魔法が使えないはずのダンジョンで俺だけ魔法を使えるようになったんだが

第14話 温泉を満喫する

俺は液体が地面から湧いている場所に歩いて到着した。
　鑑定系の魔法は無かったが、宝箱が鎮座していた部屋でゲットしたアイテムのうち、魔法を得られる書物とかあったっけ？
　俺は収納してあるアイテムから、そのような効果があるのあったっけ？とか思いながら探すと・・・・あった。
　多分衣類とかを願った時に手に入れたと思われる、まんま眼鏡だった。
　眼鏡を掛ければあら不思議！疲れ目に効果を発揮し、尚且つ知りたい対象の名前や情報が一部ながら手に入るようだ。
　但し魔力が結構必要で、今はいらないとか思いながら収納に仕舞った逸品だな。
　それと無駄に頭部を保護してくれるようだ。
　何故俺はこれの効果をろくに確認しないまま収納へ入れたんだろう。
　多分ゴーグルと思って宝箱を開けたらメガネだった、だから今はいいや、となったのかな？つい先ほどの出来事なのに、もう忘れるとか・・・・俺氏認知症？

　俺は眼鏡を装着し、地面から湧き出る液体を見た。

【硫化水素泉：飲用すれば糖尿病、痛風、便秘に効果あり。金属を酸化させるので扱いには気を付ける事。湯につかる場合、切り傷、筋・関節痛、慢性皮膚病、慢性婦人病、糖尿病、高血圧、動脈硬化、痛風、便秘、痔に効果あり。睡眠の質も向上し、自律神経を整えてくれる。】

　ほう、色々な効果があるな。
　旅の疲れや傷ついた身体にはうってつけだな。

「よしここへコンテナを出して、中に湯舟を設置し、湯をためる！無理なら湧いている近辺に湯舟を設置するか周囲を掘って露天にする！」

「は、早くするキュル！じゃないするのよ！」
　今更言い直しても桜、手遅れだぞ。

　結局勢い余って湧いている周囲にコンテナを設置後、近くに湯舟を設置、そこへ湯をためた。
　結局桜と入る事にした。
「女性と入浴ってマスター幸せね！」
「いやいや桜はカピバラじゃねえか！ノーカンだ！」
　俺は適度に体を温めた後、コンテナ内に入り寝たが、桜は俺が起きるまで源泉を満喫していたようだ。

　翌朝俺は食事を終え、コンテナを撤収した。
　露天にした場所はそのままにした。
　ダンジョンの自浄作用として、ある程度時間が経てば元に戻る可能性もあるが、それはそれでまた作ればいい。

　桜は俺から魔力供与を受けており、食事は特にいらないらしい。
　最後まで温泉に未練を感じていたようだが、
「また湧水を見つけたら作ってやるよ。」
「それ信じちゃうよ！」

　どうやら桜は温泉が気に入ったようだ。
　俺も気に入ったんだけどさ。
　そしてこうした源泉が湧いている場所はダンジョンのそこかしこで見受けられた。
　結果そうした場所にコンテナを設置し、相変わらず露天掘りをしていく事になる。
　そして不思議な事に、こうした臭いのきつい場所には魔物が一切近づいてこなかった。

　俺達が去った翌日、死に体で辿り着いた冒険者達がこの場所を発見、湯につかり名実ともに生き返ったのは別の話。