え！僕が英雄？

色々な道具を作成

フェンの爪は万能ナイフ！

「ありがとうフェン！」

思わずももふっちゃった。

だってフェンってふわふわなんだよ？もう、もふもふし放題。

「マスターくすぐったいよう！」

そして僕の抱き枕。もふもふに包まれて寝るなんて、もう幸せ。


あ、そうそう、フェンの爪はドラゴンの牙より硬くって、お願いしてもらっちゃった。

しかも流石はフェン。

僕がドラゴンの牙を加工するのに使いやすいようにナイフみたいしてくれたんだよ。


元の姿のフェンの爪は、鋭く長い。だけど爪は自在に出し入れできるみたいで、僕がもふってる間、爪を奥に引っ込めてくれてるらしいんだ。

流石はフェン、やさしいね！

フェンは僕より小さいのに、爪は僕の人差し指ほどあるんだよ。
だからその大きさは使いやすくて、細かい作業に適してる。

ドラゴンの牙もどんどん削れるし。

２０本ほど完成して、いったん休憩。


で、フェンから鋭い突っ込みがあったんだけど。

「マスターは武器を充実させるより、防具を充実させた方が絶対いいよ？」

って言われちゃった。

うん、僕は今まで魔物と戦ってるとき、一度も魔物の攻撃を受けた事が無いんだ。

その前に弓で始末してたから。

っで、何でってそれは、僕は一撃でも攻撃を受けたら、きっと倒れちゃうから。

この前の冒険者に殴られた時とか。

僕、不意打ちとはいえ、たった一度殴られただけで、立ち上がれなくって。

僕の弓の腕前はなかなかだと思ってるけど、防御力は、ざるだと思うよ。

だってね・・・・こんなぺったんこな胸と、ほっそっこい腕では、到底力があるようには見えないよね。実際ないんだけど。

「ねえフェン、どうしたらいいと思う？プレートアーマーとか、装着したら僕絶対動けないよ？」

「そんなの必要ないじゃない。ドラゴンの鱗で鎧作ったら？」

「えーあれ硬すぎて加工しずらいうえに、装着しても、動きに制限ありそうだよね？」

「マスターなら大丈夫だよ？ほら、お家を広げた魔法、あれで加工したらきっと柔らかくなっちゃうよ？」

えっとよく分からないかな。つまり、ドラゴンの鱗を加工して、魔法で軟らかくしちゃうって事?    

そんな器用な事できるかなあ？

まあ物は試しに、一枚使ってみようかな。

僕は鱗が柔らかくなるように念じてみる。

あれ？何も起こらない？

もう一度？
変わらないなあ。

念じ方が悪かったのかな？


じゃあ今度は、実は鱗は軟らかいんだよ。

って念じてみた。


変わらないなあ。

何がいけなかったんだろう。

そう思って鱗を手に取ると、あれ？布みたいに簡単に曲がっちゃった？

何でだろう？

後にわかった事だけど、これが触媒師のスキルのなせる業。
凄いね。