精霊が俺の事を気に入ってくれているらしく過剰に尽くしてくれる!が、周囲には精霊が見えず俺の評価はよろしくない

よっしぃ

文字の大きさ
上 下
44 / 123

第43話

しおりを挟む
 ついに99層を突破した。
 ボプさん達はもうこれ以上動けないのではなかろうか、と思うぐらい疲弊している。
 明日は100層のボス部屋。
 今のボプさん達だけでは100層を突破できるとは思えない。
 エレン抜きでは考えられないが、ここで仕掛けてくるのだろうか、それとも何か想定外の方法があるのだろうか。
 警戒しつつ、泉を探す事に。
 少し手間取ったが、泉は見つかり急ぎ宿泊できる準備を行う。
 それと共に食事の用意。
 俺自身が動いている時は精霊達の助けは期待できない。
 なので先ずは設備を土の精霊、じいちゃんにやってもらう。
 一応安全を確認後、地面に突っ伏し、地脈と繋がる。
 あっという間に建造物が出来上がり、俺は食事の用意をすべく起き上がる。

 俺と地脈との繋がりが消えると、じいちゃん達は去って行く。

 一応何かあれば去り際にたんまり確保した魔力を駆使し、駆け付けてくれるようだが、そんな事態にならないよう注意が必要だ。


 ボプさん達は食事を終え、シャワーで汚れも落としさっさと寝てしまった。
 何か文句を言われないだけましと思う事にしている。

 片付けも終えさあ寝ようと思って、自分が寝る場所へ向かうと、エレンがやってきた。
 流石はエレン、こういう時にも油断しないで鎧を着こんでいる。

「寝る所も申し訳ない。済まないが汚れを落としたいので少し精霊を呼び出してほしいのだ。」

 ここは所謂安全地帯だが、あくまで魔物に対してだ。
 人間はそんな事はお構いなしと言わんばかりに襲ってくるから、こういう時はよほど信用できるパートナーがいないと厳しい。
「ああわかった。少し待ってくれ。」
 俺は自分が寝る場所でうつ伏せになり、地脈とつなげた。
 じいちゃんが用意してくれたので、ここで寝ても地脈と繋がるのだ。
『エレンを護ればいいのね?折角だから覗いちゃえば?』
 相変わらずのシルフさん。
『地脈切るよ?』
『ジョジョジョジョ―だにょ・・・ジョーダン!』
 今噛んだな。
『俺は寝るからエレンを頼んだ。』
 一応シャワーが出来る場所はあったんだが、万が一を考えて俺がいる所でする必要があったんだな。
 全てを終えた俺は寝た。

 ・・・・
 ・・・
 ・・
 ・

『こんなのを手に入れたぞい。』
 じいちゃんがまた何かを持って来た。
 小さな鎧だが・・・・エレンが装着しているのとよく似ているな。
『嬢が装着しておる鎧の上位互換じゃな。』

 剣に続き鎧まで。
 元々エレンが所持している武具はダンジョン産だったって事だな。
 エレンが起きて俺の所へやってきて、鎧を見つけたが、
「これは100層を攻略後に試そう。今から装備を変更するのは危険すぎる。」
 そう言った分別を持ち合わせていてよかった。

 その後特に何も起こらず、起床時間を迎え、俺は身支度を整えつつ食事の準備に取り掛かった。


 食事を終え、いよいよ100層へ向かい始めボス部屋の前に到着したのだが、ボプさんがやってきた。
「ヘイマンス殿、これから100層を挑むにあたり、念の為回復用のポーションを各自へ余分を持たせたい。まだ余分はあるだろうか。」
 あると思うが、少しカバンの中を見ないといけないな。
 時間があればじいちゃんが館へ取りに行ってくれるんだが。
「ちょっと待って下さい。探します。」

 俺はこの時ボプさん達がいつもと違う事に気が付いていなかった。
 エレンはエレンで鎧を品定めしていたし、恐らく見ていなかっただろう。
「頼んだぞ、今回はいつもと違い節目の階層だ。何かあるかもしれん。」
 俺はカバンを調べていたので、自身の周囲に対する警戒が一瞬疎かになってしまっていた。
しおりを挟む
感想 7

あなたにおすすめの小説

明日を信じて生きていきます~異世界に転生した俺はのんびり暮らします~

みなと劉
ファンタジー
異世界に転生した主人公は、新たな冒険が待っていることを知りながらも、のんびりとした暮らしを選ぶことに決めました。 彼は明日を信じて、異世界での新しい生活を楽しむ決意を固めました。 最初の仲間たちと共に、未知の地での平穏な冒険が繰り広げられます。 一種の童話感覚で物語は語られます。 童話小説を読む感じで一読頂けると幸いです

【書籍化決定】俗世から離れてのんびり暮らしていたおっさんなのに、俺が書の守護者って何かの間違いじゃないですか?

