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セシル
第143話 Side セシル その1
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時は少し遡り、デルク達4人がダンジョンから脱出後、それぞれに分かれた直後のセシルなのだが・・・・
Side セシル
やっとダンジョンを脱出できてとても嬉しいのだが、明日までデルクに会えないと思うととても寂しい。
しかしデルクには色々生還を知らせないといけない人も多いだろうし、明日までの我慢。
さて私の名はセシル・ヴァウテルスと言う。
今から司祭様の所へ会いに行かなくてはいけない。そして修道院にも。
司祭様にはいち早くこの鎧を外してもらわねばならない。
どうしても外せなく、何か仕掛けがあるようでその仕掛けはどうやら司祭様にしか外せないようになっていたらしい。
だからまず司祭様の元へ。
その後は修道院で教母様にお会いせねば。
私は生きている、と知らせる必要がある。
・・・・
・・・
・・
・
困った。
以前あった場所に教会がない。
そして司祭様の行方が分からない。
仕方がない。修道院へ向かおう。
・・・・
・・・
・・
・
「只今戻りました。」
私は修道院の正面に立ち、門にそう声をかける。
暫くすると誰かが門を開けてくれるが、私の姿を見てすぐに門が閉ざされる。
「まて、私はセシル・ヴァウテルスだ。教母様にお会いしたい。」
するとまた門が開いた。
「セシル?貴女セシルなの?」
よく見ると同期の女性だ。
「そうだ。この鎧が外せなくて困っている。そして今しがたダンジョンから脱出できたのでこうしてここに戻ってきたのだ。」
様子が変だ。
どうしたのだろう?
「セシル?あのね、教母様なんだけどね、今はもう別の人に変わったのよ?」
「そうなのか?ではその人に会いたいのだが。」
「わかったわ。じゃあついてきてね。」
ここは変わっていないようだ。そして教母様のお部屋に案内されたが、教母様が代わっても、この部屋は当代の教母様が使用するお部屋なのだな。
「教母様、セシルを連れてまいりました。」
「セシル?誰の事ですか?」
「2年以上前に行方不明になったセシルですわ。」
「え?」
扉越しの会話だったがその扉は勢いよく開き、そこには私がかつてここで生活をしている時に部屋の代表を務めていた女性がいた。
この女性が新たな教母様?
「まあ!セシル?貴女セシルなのね?」
「そうです、教母様。」
「生きていてよかったわ!ダンジョンで大穴に落ちて死んだと聞かされていたものですから、驚いたけれど嬉しいわ!でもうーん、何で鎧姿なのかしら?あ、ここではなんですから部屋に入って?」
私は言われたまま部屋に入ると、早速鎧に関して教母様に質問をしてみる。
「この鎧は司祭様でないと取り外しができない。どうしたらいいかと思い相談しに来たのだ。」
「その鎧は・・・・今までこの街にいた司祭様は追放されて誰もお見えになりません。しかしその鎧の取り外し方法は私で分かりますから、まずは外してしまいましょう。」
ああよかった。司祭様でなくともできるのだな。
そして新たな教母様は何やら引き出しから珠を取り出し、魔法を唱え私にその珠をかざす。
するとどうだろう、鎧が輝きだし・・・・カチャッと言う音と共に何かが外れる音がした。
試しに鎧を外そうとすると・・・・外れた。
もう2年以上装備しっぱなしだったこの鎧が!こんなにも簡単に外れるとは!
私は急いで鎧を全て外した。
何て体が軽いんだろう。
そして私の姿を見て教母様は変な顔をしている。どうしたのだろう?やはり醜い顔を直視してしまったからだろうか。
「お風呂に入りましょうか?私も一緒に入りますから、他の姉妹にも声をかけましょうね。」
教母様と一緒に入浴?
いやそれは無理だろう!そんな恐れ多い事を!
しかし教母様は私のそんな戸惑いなどお構いなしに、私の手を取り風呂場に連れて行ってくれる。
ここで暮らした時、一度も教母様と入浴はした事がない。
いや、正確には目の前にいる女性その人とは入った事がある。
しかし教母様の立場である方とは一度もない。
どうしたらいいのだ?
