え！僕が英雄？

色々な道具を作成

コンラート・アダーメクとフロリーナ・サビーン・ハーゼルゼット

結局奥の部屋へ案内される。

何だか部屋の中が豪華。

冒険者ギルドの中は、冒険者が沢山出入りするので、そんな立派なものは置いていないみたいで。
え？何でって？
だってほら、冒険者って血の気が多い人が多いから、よくギルド内で喧嘩したりして、そのたびにあちこちの物が吹っ飛んだり。


そんな所に高価な物は置けないんだって。

ギルドで使う魔道具も、普段は仕舞っていて、必要な時だけ出してるみたい。

そんな冒険者には場違いな奥の部屋。

後で聞いたら、この部屋はギルドでも特に重要な話の時にしか使わないんだって。

ちょっと震えてしまうよ。

受付のお姉さんが

「ちょっと待ってて下さいね。」

と言って出ていった。

何だろう・・・・

すると、何だかダンディなおじさんと、貴婦人を連れて戻ってきて。

あ、この貴婦人さん、見るからに身分が高そう。

「呼び立てて申し訳ございません、ヘルト卿。私はここのギルドの責任者、コンラート・アダーメクと申します。以後お見知りおきを。」

「えっと、わざわざこんな事もにご丁寧にどうも。ヘルト・マッセリンクと申します。それと、僕が卿って何でしょう？」

僕はそう聞いてみた。

「何をおっしゃる。ドラゴンを見事討伐したのですから、ヘルト卿はもはや貴族ですよ。」

「えっと意味が分かりません。何故ドラゴンを討伐したら、貴族なのですか？」

「それはわたくしが説明しましょう。」


そこに貴婦人が割って入ってくる。

「小さな英雄さん、初めまして。私はワワラドナ王国でワワラドナ王国国立魔道学院の院長を務めております、フロリーナ・サビーン・ハーゼルゼットと申します。」

わーとっても上品な女性だな。

そして僕は今、重大な事に気が付いた。

この人達、ここの言葉じゃなく、僕の馴染みの言葉を使ってしゃべってる？

「それはご丁寧にどうもです。あの、どうして僕の知ってる言葉でしゃべってるんですか？」

「あら？駄目だったかしら？だってその方が、色々お話しやすいでしょう？」

すると、念話？でフェンが僕に話しかけてくる。

《ねえマスター、この人達は大丈夫だよ。害意はないみたい。》

《よく分かるね。じゃあもう少しリラックスしてみようかな。》

「僕としてはありがたいのですが、こんな子供に大袈裟ですよ？」

「私は決してヘルト卿を子供扱いは致しませんよ。あの、その、それでなのですけれど、そろそろ本題に入らせてもらっても宜しいかしら？」

「あ、はいどうぞ。」

「詳しい話は後程。私が此処へ、ヘルト卿に会いに来た理由ですが、ヘルト卿、わが学院へ魔道を習いに来ませんか？」

「え？僕が勉強を？」

「ええ。魔道の才能をお持ちの方は、年々減少しております。そんな折、ヘルト卿に魔道の才能があると報告を受け、こうして是非学んでいただきたいと思い、お話に来たのです。」

えっと、困ったな。僕、こう見えても人とのおつきあい苦手なんだ。