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ダンジョンに取り残される

第56話 強行突破で78層へ向かいます

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 セシルと共に77層の魔物なのか魔獣なのか、僕にはどういった基準で違うのか分かりませんが、仕留めればお肉をドロップする牛さんみたいな生き物を、地道に仕留めていきます。
 横着するとあっという間に囲まれ、死に直結してしまいます。
 面倒ですが、確実に一体ずつ土魔法を駆使し、仕留めていきます。

 そんな折、セシルから「あ!」
 っと驚きの声が聞こえたので、
「どうした?」
 と思わず聞いてみた所、
「レベルが上がった!」
 どうやら神聖騎士はレベルの上り方が極端に遅いので、普通に魔物を仕留めていても殆どレベルが上がらないようです。
 しかしながら流石にこの階層なので、セシルのレベルも上がったようです。
「セシル、おめでとう!」
「デルクありがとう。」

 セシルのレベルが上がったのはいい事なのですけど、近いうちに大きな問題を迎える事になりそうで、今どうするか悩んでいます。
 それは【塩】です。
 塩がもうあまり残っていないんです。まあ今日明日で無くなる訳ではありませんが、このままのペースで塩を摂取し続ければ、もって10日ぐらいでしょう。
 まだ猶予もありますからすぐに対策をする必要はありませんが、かといってこのまま何も考えなければ、10日程で無くなるのです。
 本に書いてあったのですが、塩を摂らないでいると人は長くは生きられないそうです。
 短い期間、数日なら問題なさそうですが、これが数ヶ月塩なしとなると、どうなる事やら。
 塩を摂らないままでいるとどうなるのか、実際分かっていないらしいですが、事実としては喉の渇きがわかりにくくなり、結果脱水症状になりやすいんだとか。

 今、僕とセシルは水には困っていないのでいいのですけど、長期間ダンジョンから出られない可能性がある、そう思うと塩を確保しておかないと色々・・・・そうそう、汗も問題です。

 汗を舐めるとしょっぱいですが、つまり塩が出て行ってる?と思うのですが、その塩が体にそもそもなければ、普通に汗をかけなくなってしまうのでは?
 そうなると体温調節がうまくいかなくなり、体調不良で大変な事になるかも?

 僕は詳しくないので、恐らくこんな感じではと思うのですけど、僕の勘違いの可能性もありますけれど、塩があるに越した事はないので、上手くいけば78層にないかなあと、密かに期待をしているんです。

 で、わざわざこの階層を突破しないでも穴から降りればいいのですが、折角この階層で魔獣を仕留められるので、直接向かいたいと思ったんです。

「セシル、もし可能なら一度下の階層へ行きたいんだ。」
「下へ行くのか?デルクの話だと、鉱物があるのではないのか?鉱物なんかどうするのだ?」
「まあそうなんだけど、実は塩がもう残り少ないんだ。」
「塩?ないとどうなるのだ?」
 僕は思っている事をセシルに話します。
「知らなかった。では向かおう。運が良ければ塩も採取できるのだな。」
「わからないけどね。それよりもあの魔獣を捌きつつ、階段まで行かないといけないから簡単ではないんだ。」
「デルクの魔法があればなんとかなるだろう?」
 土魔法で壁を作りまくればなんとかなるかな?
 ただ、見込みを違いで階段へ辿り着く前に魔力がなくなれば、どうなる事やら。
 うまく調節しないと。
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