ここで断っても失礼だろう。浄化は使っていたから、酷い汚れはないはずなのだ。だから断るべきか?
Side セシル
やっとダンジョンを脱出できてとても嬉しいのだが、明日までデルクに会えないと思うととても寂しい。
しかしデルクには色々生還を知らせないといけない人も多いだろうし、明日までの我慢。
さて私の名はセシル・ヴァウテルスと言う。
今から司祭様の所へ会いに行かなくてはいけない。そして修道院にも。
司祭様にはいち早くこの鎧を外してもらわねばならない。
どうしても外せなく、何か仕掛けがあるようでその仕掛けはどうやら司祭様にしか外せないようになっていたらしい。
だからまず司祭様の元へ。
その後は修道院で教母様にお会いせねば。
私は生きている、と知らせる必要がある。
・・・・
・・・
・・
・
困った。
以前あった場所に教会がない。
そして司祭様の行方が分からない。
仕方がない。修道院へ向かおう。
・・・・
・・・
・・
・
「只今戻りました。」
私は修道院の正面に立ち、門にそう声をかける。
暫くすると誰かが門を開けてくれるが、私の姿を見てすぐに門が閉ざされる。
「まて、私はセシル・ヴァウテルスだ。教母様にお会いしたい。」
するとまた門が開いた。
「セシル?貴女セシルなの?」
よく見ると同期の女性だ。
「そうだ。この鎧が外せなくて困っている。そして今しがたダンジョンから脱出できたのでこうしてここに戻ってきたのだ。」
様子が変だ。
どうしたのだろう?
「セシル?あのね、教母様なんだけどね、今はもう別の人に変わったのよ?」
「そうなのか?ではその人に会いたいのだが。」
「わかったわ。じゃあついてきてね。」
ここは変わっていないようだ。そして教母様のお部屋に案内されたが、教母様が代わっても、この部屋は当代の教母様が使用するお部屋なのだな。
「教母様、セシルを連れてまいりました。」
「セシル?誰の事ですか?」
「2年以上前に行方不明になったセシルですわ。」
「え?」
扉越しの会話だったがその扉は勢いよく開き、そこには私がかつてここで生活をしている時に部屋の代表を務めていた女性がいた。
この女性が新たな教母様?
「まあ!セシル?貴女セシルなのね?」
「そうです、教母様。」
「生きていてよかったわ!ダンジョンで大穴に落ちて死んだと聞かされていたものですから、驚いたけれど嬉しいわ!でもうーん、何で鎧姿なのかしら?あ、ここではなんですから部屋に入って?」
私は言われたまま部屋に入ると、早速鎧に関して教母様に質問をしてみる。
「この鎧は司祭様でないと取り外しができない。どうしたらいいかと思い相談しに来たのだ。」
「その鎧は・・・・今までこの街にいた司祭様は追放されて誰もお見えになりません。しかしその鎧の取り外し方法は私で分かりますから、まずは外してしまいましょう。」
ああよかった。司祭様でなくともできるのだな。
そして新たな教母様は何やら引き出しから珠を取り出し、魔法を唱え私にその珠をかざす。
するとどうだろう、鎧が輝きだし・・・・カチャッと言う音と共に何かが外れる音がした。
試しに鎧を外そうとすると・・・・外れた。
もう2年以上装備しっぱなしだったこの鎧が!こんなにも簡単に外れるとは!
私は急いで鎧を全て外した。
何て体が軽いんだろう。
そして私の姿を見て教母様は変な顔をしている。どうしたのだろう?やはり醜い顔を直視してしまったからだろうか。
「お風呂に入りましょうか?私も一緒に入りますから、他の姉妹にも声をかけましょうね。」
教母様と一緒に入浴?
いやそれは無理だろう!そんな恐れ多い事を!
しかし教母様は私のそんな戸惑いなどお構いなしに、私の手を取り風呂場に連れて行ってくれる。
ここで暮らした時、一度も教母様と入浴はした事がない。
いや、正確には目の前にいる女性その人とは入った事がある。
しかし教母様の立場である方とは一度もない。
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ここで断っても失礼だろう。浄化は使っていたから、酷い汚れはないはずなのだ。だから断るべきか?
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