5 / 123
第5話
しおりを挟む
エレン・エッフェン。
その名を知らない冒険者はこの国には居ないと言われている。
そして彼女の活躍は剣に拠る所が大きいと言われている。
しかし実際は一流の冒険者が業物で魔物と戦う事による戦果である。つまり彼女の実力が飛びぬけているという事に他ならない。
若干17歳にしてその名は王国中にひろまっている。
そんな彼女は偶然か必然か、ヘリット・ヘイマンスと同じ街を拠点にしていた。
そんな彼女が何故ヘリット・ヘイマンスの元へやって来たのか・・・・
エレン・エッフェンは冒険者ギルドから秘密裏に依頼を受けていた。
とある冒険者のパーティーが、仲間になった冒険者を意図的に死亡させているのではないか?という疑惑があった。
だが証拠がない。
何故ならばパーティーの仲間が死んでいるのは必ずダンジョンだったからだ。
ダンジョンで死んでしまえば死体は残らない。
どういう仕組みかは未だ解明されていないが、ダンジョンで人が死ねば1時間以内に死体が消えてしまうのだ。
それ故に死んだ冒険者が本当に戦闘で死んだのかどうかが分からない。
そこでエレンに話がやってきた。
だが彼女はあまりにも有名人過ぎる。
そこでヘイマンスの登場という訳だ。
彼とパーティーを組み、最近死んだ冒険者は偶然か必然か、常に2人。
なので今回2人で挑む、という訳だ。
幸い?件の冒険者パーティーは2人の募集を掛けていたので、これもあって2人で・・・・
こうした内容の説明を受けたヘイマンスだが、色々と納得がいかない。
そんな大事な話をするのに何故顔を隠したままなのか。
折角こうして誘ってくれたのに残念でならない。
「あーうん、その折角誘ってくれたのに、何故に俺なんだ?それに、そんな大事な話ならせめて仮面ぐらい外さないかい?」
ふん!言ってやったぜ!
だが彼女からは少し寂しそうな気配が漂ってきた。
「理由か。ヘイマンス殿を選んだ理由は簡単だ。ヘイマンス殿であれば冒険者のパーティー2つや3つと敵対しても余裕で生き残る事が出来ると判断したからだ。それと私の顔が見たいのか?確かに失礼だったとは思うが、見て気持ちの良いものではないぞ。」
そう言って彼女は仮面に手を触れ、そのまま外した。
そこで目にしたのはとても人とは思えない、こう言っては何だが大層醜い顔だった・・・・だが何か変だ。
何だこの違和感は。
『あー直接見たからわかるけれど、あれって呪いね。』
風の精霊シルフさんが一言そんな事を。
呪い?何で放置しているんだ?彼女はそれなりに金を持っているはず。解呪ぐらいできなかったのだろうか。
「解呪しないのか?」
すると驚いたような表情で俺を見る彼女。
「よく呪いと分かったな。初見で呪いと見破ったのはヘイマンス殿が初めてだ。」
「何だか違和感があって、精霊が教えてくれたんだ。でも何故放置しているんだ?」
「国の主だった解呪士に見てもらったが、全員駄目だったのだ。」
うわ、じゃあこの呪いは相当高度な奴なのか?
『光と闇の精霊だったら何とかなるんじゃない?』
そうなのか?
『じゃあちょっと呼んでくるね?』
風の精霊シルフさんが去って行った。
そしてエレン嬢の話は続く。
「私が全身を覆った装備をしているのは、全身この様な呪いを受けているからに他ならない。」
そう言って手袋を外し、掌を見せてくれるが、確かにこれじゃあね・・・・
そう言った話をしていると、
『連れてきたわよ。普段は人と関わらない子達だから、そこは察してね。』
シルフさんは2体の精霊を連れてきた。
『私が呪いを引き剥がす。光が回復をさせるだろう。』
黒っぽいのが闇の精霊さんかな?
『あ、ありがとうございます?』
『礼には及ばん。今しがた濃厚な魔力をたっぷり頂いた。では早速治療を開始する。そこの対象者は衣類を全て脱いでほしいのだが。』
え?まさかここで裸になるの?いくら呪われているとはいえうら若き女性が、付き合ってもいない男性が傍にいるにも拘らず裸となるのは・・・・
『分かった。全て脱げばいいのだな。』
あれ?さっきから疑問に思っていたんだが、彼女には精霊の声が届いているのか?
俺が慌てているのを尻目に、彼女はあっという間に裸になった・・・・その、酷い状態だったっす。
一応顔を反対側に向けるも、
『ちゃんと見る!』
光の精霊さんに怒られた。
