魔法が使えないはずのダンジョンで俺だけ魔法を使えるようになったんだが

よっしぃ

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第45話 すたこらさっさ

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 俺はレナーテに簡単な事情を説明した。
「また問題を起こしたのか。今度問題を起こせば除名も在り得ると先だって伝えてあったはずだが、何故こうも問題を起こすんだ。」
 そう言いつつ、レナーテは愚か者の身体を足を使って動かしている。

 気が付けば俺の周囲に居た冒険者共はいなくなり、かわって愚か者の周囲に見慣れた面々が集まっていた。
 レナーテと共にダンジョンにいた女性達だ。
「遅くなってごめんなさいね・・・・ってまたやったの?」
「そのようだ。ちょっと離れていた間にこのざま・・・・何度言い聞かせても同じ事の繰り返しだ。ダンジョンの奥へ放り込んで、魔力を遮断する装備を奪って立ち去るか?それともティモ共にした仕打ちをその身に味合わそうか?できればダンジョンの奥へ装備をはく奪し放置が一番なのだが。」
 それ死ぬよな、まあどうでもいいんだが。
 今更ながら俺をダンジョンの視えない壁に押し付けた本人は今、冒険者ギルドの床でみっともない姿を晒しつつのた打ち回っている。
 こんな姿を見てしまうと、今更どうでもいいと思えてしまう。
 寧ろこいつに色々な時間を掛けるのが勿体ない。
 今やダンジョンで色々なアイテムをゲットした俺に、こいつが太刀打ちできるはずがないからだ。
 さっきのは俺がわざとやられたふりをしつつ、魔法を試したかったから敢えて突き飛ばされた訳なんだが。
 なので俺はもう、本当にどうでもよくなったので立ち去る事にした。

「後は任せたよ。さく・・・・ブロッサム、行こうか。」
「えーもう行くの?」
「他にも行く場所があるんだ。それが終われば・・・・わかるよな?」
「期待してもいい?」
「当然さ・・・・行くぞ。」
 百花繚乱のリーダーが何か言いたげだったが、今はティモではないんだ、敢えて無視してすたこらさっさとこの場を後にした。
 もしここに長く留まってボロを出してしまえば俺の事がバレる。
 バレてもいいじゃないか?と思うだろうが今の俺は正直異常だと思っている。
 もしやんごとなきご身分の方々に呼び止められてしまえばどうなるか。
 最悪捕獲され、体中を調べ尽くされる可能性がある。
 そんなのはゴメンこうむりたい。
 これはティモ・フローレクではなく有城 洸貴としての知識から来る警戒心だ。
 そう、異世界物でよくある実力を隠して、というくだりである。
 あまりにも突き抜けた力を持ってしまうと権力者に目を付けられ、最悪身体をいじられまくり、自由を奪われ一生を研究の為に費やされる、とかそう言う感じのだ。
 なので適当な事を言って逃げた・・・・ただし他に行く所がある、と言うのは本当の事で、ティモは今まで住んでいた家へ向かうのだった。


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 29日現在435人の方にお気に入りへ入れて頂いておりますが、まだ入れて下さっておられない読者の方が多数見えます。
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