精霊が俺の事を気に入ってくれているらしく過剰に尽くしてくれる!が、周囲には精霊が見えず俺の評価はよろしくない

よっしぃ

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第26話

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 結局50層まで攻略した。
 50層を攻略すれば、地上へ一瞬にして戻る事が出来る設備が存在しているのが理由みたいだ。

 そんなのあるなら最初から言ってほしかったが、エレンは自分が使えているので失念していたようだ。

 尤もダンジョンを攻略しようとしている冒険者であれば知って当然の知識とも言われた。

「あーその、俺はずっとダンジョン以外で活動していたし、縁がなかったからダンジョンの事は殆ど知らないんだ。済まないが普通知って当然という事柄でも、俺にとっては知らない可能性があるから色々教えて欲しい。」
「そうか、だが難しいな。私にとって当たり前がヘイマンス殿にとっては未知の分野か・・・・善処しよう。」

 俺とエレンは無事50層を攻略し、地上へ戻る事が出来たものの、外は既に夕方だった。
 早く街へ戻らないと、暗い中草原を移動する事になる。
 草原は比較的安全とは言え、夜行性の魔獣や魔物の活動が活発になり、森から草原の境付近に姿を現す頻度が増えるとされている。
 なので基本、草原で活動する冒険者は夕方になれば撤収する。
 夜間でなければ採取が難しい素材もあるのだが、リスクが大きすぎて俺のようなソロでは夜間に活動するのは無謀だ。
 余程高額の依頼が無ければ誰も採取したがらない上に、高ランクの冒険者パーティーでないと、夜間の採取はそもそも依頼を受注できない。

 まあエレン程の実力者であれば問題なさそうだし、斯く言う俺も精霊に護ってもらう、若しくは安全な場所で地面に突っ伏していれば、精霊達が採取してくれるので依頼を達成できない訳ではない。
 だが何となく?日中精霊達に色々お願いしているのに、夜間までも・・・・と言うのが俺の本心だ。
『あんたを通して地脈からの魔力が手に入るんだったら、私は夜中でも採取ぐらいしてあげるわよ?ただあの爺さんがいないと素材を移動させられないけれどね。』
 俄然精霊シルフさんはいつでもウェルカムらしい・・・・土の精霊じいちゃん次第で。

『ほっほっほ!年寄りをこき使うとはソチもなかなかの極悪人じゃぞい・・・・と言いたい所じゃが、儂もやってやれん事はないんじゃぞい。どうせ地脈は昼夜関係ないからの。ほれ、さっさと次のダンジョンで持ち込む荷物を用意するのじゃ!儂が預かっておくぞい。』

 何だかんだでじいちゃん張り切っているようで安心だ。
『確かにダンジョンには泉がありますわ。但し下層へ向かえば泉は安全地帯ですので水は得られるでしょうが、身体を清める程は湧きませんので、私から水の支援は継続的に行った方がよろしいと思いす。』
 エレンもそうだが、今度新たなパーティーになる冒険者の方々って、どの階層まで攻略済みなんだろう。
 聞くの忘れていた。
 まあ次会った時に聞けばいいか。

 何とか日が落ちきる前に街へ戻った俺とエレンは、明日の再会時間と場所を取り決めた後、解散した。

 解散してから気が付いた。
 ダンジョンで得た素材の代金、エレンはどうするのだろう。明日か?明日なのか?
 それに・・・・エレンと連携を確認するのはいいが、レベルアップをし忘れた!
 何せレベルアップは直接魔物を切った張ったしなくちゃいけないのだが、俺に協力してくれる精霊が活動するには、地脈と繋がった俺の魔力が必要で、俺が直接戦闘を行うには護衛が必要だが、その間精霊は魔力の供給が絶たれ俺を護衛できない。
 つまり俺は無防備な状態で魔物と対峙しなくてはいけない。
 だが俺は非力なので、そんな状態で魔物と戦っては、例えゴブリン相手であろうと簡単に死ねる自信がある。
 そこでパーティーメンバーに護衛を担ってもらおうと思ったが、今まで誰もそうしてくれず、今回エレンが・・・・エレンはすっかり戦闘に夢中になって失念してしまっていたようだ。
 俺、冒険者のランクはDだが、相変わらずレベルは最低の1なんだよな。
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