その名を知らない冒険者はこの国には居ないと言われている。
そして彼女の活躍は剣に拠る所が大きいと言われている。
しかし実際は一流の冒険者が業物で魔物と戦う事による戦果である。つまり彼女の実力が飛びぬけているという事に他ならない。
若干17歳にしてその名は王国中にひろまっている。
そんな彼女は偶然か必然か、ヘリット・ヘイマンスと同じ街を拠点にしていた。
そんな彼女が何故ヘリット・ヘイマンスの元へやって来たのか・・・・
エレン・エッフェンは冒険者ギルドから秘密裏に依頼を受けていた。
とある冒険者のパーティーが、仲間になった冒険者を意図的に死亡させているのではないか?という疑惑があった。
だが証拠がない。
何故ならばパーティーの仲間が死んでいるのは必ずダンジョンだったからだ。
ダンジョンで死んでしまえば死体は残らない。
どういう仕組みかは未だ解明されていないが、ダンジョンで人が死ねば1時間以内に死体が消えてしまうのだ。
それ故に死んだ冒険者が本当に戦闘で死んだのかどうかが分からない。
そこでエレンに話がやってきた。
だが彼女はあまりにも有名人過ぎる。
そこでヘイマンスの登場という訳だ。
彼とパーティーを組み、最近死んだ冒険者は偶然か必然か、常に2人。
なので今回2人で挑む、という訳だ。
幸い?件の冒険者パーティーは2人の募集を掛けていたので、これもあって2人で・・・・
こうした内容の説明を受けたヘイマンスだが、色々と納得がいかない。
そんな大事な話をするのに何故顔を隠したままなのか。
折角こうして誘ってくれたのに残念でならない。
「あーうん、その折角誘ってくれたのに、何故に俺なんだ?それに、そんな大事な話ならせめて仮面ぐらい外さないかい?」
ふん!言ってやったぜ!
だが彼女からは少し寂しそうな気配が漂ってきた。
「理由か。ヘイマンス殿を選んだ理由は簡単だ。ヘイマンス殿であれば冒険者のパーティー2つや3つと敵対しても余裕で生き残る事が出来ると判断したからだ。それと私の顔が見たいのか?確かに失礼だったとは思うが、見て気持ちの良いものではないぞ。」
そう言って彼女は仮面に手を触れ、そのまま外した。
そこで目にしたのはとても人とは思えない、こう言っては何だが大層醜い顔だった・・・・だが何か変だ。
何だこの違和感は。
『あー直接見たからわかるけれど、あれって呪いね。』
風の精霊シルフさんが一言そんな事を。
呪い?何で放置しているんだ?彼女はそれなりに金を持っているはず。解呪ぐらいできなかったのだろうか。
「解呪しないのか?」
すると驚いたような表情で俺を見る彼女。
「よく呪いと分かったな。初見で呪いと見破ったのはヘイマンス殿が初めてだ。」
「何だか違和感があって、精霊が教えてくれたんだ。でも何故放置しているんだ?」
「国の主だった解呪士に見てもらったが、全員駄目だったのだ。」
うわ、じゃあこの呪いは相当高度な奴なのか?
『光と闇の精霊だったら何とかなるんじゃない?』
そうなのか?
『じゃあちょっと呼んでくるね?』
風の精霊シルフさんが去って行った。
そしてエレン嬢の話は続く。
「私が全身を覆った装備をしているのは、全身この様な呪いを受けているからに他ならない。」
そう言って手袋を外し、掌を見せてくれるが、確かにこれじゃあね・・・・
そう言った話をしていると、
『連れてきたわよ。普段は人と関わらない子達だから、そこは察してね。』
シルフさんは2体の精霊を連れてきた。
『私が呪いを引き剥がす。光が回復をさせるだろう。』
黒っぽいのが闇の精霊さんかな?
『あ、ありがとうございます?』
『礼には及ばん。今しがた濃厚な魔力をたっぷり頂いた。では早速治療を開始する。そこの対象者は衣類を全て脱いでほしいのだが。』
え?まさかここで裸になるの?いくら呪われているとはいえうら若き女性が、付き合ってもいない男性が傍にいるにも拘らず裸となるのは・・・・
『分かった。全て脱げばいいのだな。』
あれ?さっきから疑問に思っていたんだが、彼女には精霊の声が届いているのか?
俺が慌てているのを尻目に、彼女はあっという間に裸になった・・・・その、酷い状態だったっす。
一応顔を反対側に向けるも、
『ちゃんと見る!』
光の精霊さんに怒られた。
431
お気に入りに追加
959
あなたにおすすめの小説

