精霊が俺の事を気に入ってくれているらしく過剰に尽くしてくれる!が、周囲には精霊が見えず俺の評価はよろしくない

よっしぃ

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第78話

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 エレンの実家は、俺が住んでいる【メイエリング】ではないそうだ。
 だから馬車での移動なんだが、1日では到着できないらしい。

 そうなると途中で宿泊する事になるらしく、【メイエリング】より大きな街に向かっているようだ。
 俺、【メイエリング】から出た事がないので、どんな所か想像できない。
 馬車の中で女性3人に囲まれている俺。
 しかも全員無駄?に見た目がいい・・・・そんないい方失礼だって?
 羨ましいはずの環境だが、正直居心地が悪かった。
 実際快適な旅だったんだ。
 俺の知る馬車と違い、揺れを感じない。
 路面はそれなりに整備されているとはいえ、結構凹凸がある。
 大抵の馬車だと衝撃がきつく、腰と尻が痛むんだ。
 だがこの馬車は殆ど揺れと衝撃を感じない。

 心地よい揺れ?みたいなのはあるんだが・・・・俺は隣にいるエレンに揺すられていた。
「あ?あれ?」
「ヘイマンス殿、今日の宿泊予定地へ到着した。」

 どうやら気持ちがよくて寝てしまっていたようだ。
 隣にいるエレンに想いっきりもたれてしまっていたようで・・・・ごめんエレン。
 気が付けば本日の目的地へ到着とか。
 快適な馬車って素晴らしい!
 尤も俺はそんなに旅をするとも思えないが。

 俺はまだボーっとするものの、ここで馬車を降りるようなので、最後に降りた。

 既に夕方らしく、日が落ちつつあった。
 いくら馬車が快適とはいえ、ずっと体を動かさなかったので、体を慣らそうと少し歩いた。
「邪魔だどけ!」
 すると後方から誰かが勢い良く突っ込んできて、俺は体当たり?をくらった。
「いてて・・・・」
 見るとぶつかってきた相手はそのまま走り去ったが、何ていうの?俺が着ている服と同じ色だった。
「スリよ!捕まえてー!!!」
 どうやら相手はスリだったようだが・・・・
「財布を返せ!」
 俺は地面に倒れたままだったんだが、そのまま誰かが俺を地面にお押し付けるように拘束してきた。

「痛い!」
「何が痛いんだよ!人の財布スリやがって!返せよ!!」
 いや、俺今馬車から降りたばかりであんたの事なんか知らんがな。
「痛い痛い!あんただ人違いだよ!俺は今そこに止まっている馬車から降りた・・・・馬車がない?」
「嘘を言うのならもっとましなのにしな!さ、早く返せ!」
「いややマジでどうなっちゃってんの?エレン!オリビア!メイドさーん!」
 何故か俺は1人取り残され、人違いなのにこうして地面に倒れたまま拘束されている・・・・どうしてこうなった!

「あんたも強情だね!もういい、アンタを詰所へ突き出して、騎士様に全てを任せるよ?」
「そんな事言われてもさ、俺たった今誰かに突撃されれて、そのせいでこうして倒れたんだよ。」
「たんに躓いただけでしょ!」

 なあ、誰か助けてプリーズ!
 俺は数人の男女に囲まれていた。
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