え!僕が英雄?

よっしぃ

文字の大きさ
上 下
57 / 118
ワワラドナ王国国立魔道学院

合格でした

しおりを挟む
「よかった!心配したんですよ?」

そう言ってフロリーナさんは僕を抱きしめてくれる。

フロリーナさん、僕のお母さんと同じぐらいなのかな?何だかお母さんみたい。

少し安心しちゃった僕は、力が抜けてその場に座りこんじゃった。

「あらあら、疲れちゃったかしら?フィン、申し訳ありませんが、この子を休ませてあげてくれないかしら?」

「叔母様、いいですよ。僕にお任せください。」

「じゃあお願いね。わたしはこの子の受け入れ手続きをしに行ってくるわ。」

僕はフィンに支えられ、フロリーナさんが去っていくのを見送って。あれ?僕合格なの?

「フロリーナさん、僕、その、合格ですか?」

何かに気が付いたかのように、フロリーナさんが立ち止まり、

「あらやだ私ったら、肝心な事を伝え忘れたわ。ヘルト卿、おめでとうございます!晴れてこの学院生となりました。」

「そっかあ、合格だったんだね。」

「ええ。それで私は手続きに行ってきますから、後の事はフィンに任せておけば問題ありませんからね。」
そう言って本当に去っちゃった。

「ヘルト、立てるかい?」

「ごめん、ちょっと無理かな。腰が抜けちゃった。」

フィンとフェンが僕の両肩を支えてくれて、何とかまたフィンのお部屋に。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「よく分からないけど、合格おめでとうでいいのかな?」

「どうなんだろうね?僕此処には見学でって、きたつもりだったんだけどなあ。」

「あ、そうか。叔母さんがやりそうな事だね。しっかりしてるようで、一寸抜けてる所があるからなあ。」

あ、そういう人いるね。見た目に騙されちゃうんだよ。

フロリーナさんがそう言う人なのか。気をつけよう。


「それとね、ヘルト、カバンも置いてっちゃったじゃないかい?ドラゴンのドロップ品、カバンに入れさせてもらったけど、凄いねこのカバン。ヘルトが作ったのかい?」

「そうだよ?だけど、元になったのは、違うカバンなんだよね。僕が作るのは、真似した物だけだよ。」

「へえ、そうなのかい?それにしては、このカバン、重量軽減?空間の拡張と、もしかして時間経過の防止機能もついている?」

「あ、わかる?これ作るの中々大変だったんだよ?沢山失敗作作っちゃたよ。」

「へえ、そうなのか、羨ましいな、何かを作れるって。」

「え?そうなの?だけど僕にも作れないものがあるからね。例えばほら、このショートソード。」

僕は普段使ってるショートソードを取り出す。

ダンジョンで拾った奴だったかな?
凄い性能で、もしかしてミスリル製?普通の生き物なら、胴体でも首でも、バターを切るみたいに、サクッと切れちゃうんだよ。
僕みたいな非力でも、オークの首を簡単に切断できたりね。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる

フルーツパフェ
大衆娯楽
 転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。  一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。  そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!  寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。 ――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです  そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。  大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。  相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。      

異世界転移物語

月夜
ファンタジー
このところ、日本各地で謎の地震が頻発していた。そんなある日、都内の大学に通う僕(田所健太)は、地震が起こったときのために、部屋で非常持出袋を整理していた。すると、突然、めまいに襲われ、次に気づいたときは、深い森の中に迷い込んでいたのだ……

父が再婚しました

Ruhuna
ファンタジー
母が亡くなって1ヶ月後に 父が再婚しました

【完結】ヒトリぼっちの陰キャなEランク冒険者

コル
ファンタジー
 人間、亜人、獣人、魔物といった様々な種族が生きる大陸『リトーレス』。  中央付近には、この大地を統べる国王デイヴィッド・ルノシラ六世が住む大きくて立派な城がたたずんでいる『ルノシラ王国』があり、王国は城を中心に城下町が広がっている。  その城下町の一角には冒険者ギルドの建物が建っていた。  ある者は名をあげようと、ある者は人助けの為、ある者は宝を求め……様々な想いを胸に冒険者達が日々ギルドを行き交っている。  そんなギルドの建物の一番奥、日が全くあたらず明かりは吊るされた蝋燭の火のみでかなり薄暗く人が寄りつかない席に、笑みを浮かべながらナイフを磨いている1人の女冒険者の姿があった。  彼女の名前はヒトリ、ひとりぼっちで陰キャでEランク冒険者。  ヒトリは目立たず、静かに、ひっそりとした暮らしを望んでいるが、その意思とは裏腹に時折ギルドの受付嬢ツバメが上位ランクの依頼の話を持ってくる。意志の弱いヒトリは毎回押し切られ依頼を承諾する羽目になる……。  ひとりぼっちで陰キャでEランク冒険者の彼女の秘密とは――。       ※この作品は「小説家になろう」さん、「カクヨム」さん、「ノベルアップ+」さん、「ノベリズム」さん、「ネオページ」さんとのマルチ投稿です。

世界中にダンジョンが出来た。何故か俺の部屋にも出来た。

阿吽
ファンタジー
 クリスマスの夜……それは突然出現した。世界中あらゆる観光地に『扉』が現れる。それは荘厳で魅惑的で威圧的で……様々な恩恵を齎したそれは、かのファンタジー要素に欠かせない【ダンジョン】であった! ※カクヨムにて先行投稿中

ちょっっっっっと早かった!〜婚約破棄されたらリアクションは慎重に!〜

オリハルコン陸
ファンタジー
王子から婚約破棄を告げられた令嬢。 ちょっっっっっと反応をミスってしまい……

【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~

シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。 木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。 しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。 そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。 【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】

『異世界庭付き一戸建て』を相続した仲良し兄妹は今までの不幸にサヨナラしてスローライフを満喫できる、はず?

釈 余白(しやく)
ファンタジー
HOT 1位!ファンタジー 3位! ありがとうございます!  父親が不慮の事故で死亡したことで最後の肉親を失い残された高校生の小村雷人(こむら らいと)と小学生の真琴(まこと)の兄妹が聞かされたのは、父が家を担保に金を借りていたという絶望の事実だった。慣れ親しんだ自宅から早々の退去が必要となった二人は家の中で金目の物を探す。  その結果見つかったのは、僅かな現金に空の預金通帳といくつかの宝飾品、そして家の権利書と見知らぬ文字で書かれた書類くらいだった。謎の書類には祖父のサインが記されていたが内容は読めず、頼みの綱は挟まれていた弁護士の名刺だけだ。  最後の希望とも言える名刺の電話番号へ連絡した二人は、やってきた弁護士から契約書の内容を聞かされ唖然とする。それは祖父が遺産として残した『異世界トラス』にある土地と建物を孫へ渡すというものだった。もちろん現地へ行かなければ遺産は受け取れないが。兄妹には他に頼れるものがなく、思い切って異世界へと赴き新生活をスタートさせるのだった。 その他、多数投稿しています! https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/398438394

処理中です...