魔法が使えないはずのダンジョンで俺だけ魔法を使えるようになったんだが

よっしぃ

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第10話 奥へ

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 使い魔は衝撃のピンク色だったので、桜と命名した。
「へえ、私の色に合あわせて桜って名前にしてくれたんだね!マスターの期待にそえるよう、頑張っちゃうぞ?」
 どうやらやる気があるようだ。

 次に俺を導いてくれる存在。
 使い魔はメスだったが、こちらもメス?女性だ。

 何となくできる大人の女性、そんなイメージ。
《使い魔は桜ですか、素敵な名前ですね。では私も期待して宜しいでしょうね。》

 いきなり難易度が跳ね上がった!
 このまま花の名前?いや樹の名前か。
 どうすっかなあ。
 あ、何となくイメージが来た!
 花で行こう。
「よし、君の名前は椿だ!」
《椿ですか。理由を聞いても?》
「ああ、まだわからんが、椿は俺を導いてくれると思うが、自己主張をするでもなく少し控え目で、それが素晴らしい!だから椿だ。」
《私の名は椿・・・・感謝いたします。さてマスター、全ての部屋を攻略いたしましたが、奥へ進まれますか?》
 そうだった。
「あーうん、多分強敵が現れても魔法で何とかなる、と思うが俺の状態ってわかったりする?」

《マスターの状態ですか。恐らくダンジョン内で魔法を扱う事ができる案件だと思われますが、マスターは運よく条件がそろった事で、ダンジョン内で魔法を使えるようになったようですね。》
「条件ってなんだ?」
 見えない壁に押し付けられ、回復魔法を使うも更に何かが俺に当たって・・・・そんなのが条件なのか?
《ダンジョンで発生している魔力を遮断する壁ですが、マスターの記憶を元に仮説をたて、それを元に算出した条件ですが、マスターは遮断壁に接触した状態で回復魔法を使用後、魔力が枯渇。完全に魔力が無くなった為に遮断が意味を成さずマスターはダンジョン内に。その後魔力が回復すればまた遮断壁の影響を受ける所だったのですが、このタイミングで前世の記憶が回復。魔力が変調し、その影響で遮断壁の影響を受けなくなったと思われます。》
 うん?俺は前世の記憶を思い出した、そう認識していたし椿も前世の記憶と言った。
 しかし魔力が変調したというのはどう言う事なのだろう。
 しかしこれ以上考えられなかった。何故ならば、
「マスター誰かこっちに来るよ?」
 桜が教えてくれた。
「え?それはちょっと・・・・奥へ向かおう。」
 通路の両側に扉があるエリアを抜け、奥へと向かった。

【汝、準備が整っているのであれば奥へ向かうがいい】

 このような表示があったのだが、俺は桜の指摘に気を取られ、そして椿の言葉に意識がいっており見逃してしまった。

 ・・・・
 ・・・
 ・・
 ・

【とある冒険者パーティー】
「みんなストップ!こ、これを!」
 ティモが最後の部屋を攻略している時、とある冒険者パーティーは床に落ちている物体を発見した。
「く、臭いわ!だ、誰よこんな所で・・・・」
「まあまあ、つまりここまでは来ていたって事っすよ。それより部屋、確認します?」
「そうだな。確認だけでもするか。だが死体が転がっていても回収は無理だぞ。」
「では一番近い・・・・くっさ!!どうして消えてないのよ!じゃあ開けるわよ!」
 とあるパーティーメンバーの1人が扉を開ける。
 そして別のメンバーが中の様子を見るが・・・・
「あ、あれ?何もいない?」
「何もいないってどういう事よ?」
「いやあ、いないっていないっすよ?開封済みの宝箱以外何もないっす。」
「ちょ!宝箱が空いているの?誰よ開けっぱなしで出ていったのは!」
 突っ込みどころがそこかよ!と思った別のメンバーだが口に出しては、
「因みに閉めるとどうなるっすか?」
「暫くすると中身が補充され、魔物が復活するって言われているわね。」
「復活って・・・・ここ誰か今まで攻略した事あるんすか?俺聞いた事ないっすよ?」
「私も知らないわよ!そもそもこの部屋って現在このダンジョンが攻略されている最深層で戦う冒険者達でも歯が立たないって言うじゃないの。」
「まああの臭いのが落ちている場所に掘ってある文字っすよね。つまりダンジョンの奥へ向かうには、ここで魔物と戦い宝箱の中身を得、それを以て攻略すべし!みたいな内容っすよね。」
「ええ。難解な古代文字で記載されているから私達は読めないし、ほら、あっちの奥へ向かう所にもあるでしょ?あれも読めないのよねえ。」
「・・・・一応全ての部屋、見るっすか?」

 この後全ての部屋を見たパーティーだが、宝箱が全部開いており、驚愕と共に自分達がギルドで依頼を受け、保護すべく追っている冒険者とはいったい何者なのか?と考えさせられるのだった。

 ●  作者からのお知らせ  ●
 ここまで読んで下さりありがとうございます。
 久しぶりの新作を発表出来ました!
 他にも作りかけの作品が沢山あるのですが見直しをしておらず中々公開に踏み切れておりません。
 そして仕事が忙しくなってしまい、なかなか執筆できずに申し訳なく思っております。

 さて、本作品ですが、本日16日現在34話まで作成済みです。

 明日以降は3話ずつ公開していこうと思っています。

 続きが気になる!頑張れ!等々応援して下さると励みとなりますので、是非☆お気に入りの追加をして頂き応援をお願いいたします。
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