上 下
179 / 300
ギルド

第179話 デルクを利用し、膿を出し切るギルド

しおりを挟む
 ドロップアイテムの回収で、とんでもない事態になっている事を知らないデルクは、セシルと買い物を満喫していた(セシルはデートの認識)。

 うん、街の様子はいい感じ。
 どうも教会が今まで相当悪さをしていたみたいで、トゥーニスさんをはじめ多数の心ある人達が活躍して下さいました。
 その結果教会の勢力をこの街、そして国から駆逐した・・・・そんな感じで今、街は活気があるように感じます。

 そして以前は遊び人に対し風当たりが凄まじかったのですが、
「デルク!デルクじゃないか!生きていたってのは本当だったんだな!」

 誰?そう思ったのですが、以前街の一角で一緒に学んだ・・・・確か彼も遊び人になって、その後どうしていたのか分からないけれど、今この場にいるというのは、無事に遊び人狩りを乗り越えられたんだね。名前は何だっけ?

 思い出せ!たった3年だ!何だっけ・・・・ステファン!ステファン・ボルケステインだ。そうだ思い出した!

「ステファン、君も無事だったんだね!」

「何を言っているんだ、君のおかげで前もって対策を練れていたから、生き残れたんだ。それにその後はトゥーニス様のおかげで王都へ逃げ延び、国王様肝煎りの遊び人部隊に入り、教会と熾烈な争いを・・・・って君の苦労に比べればなんて事はないか・・・・あ、すまない、デートの途中だったね、彼女は?」

「デート・・・・デルクとデート・・・・は!私はセシル。」
「セシル?確かセシルというのは・・・・神聖騎士の?」
「そうだ。」

「そうか・・・・君も苦労したね。だがもう安心だ。確か君は修道院出身だったね。今の教母様はとても誠実な方だ。あ、すまない邪魔したな。いずれ王都で会うだろう・・・・そうだデルク、明日そちらのセシルと一緒に修道院向かうといい。トゥーニス様がこちらにやってくる。」

「え?そうなんだ。どうして?」
「どうしてって・・・・、ギルドもあるし魔物の事もある。それをデルク、君が仕留めたっていうのでトゥーニス様はデルクに会いたいとやってくるんだ。」

 そうか、トゥーニスさんと会えるんだ。
 この後数人の知り合いと遭遇し、皆僕の帰還を喜んでくれました。

 ダンジョンで苦労してレベル上げを行い、街へ戻っても恐らく襲われるだろうと思っていたのですが、どうやらもうその脅威は去ったとみていいようです。

 しまった!セシルと買い物の途中だった。
「セシル、行こうか。」
「ん。今度は腕を組む。」

 退屈させたから、セシルの好きにさせておこう・・・・ちょっと?恥ずかしいし、ドキッとするけれど。
「じゃあ次はどうしよう?」
「下着の大きさが合わない。新しいのが欲しい。」
「分かった、だけど何処に売っているのかな?」

 セシルは思った。
 そのような店に行った事がない。
「分からない・・・・普通の服屋さんで聞くからいい。」

 そしてそのままセシルと服を売っている店に向かいますが・・・・ひょとしてリニさんなら知ってるのでは?

「リニさんに聞けばいいのでは?」
「わかった。」

 ・・・・
 ・・・
 ・・
 ・

「え?下着?」
 リニさんはセシルをじっと見つめます。

「ねえセシルちゃん、ちょっといい?」
 セシルはリニさんに連れられて行きました。

 そして僕は再びヴィーベさんと・・・・2人っきり。

「酷い目に遭った・・・・大事な事だからもう一度言う。酷い目に遭った・・・・」
 自業自得なんだけど・・・・ヴィーベさんが遠い目をして、そして目を合わそうとしていません。ワザと逸らしていますね。

「仕方がないですね、これで機嫌を直して下さい。」
 僕はヴィーベさんに収納かばんを2つ差し出します。1つは男性向け、もう1つは女性向け。

「おい、これって収納かばんじゃないか?」
「リニさんの分と2つ差し上げます。」

「え?いいのか?というかダンジョンへ向かう前にも作ってたっけな。」
「ええ、まあ生き残る為に?必要なスキルだったので、収納かばんを沢山作る事でスキルのレベルが上がったので・・・・まあ副産物なんですよ。」

「そうか、流石はデルクだ。あ、そうださっき連絡があってな、明日トゥーニスさんが街へやってくるんだ。まあ王都から馬を飛ばせば1日で到着できるから近いっちゃあ近いんだが。」

 ヴィーベさんにも連絡があったんですね。
 あ、セシルが戻ってきました。
「デルク、行こう。」
「セシルちゃん!勝負下着は女の武器よ!」
「ん。わかった。」

 下着が武器?
 一体どうやって攻撃するのでしょう?
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

異世界あるある 転生物語  たった一つのスキルで無双する!え?【土魔法】じゃなくって【土】スキル?