歩く魚
ファンタジー
幼い頃に迫害され、一人孤独に山で暮らすようになったジオ・プライム。 それから数十年が経ち、気づけば38歳。 のんびりとした生活はこの上ない幸せで満たされていた。 しかしーー 「も、もう一度聞いて良いですか? ジオ・プライムさん、あなたはこの死の山に二十五年間も住んでいるんですか?」 突然の来訪者によると、この山は人間が住める山ではなく、彼は世間では「書の守護者」と呼ばれ都市伝説のような存在になっていた。 これは、自分のことを弱いと勘違いしているダジャレ好きのおっさんが、人々を導き、温かさを思い出す物語。 ※書籍化のため更新をストップします。

凡人がおまけ召喚されてしまった件

根鳥 泰造
ファンタジー
 勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。  仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。  それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。  異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。  最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。  だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。  祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。

修復スキルで無限魔法!?

lion
ファンタジー
死んで転生、よくある話。でももらったスキルがいまいち微妙……。それなら工夫してなんとかするしかないじゃない!

屑スキルが覚醒したら追放されたので、手伝い屋を営みながら、のんびりしてたのに~なんか色々たいへんです

わたなべ ゆたか
ファンタジー
タムール大陸の南よりにあるインムナーマ王国。王都タイミョンの軍事訓練場で、ランド・コールは軍に入るための最終試験に挑む。対戦相手は、《ダブルスキル》の異名を持つゴガルン。 対するランドの持つ《スキル》は、左手から棘が一本出るだけのもの。 剣技だけならゴガルン以上を自負するランドだったが、ゴガルンの《スキル》である〈筋力増強〉と〈遠当て〉に翻弄されてしまう。敗北する寸前にランドの《スキル》が真の力を発揮し、ゴガルンに勝つことができた。だが、それが原因で、ランドは王都を追い出されてしまった。移住した村で、〝手伝い屋〟として、のんびりとした生活を送っていた。だが、村に来た領地の騎士団に所属する騎馬が、ランドの生活が一変する切っ掛けとなる――。チート系スキル持ちの主人公のファンタジーです。楽しんで頂けたら、幸いです。 よろしくお願いします! (7/15追記  一晩でお気に入りが一気に増えておりました。24Hポイントが2683! ありがとうございます!  (9/9追記  三部の一章-6、ルビ修正しました。スイマセン (11/13追記 一章-7 神様の名前修正しました。 追記 異能(イレギュラー)タグを追加しました。これで検索しやすくなるかな……。

夢幻の錬金術師 ~【異空間収納】【錬金術】【鑑定】【スキル剥奪&付与】を兼ね備えたチートスキル【錬金工房】で最強の錬金術師として成り上がる~

青山 有
ファンタジー
女神の助手として異世界に召喚された厨二病少年・神薙拓光。 彼が手にしたユニークスキルは【錬金工房】。 ただでさえ、魔法があり魔物がはびこる危険な世界。そこを生産職の助手と巡るのかと、女神も頭を抱えたのだが……。 彼の持つ【錬金工房】は、レアスキルである【異空間収納】【錬金術】【鑑定】の上位互換機能を合わせ持ってるだけでなく、スキルの【剥奪】【付与】まで行えるという、女神の想像を遥かに超えたチートスキルだった。 これは一人の少年が異世界で伝説の錬金術師として成り上がっていく物語。 ※カクヨムにも投稿しています

こちらの異世界で頑張ります

kotaro
ファンタジー
原 雪は、初出勤で事故にあい死亡する。神様に第二の人生を授かり幼女の姿で 魔の森に降り立つ 其処で獣魔となるフェンリルと出合い後の保護者となる冒険者と出合う。 様々の事が起こり解決していく

『転生したら「村」だった件 〜最強の移動要塞で世界を救います〜』

ソコニ
ファンタジー
29歳の過労死サラリーマン・御影要が目覚めたのは、なんと「村」として転生した姿だった。 誰もいない村の守護者となった要は、偶然迷い込んできた少年リオを最初の住民として迎え入れ、徐々に「村」としての力を開花させていく。【村レベル:1】【住民数:0】【スキル:基本生活機能】から始まった異世界生活。

処理中です...