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ベティーナ信仰の聖地”オーリグー”
第64話 見せるべきではなかった?
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「まさか・・・・これは・・・・伯爵さま、信じられませぬが、”エリクサー”と鑑定に出ております。」
「やはりそうか。すまんな。それを確認したかったのじゃ。それとな、今後この領内、それに儂の今後に関わる事になるのでな、絶対に誰にも言うな。言うなら儂の許可を得よ。たとえ妻でも子でも、親兄弟でも駄目じゃ。ましてや其方の付き人などあり得ぬ。万が一愛人に漏らすなどあってはならぬ・・・・漏れれば其方の一族悉く死を持って償う事になる故、気をつけるように。」
「は!存じております。」
そんなに大事?
「驚かせてすまんなショースケ。因みにこの薬は、まだ手に入るのか?」
僕はもう一つ手元にある事を思い出し、出します。あ・・・・一つはコラリーヌさんに保管を頼んでたっけ。
それに、一度使った水筒に、同じのを入れて保管しなおしてたっけ。
別のカバンもごそごそと探してみようかな。
結果伯爵さまが持っている水筒と、先程の鑑定していた人が伯爵さまに手渡してるので、
ここには計3本。
「これほどあるのか。これはどうやって手に入れたのじゃ?」
あ、後ろからコラリーヌさんがつついているのが分かります。
これは喋るな、と言う事でしょうか?
「申し訳ありませんが、元々父と母が所有していたのですが、この地に避難している間に両親とも死にました。その時にこれを託されたのです。それとギルドの冒険者に一つ使っているので、残りはここにある4本でございます。」
嘘だけど、そう言っておかないと、コップの存在に気が付いたらどうなる事やら。
伯爵さまは、じっと僕を見ています。
あ、何かを察したのか、先ほどの鑑定した人は去っていきます。
「その方、ショースケと言ったか?」
「はい。」
「その方、何者だ?」
いつの間にか伯爵さまは僕の喉元に剣を突き付けてきました。
「何者と言われましても、見ての通り只の孤児ですよ。」
僕は焦りました。顔は・・・・少し距離をとって、帽子をかぶらないと。
「オークジェネラルを単独で仕留めるその実力、それに見た事もない品を所持しておるな。更にはあの粉じゃ。そして極めつけがエリクサー。其方何しにこの地へやって来た?」
「伯爵さま、剣をお納め下さい。僕は伯爵さまと争うつもりはございません。」
「そうかの?儂にはおう、儂の立場が危ういと本能が警告しておるのじゃが。つまり其の方を始末せねば、とな。」
「そうは言っても僕はたかが10歳の子供ですよ?何ができると言うのでしょう?」
「何がと申しても・・・・其方何か隠しておるな。」
僕は少しずつ動いて、コラリーヌさん達から距離をとります。
ですが剣先は僕の喉元のままです。
喉を突かれては死にます。
どうしたものか。
「やはりそうか。すまんな。それを確認したかったのじゃ。それとな、今後この領内、それに儂の今後に関わる事になるのでな、絶対に誰にも言うな。言うなら儂の許可を得よ。たとえ妻でも子でも、親兄弟でも駄目じゃ。ましてや其方の付き人などあり得ぬ。万が一愛人に漏らすなどあってはならぬ・・・・漏れれば其方の一族悉く死を持って償う事になる故、気をつけるように。」
「は!存じております。」
そんなに大事?
「驚かせてすまんなショースケ。因みにこの薬は、まだ手に入るのか?」
僕はもう一つ手元にある事を思い出し、出します。あ・・・・一つはコラリーヌさんに保管を頼んでたっけ。
それに、一度使った水筒に、同じのを入れて保管しなおしてたっけ。
別のカバンもごそごそと探してみようかな。
結果伯爵さまが持っている水筒と、先程の鑑定していた人が伯爵さまに手渡してるので、
ここには計3本。
「これほどあるのか。これはどうやって手に入れたのじゃ?」
あ、後ろからコラリーヌさんがつついているのが分かります。
これは喋るな、と言う事でしょうか?
「申し訳ありませんが、元々父と母が所有していたのですが、この地に避難している間に両親とも死にました。その時にこれを託されたのです。それとギルドの冒険者に一つ使っているので、残りはここにある4本でございます。」
嘘だけど、そう言っておかないと、コップの存在に気が付いたらどうなる事やら。
伯爵さまは、じっと僕を見ています。
あ、何かを察したのか、先ほどの鑑定した人は去っていきます。
「その方、ショースケと言ったか?」
「はい。」
「その方、何者だ?」
いつの間にか伯爵さまは僕の喉元に剣を突き付けてきました。
「何者と言われましても、見ての通り只の孤児ですよ。」
僕は焦りました。顔は・・・・少し距離をとって、帽子をかぶらないと。
「オークジェネラルを単独で仕留めるその実力、それに見た事もない品を所持しておるな。更にはあの粉じゃ。そして極めつけがエリクサー。其方何しにこの地へやって来た?」
「伯爵さま、剣をお納め下さい。僕は伯爵さまと争うつもりはございません。」
「そうかの?儂にはおう、儂の立場が危ういと本能が警告しておるのじゃが。つまり其の方を始末せねば、とな。」
「そうは言っても僕はたかが10歳の子供ですよ?何ができると言うのでしょう?」
「何がと申しても・・・・其方何か隠しておるな。」
僕は少しずつ動いて、コラリーヌさん達から距離をとります。
ですが剣先は僕の喉元のままです。
喉を突かれては死にます。
どうしたものか。
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