よっしぃ
ファンタジー
農民が土魔法を使って何が悪い?異世界あるある?前世の謎知識で無双する! 土砂 剛史(どしゃ つよし)24歳、独身。自宅のパソコンでネットをしていた所、突然轟音がしたと思うと窓が破壊され何かがぶつかってきた。 自宅付近で高所作業車が電線付近を作業中、トラックが高所作業車に突っ込み運悪く剛史の部屋に高所作業車のアームの先端がぶつかり、そのまま窓から剛史に一直線。 『あ、やべ!』 そして・・・・ 【あれ?ここは何処だ?】 気が付けば真っ白な世界。 気を失ったのか?だがなんか聞こえた気がしたんだが何だったんだ? ・・・・ ・・・ ・・ ・ 【ふう・・・・何とか間に合ったか。たった一つのスキルか・・・・しかもあ奴の元の名からすれば土関連になりそうじゃが。済まぬが異世界あるあるのチートはない。】 こうして剛史は新た生を異世界で受けた。 そして何も思い出す事なく10歳に。 そしてこの世界は10歳でスキルを確認する。 スキルによって一生が決まるからだ。 最低1、最高でも10。平均すると概ね5。 そんな中剛史はたった1しかスキルがなかった。 しかも土木魔法と揶揄される【土魔法】のみ、と思い込んでいたが【土魔法】ですらない【土】スキルと言う謎スキルだった。 そんな中頑張って開拓を手伝っていたらどうやら領主の意に添わなかったようで ゴウツク領主によって領地を追放されてしまう。 追放先でも土魔法は土木魔法とバカにされる。 だがここで剛史は前世の記憶を徐々に取り戻す。 『土魔法を土木魔法ってバカにすんなよ?異世界あるあるな前世の謎知識で無双する!』 不屈の精神で土魔法を極めていく剛史。 そしてそんな剛史に同じような境遇の人々が集い、やがて大きなうねりとなってこの世界を席巻していく。 その中には同じく一つスキルしか得られず、公爵家や侯爵家を追放された令嬢も。 前世の記憶を活用しつつ、やがて土木魔法と揶揄されていた土魔法を世界一のスキルに押し上げていく。 但し剛史のスキルは【土魔法】ですらない【土】スキル。 転生時にチートはなかったと思われたが、努力の末にチートと言われるほどスキルを活用していく事になる。 これは所持スキルの少なさから世間から見放された人々が集い、ギルド『ワンチャンス』を結成、努力の末に世界一と言われる事となる物語・・・・だよな? 何故か追放された公爵令嬢や他の貴族の令嬢が集まってくるんだが? 俺は農家の4男だぞ?

どうも、命中率0%の最弱村人です 〜隠しダンジョンを周回してたらレベル∞になったので、種族進化して『半神』目指そうと思います〜

サイダーボウイ
ファンタジー
この世界では15歳になって成人を迎えると『天恵の儀式』でジョブを授かる。 〈村人〉のジョブを授かったティムは、勇者一行が訪れるのを待つ村で妹とともに仲良く暮らしていた。 だがちょっとした出来事をきっかけにティムは村から追放を言い渡され、モンスターが棲息する森へと放り出されてしまう。 〈村人〉の固有スキルは【命中率0%】というデメリットしかない最弱スキルのため、ティムはスライムすらまともに倒せない。 危うく死にかけたティムは森の中をさまよっているうちにある隠しダンジョンを発見する。 『【煌世主の意志】を感知しました。EXスキル【オートスキップ】が覚醒します』 いきなり現れたウィンドウに驚きつつもティムは試しに【オートスキップ】を使ってみることに。 すると、いつの間にか自分のレベルが∞になって……。 これは、やがて【種族の支配者(キング・オブ・オーバーロード)】と呼ばれる男が、最弱の村人から最強種族の『半神』へと至り、世界を救ってしまうお話である。

無能なので辞めさせていただきます!

サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。 マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。 えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって? 残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、 無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって? はいはいわかりました。 辞めますよ。 退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。 自分無能なんで、なんにもわかりませんから。 カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。

おっさんの異世界建国記

なつめ猫
ファンタジー
中年冒険者エイジは、10年間異世界で暮らしていたが、仲間に裏切られ怪我をしてしまい膝の故障により、パーティを追放されてしまう。さらに冒険者ギルドから任された辺境開拓も依頼内容とは違っていたのであった。現地で、何気なく保護した獣人の美少女と幼女から頼られたエイジは、村を作り発展させていく。

スキル間違いの『双剣士』~一族の恥だと追放されたが、追放先でスキルが覚醒。気が付いたら最強双剣士に~

きょろ
ファンタジー
この世界では5歳になる全ての者に『スキル』が与えられる――。 洗礼の儀によってスキル『片手剣』を手にしたグリム・レオハートは、王国で最も有名な名家の長男。 レオハート家は代々、女神様より剣の才能を与えられる事が多い剣聖一族であり、グリムの父は王国最強と謳われる程の剣聖であった。 しかし、そんなレオハート家の長男にも関わらずグリムは全く剣の才能が伸びなかった。 スキルを手にしてから早5年――。 「貴様は一族の恥だ。最早息子でも何でもない」 突如そう父に告げられたグリムは、家族からも王国からも追放され、人が寄り付かない辺境の森へと飛ばされてしまった。 森のモンスターに襲われ絶対絶命の危機に陥ったグリム。ふと辺りを見ると、そこには過去に辺境の森に飛ばされたであろう者達の骨が沢山散らばっていた。 それを見つけたグリムは全てを諦め、最後に潔く己の墓を建てたのだった。 「どうせならこの森で1番派手にしようか――」 そこから更に8年――。 18歳になったグリムは何故か辺境の森で最強の『双剣士』となっていた。 「やべ、また力込め過ぎた……。双剣じゃやっぱ強すぎるな。こりゃ1本は飾りで十分だ」 最強となったグリムの所へ、ある日1体の珍しいモンスターが現れた。 そして、このモンスターとの出会いがグレイの運命を大きく動かす事となる――。

【書籍化】パーティー追放から始まる収納無双!~姪っ子パーティといく最強ハーレム成り上がり~

くーねるでぶる(戒め)
ファンタジー
【24年11月5日発売】 その攻撃、収納する――――ッ!  【収納】のギフトを賜り、冒険者として活躍していたアベルは、ある日、一方的にパーティから追放されてしまう。  理由は、マジックバッグを手に入れたから。  マジックバッグの性能は、全てにおいてアベルの【収納】のギフトを上回っていたのだ。  これは、3度にも及ぶパーティ追放で、すっかり自信を見失った男の再生譚である。

復讐完遂者は吸収スキルを駆使して成り上がる 〜さあ、自分を裏切った初恋の相手へ復讐を始めよう〜

サイダーボウイ
ファンタジー
「気安く私の名前を呼ばないで! そうやってこれまでも私に付きまとって……ずっと鬱陶しかったのよ!」 孤児院出身のナードは、初恋の相手セシリアからそう吐き捨てられ、パーティーを追放されてしまう。 淡い恋心を粉々に打ち砕かれたナードは失意のどん底に。 だが、ナードには、病弱な妹ノエルの生活費を稼ぐために、冒険者を続けなければならないという理由があった。 1人決死の覚悟でダンジョンに挑むナード。 スライム相手に死にかけるも、その最中、ユニークスキル【アブソープション】が覚醒する。 それは、敵のLPを吸収できるという世界の掟すらも変えてしまうスキルだった。 それからナードは毎日ダンジョンへ入り、敵のLPを吸収し続けた。 増やしたLPを消費して、魔法やスキルを習得しつつ、ナードはどんどん強くなっていく。 一方その頃、セシリアのパーティーでは仲間割れが起こっていた。 冒険者ギルドでの評判も地に落ち、セシリアは徐々に追いつめられていくことに……。 これは、やがて勇者と呼ばれる青年が、チートスキルを駆使して最強へと成り上がり、自分を裏切った初恋の相手に復讐を果たすまでの物語である。

ゴミアイテムを変換して無限レベルアップ!

桜井正宗
ファンタジー
 辺境の村出身のレイジは文字通り、ゴミ製造スキルしか持っておらず馬鹿にされていた。少しでも強くなろうと帝国兵に志願。お前のような無能は雑兵なら雇ってやると言われ、レイジは日々努力した。  そんな努力もついに報われる日が。  ゴミ製造スキルが【経験値製造スキル】となっていたのだ。  日々、優秀な帝国兵が倒したモンスターのドロップアイテムを廃棄所に捨てていく。それを拾って【経験値クリスタル】へ変換して経験値を獲得。レベルアップ出来る事を知ったレイジは、この漁夫の利を使い、一気にレベルアップしていく。  仲間に加えた聖女とメイドと共にレベルを上げていくと、経験値テーブルすら操れるようになっていた。その力を使い、やがてレイジは帝国最強の皇剣となり、王の座につく――。 ※HOTランキング1位ありがとうございます! ※ファンタジー7位ありがとうございます!

処理中です...