精霊が俺の事を気に入ってくれているらしく過剰に尽くしてくれる!が、周囲には精霊が見えず俺の評価はよろしくない

よっしぃ

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第42話

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 95層を突破した。
 今アタック中のダンジョン、120層までの攻略が報告されている。
 そう思うと95層はかなり頑張っていると思う。

 そんな中エレンが油断をしたのか怪我をした。
 そう大した事はないらしいが、どうやら【出戻りちゃん】を投擲後、戻るまでの間に横から魔物が何体かやってきたそうな。
 そう思っていたのだが、つい5日程前に土の精霊であるじいちゃんが一振りの剣を見せてくれたんだ・・・・すっかり忘れていたが。

 で、エレンは大層気に入ったらしく、そのままエレンが使っている。
 で、さっき投擲したのは【出戻りちゃん】ではなく新たに得た剣、名前は【出戻りちゃん弐号】という名前らしく、それを投擲していたようだ。
【出戻りちゃん弐号】はどうやら【出戻りちゃん】の上位互換であるらしいが、投擲に関しての動作が違うようで、違いに慣れていないエレンが剣が戻るまでの間に起こった出来事だったようだ。
 俺の見た感じ、【出戻りちゃん】の方が早くて元に戻るようで、【出戻りちゃん弐号】は少し遅く戻るらしく、そのタイミングを把握しきれていなかったせいで魔物の体当たりを許してしまったようだ。

 恐らくボプさん達が相手をしていた魔物がこちらにやってきた影響だろう。
 不意を突かれたエレンが魔物の突進を真横から受けてしまい、いくら凄い鎧があるとはいえ、転倒は免れないし、転倒による衝撃を全て防ぐ事はできない。
 
 その時口の中を切ったようだ・・・・魔物の攻撃で怪我がをしたのではなく、転倒時に歯で口内の何処かを噛んじゃったらしい。
 しかもどうやら舌を思いっきり噛んでしまったようで、エレンは喋る事が出来ず俺は暫く気が付かなかった程だ。
 ぶっちゃけ危険な状態だ。
『済まないがエレンを治療してくれないか?』
 何やら光の精霊が近くにいるようだが、恥ずかしいのか人見知りなのか、必要以上に近くへとこない。
『仕方がないわねえ・・・・ねえ、こっちに来てあの娘を治療してあげて?そうしないと今後美味しい魔力を頂けなくなっちゃうわよ?』
 風の精霊シルフさんは光の精霊と懇意にしているようで、今回もシルフさんが光の精霊に声を掛けてくれたようだ。
『ん。やってみる。』
 エレンの解呪時にも来てくれたけれど、なんだか体が温かくなる感じだ。

『感謝する。まさか舌を噛み切ってしまうとは思ってもみなかった。』
 重症じゃないか!下手をしたら死ぬぞ?
『ん、よかった。魔力頂戴。』
 光の精霊さんは用は済んだと俺の所にやってきた。
 余分に魔力が欲しいらしい。
「あーありがとう。満足するまで貰ってって。」
『遠慮はしない。』
 いくら魔力を渡そうとも、地脈に繋がっているから俺は魔力切れを起こさない。
 暫くして満足したのか、光の精霊さんは去って行った。
 この間闇の精霊さんはエレンを魔物から隠してくれていた。
 俺は他の精霊が護ってくれているから心配いらないが、こんなエレンは久しぶりだから闇の精霊さんには感謝だ。
 当然ながら闇の精霊さんも沢山魔力をお持ち帰りしていった。

 復活したエレンは憂さを晴らすべく、投擲しまくっていた。
 暫くして魔物をせん滅した俺達は安全地帯、つまり泉がある場所を探し当て休憩をする事に。

 ちなみに泉はあくまで飲み水が確保できる程度湧くのであって、シャワーなんかは水の精霊アクアさんを全力で頼る必要がある。
『気を遣っていただかなくてもいいのですよ、ヘイマンス様。私だけ格が下なのは事実ですし。』
『だってアクアさんがいなければ今の俺はいないんだよ!』
 俺が最初に助けた精霊は、アクアさんだ。
 アクアさんを助けた事で地脈と繋がる事を覚え、地脈と繋がった俺の魔力を求め他の精霊達が俺の周囲に現れるようになったが、俺の魔力を得ている精霊は皆俺が助けたんだ。
 最初がアクアさん。その事があってからアクアさんの後に俺を知った精霊達は、皆アクアさんより格上だったりする。

 精霊達はそんな事は気にしないのだが、アクアさんは気にしているようだ。
 俺にアクアさんの格を上げられる術があればいいんだが。

『何があっても私が全力でヘイマンス様をお護り致しますわ。』
 アクアさんがご機嫌になった。
 抱きしめてくれるが、母性が凄すぎて・・・・後冷たい。
 アクアさんは基本外気と同じ温度?体温?なので、実際に触れると少しひんやりと感じる。
 何故ひんやり感じるかと言えば、人間の体温の方がはるかに高いからだ。

 アクアさんがやる気になっている。
 元気も出たみたいだしよかったよかった。
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