとかいうレベルじゃない。

何かが戦ってる?

えっと?ここって安全地帯だよね?

魔物が現れない場所。
なのに・・・家の中から音が聞こえる。金属音がそこら中でしているし、何やら怒鳴ってる声が聞こえてる。
魔法も、色々なのが飛び交ってる。


「ちょっと待て!様子がおかしすぎる!それに・・・・血の匂いが凄い!」

フィンが今まで見せた事のない顔で言い放つ。

「みんな離れるな!何か不測の事態が起こってる。今からここは安全ではなくなったようだ。それと・・・・ロヴィーサさん、万が一の場合、こう言っては何ですが、私を最優先で、私と言うのはおかしいですね、第三王子を最優先で護る事。次に優先されるのはカトレイン姫の保護。いいですね。」

・・・・これは・・・・フィンは今、魔法学院の生徒ではなく、第三王子の立場として命令している。

「・・・・王族の強権発動ですか?」

「ええ・優先されるのは、王族の命ですから。それと、この先に兄がいるはずです。もし兄が生きていれば、ためらわず兄を護る事を優先して下さい。先ずはヘルブラント王子の無事を確認する事。そして次に、第二王子の無事。この際ですからはっきり言いますが、万が一の場合、男性の王族を優先して下さい。いいですね。」

怖い・・・・普段のやさしさがみじんも感じられない。

「皆さん、念のために言っておきますが、僕は自分の身の可愛さから言っているのではありません。恐らく、王位継承者を狙ったテロでしょう。今ここには第一王子から第三王子までがそろってしまっています。護衛も殆どいません。ここで男性の王族が死ねば、国が荒れます。最悪他国がこれ見よがしに侵略してくるでしょう。言いたい事はわかりますね、ヘルト。」

「うん・・・・わかるけど・・・・」

その時、ひときわ大きな爆発音がした。

「こうしてはいられません。第三王子を護りつつ、先に進みましょう。兄を救出せねば。」

おっかなびっくり、僕達は進んだ。しかもフィンは自分を第三王子と言い、護れと、しかも第三王子はいかにも他人であるかのような言い方。


そして進むと・・・


魔法陣の手前でも、激しい戦いが・・・・人が!冒険者の姿をしてる誰かが、学院の生徒を襲ってる!

「できれば魔法陣で逃げたかったのですが・・・・無理そうですね。兄は、いそうですか?」

ヘルブラント王子はこの場にはいなそうだけど・・・あ、ヒルメルトさんが倒れてる!血だらけ・・・・

「フィン、ヒルメルトさんが倒れてる!」

「何処だ?」

「ほら、すぐそこ!」

そのまま警戒しながら近づく。

ああ、剣でバッサリ切られてる!

回復させなきゃ!まだ間に合う!

「フェン、みんなを護って!回復させる!」

僕は急いで・・・・いつものやり方で、魔法を使う。

傷口がふさがっていく。

「あ・・・・ヘルト!フィン!大変なんです!冒険者が学院の生徒を襲ってるんです。」

「兄は!ヘルブラント王子は無事か?」

「わかりません・・・・真っ先に狙われてましたから。しかも私達が此処に来た時には、既に激しい戦闘が。すぐに私も攻撃を受け、ヘルブラント王子の近くへ、行く事もできませんでした。
ファネッサは上手く魔法陣で脱出させました。救援要請に行ってもらってます。彼女ではこの場に残っても、力になれませんから。」

しかし、周りを見ると酷い・・・・生徒の誰かだろうけど・・・・死んでるよ・・・・あ・・・・護衛の人も死んでる・・・

女の子の生徒も・・・・動いてないよ。何でこうなったの?
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