明日を信じて生きていきます~異世界に転生した俺はのんびり暮らします~
みなと劉
ファンタジー
異世界に転生した主人公は、新たな冒険が待っていることを知りながらも、のんびりとした暮らしを選ぶことに決めました。
彼は明日を信じて、異世界での新しい生活を楽しむ決意を固めました。
最初の仲間たちと共に、未知の地での平穏な冒険が繰り広げられます。
一種の童話感覚で物語は語られます。
童話小説を読む感じで一読頂けると幸いです

【書籍化決定】俗世から離れてのんびり暮らしていたおっさんなのに、俺が書の守護者って何かの間違いじゃないですか?
歩く魚
ファンタジー
幼い頃に迫害され、一人孤独に山で暮らすようになったジオ・プライム。
それから数十年が経ち、気づけば38歳。
のんびりとした生活はこの上ない幸せで満たされていた。
しかしーー
「も、もう一度聞いて良いですか? ジオ・プライムさん、あなたはこの死の山に二十五年間も住んでいるんですか?」
突然の来訪者によると、この山は人間が住める山ではなく、彼は世間では「書の守護者」と呼ばれ都市伝説のような存在になっていた。
これは、自分のことを弱いと勘違いしているダジャレ好きのおっさんが、人々を導き、温かさを思い出す物語。
※書籍化のため更新をストップします。

凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。


屑スキルが覚醒したら追放されたので、手伝い屋を営みながら、のんびりしてたのに~なんか色々たいへんです
わたなべ ゆたか
ファンタジー
タムール大陸の南よりにあるインムナーマ王国。王都タイミョンの軍事訓練場で、ランド・コールは軍に入るための最終試験に挑む。対戦相手は、《ダブルスキル》の異名を持つゴガルン。
対するランドの持つ《スキル》は、左手から棘が一本出るだけのもの。
剣技だけならゴガルン以上を自負するランドだったが、ゴガルンの《スキル》である〈筋力増強〉と〈遠当て〉に翻弄されてしまう。敗北する寸前にランドの《スキル》が真の力を発揮し、ゴガルンに勝つことができた。だが、それが原因で、ランドは王都を追い出されてしまった。移住した村で、〝手伝い屋〟として、のんびりとした生活を送っていた。だが、村に来た領地の騎士団に所属する騎馬が、ランドの生活が一変する切っ掛けとなる――。チート系スキル持ちの主人公のファンタジーです。楽しんで頂けたら、幸いです。
よろしくお願いします!
(7/15追記
一晩でお気に入りが一気に増えておりました。24Hポイントが2683! ありがとうございます!
(9/9追記
三部の一章-6、ルビ修正しました。スイマセン
(11/13追記 一章-7 神様の名前修正しました。
追記 異能(イレギュラー)タグを追加しました。これで検索しやすくなるかな……。

夢幻の錬金術師 ~【異空間収納】【錬金術】【鑑定】【スキル剥奪&付与】を兼ね備えたチートスキル【錬金工房】で最強の錬金術師として成り上がる~
青山 有
ファンタジー
女神の助手として異世界に召喚された厨二病少年・神薙拓光。
彼が手にしたユニークスキルは【錬金工房】。
ただでさえ、魔法があり魔物がはびこる危険な世界。そこを生産職の助手と巡るのかと、女神も頭を抱えたのだが……。
彼の持つ【錬金工房】は、レアスキルである【異空間収納】【錬金術】【鑑定】の上位互換機能を合わせ持ってるだけでなく、スキルの【剥奪】【付与】まで行えるという、女神の想像を遥かに超えたチートスキルだった。
これは一人の少年が異世界で伝説の錬金術師として成り上がっていく物語。
※カクヨムにも投稿しています

こちらの異世界で頑張ります
kotaro
ファンタジー
原 雪は、初出勤で事故にあい死亡する。神様に第二の人生を授かり幼女の姿で
魔の森に降り立つ 其処で獣魔となるフェンリルと出合い後の保護者となる冒険者と出合う。
様々の事が起こり解決していく

『転生したら「村」だった件 〜最強の移動要塞で世界を救います〜』
ソコニ
ファンタジー
29歳の過労死サラリーマン・御影要が目覚めたのは、なんと「村」として転生した姿だった。
誰もいない村の守護者となった要は、偶然迷い込んできた少年リオを最初の住民として迎え入れ、徐々に「村」としての力を開花させていく。【村レベル:1】【住民数:0】【スキル:基本生活機能】から始まった異世界生活。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる