精霊が俺の事を気に入ってくれているらしく過剰に尽くしてくれる！が、周囲には精霊が見えず俺の評価はよろしくない

第118話

　気が付けば屋敷は人であふれていた・・・・何ぞこれ。
　おっと、いきなりこんなんじゃ分からないよな。
　まあそれは色々あってだなあ・・・・「ヘイマンス殿、宜しいか？」
　宜しくない！説明させろって！え？
　誰に言っているんだって？誰だろう？

　・・・・
　・・・
　・・
　・
　ヘイマンスが混乱という名の元、現実逃避をしているのには、訳がある。

　料理を届けに来た修道院の女性達。
　彼女達はまだいい。
　何故ならば確かに屋敷は人手不足だったから来てもらって助かるし、出自はヘイマンスにとっては確かな場所である修道院。
　しかもオリビア達の伝手でやってきたからだ。
　問題はその後に発生した。
　エレンの親族である。
　何処から聞きつけたのか、エレンの従兄弟と名乗る連中が大挙してやってきたのだ・・・・何処から聞きつけたと最初思ったのは、見知らぬ連中ばかりだと思ったからだが、この連中の中に、つい先程までダンジョンに居た2人を見つけた・・・・貴族らしい服装になっており、最初は分からなかった・・・・エレンの見舞い？という理由でやってきたようなのだ。

　招かざる客とは彼らの事。
　ダンジョンに居たエレンの弟と従弟は、今後子爵になる事が確定しているのでまだいい。
　他のメンツは親戚、つまりエレンの親が貴族であって、彼等はエレンの父親と血を分けた弟達を親に持つ子供達。
　つまり貴族でも何でもない。
　それが曲がりなりにも子爵位を既に得ているヘイマンスの所へやってきたのだ、しかも数の暴力？でアンチェ達の制止を振り切って屋敷に押し入ったのだ。
　これに関しては後々かなりもめる事になるのだが・・・・

　この場には男はヘイマンスしかいなかった事もあり、相手はヘイマンスが未だ子供の姿なので子爵だという事を失念していた事もあって、
「勝手に入らないで！」
　とアンチェの制止も聞かず、ずげずげと屋敷に入り込み、あろう事かエレンが寝込んでいる部屋の前まで押し掛ける始末。

　この時はトゥーナがエレンの看病をしており、辛うじて部屋の外に出て招かざる客を何とか防いでいた・・・・勝手に押し入ったので客ではないのだが。

　その時ヘイマンスは・・・・大勢の女性に取り囲まれ、困惑していた。
「・・・・で、彼女は・・・・聞いていますか？」
　オリビアさんんんんん！無理！こんなに大勢の女性相手に俺は無理！ヘイマンスは心の中で叫んでいた。
「一度にこれ程の女性を相手って、俺耐えられない！」

　ヘイマンスは逃げ出した。
「まだ紹介が終わっていませんよ？」
　しかし何故か先回りされ、俺はあえなく捕捉された・・・・何故だ？
「ヘイマンス様、そんな事では貴族の当主は務まりません。」
　貴族の当主ってマジ大変だと感じたヘイマンスだった。
　そしてこの後、騒ぎに気が付くが時すでに遅し・・・・どうなる？