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第3話
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どうやら地面に寝そべっていると、精霊が色々してくれるらしいんだが、精霊との意思疎通がうまくいかない。
なので今はこうして地面に寝そべって精霊達に色々やってもらっているが、俺の意思はどうやら精霊に伝わっているらしく、薬草採取と念じると薬草を沢山採取してくれるし、たまに鉱山で採掘してくれているようで、気が付けば俺の周囲に宝石の原石が置いてあったりとまあ、ありがたいんだ。
何故そこまでしてくれるか未だ分からないが・・・・早く自分の意志で声が聞こえるようになるといいんだがなあ。
そうこうしているうちに、何とか声が聞こえる?ようになった。
聞こえるというよりも頭の中に入り込んでくるイメージ?
これでずいぶん楽になったんだが、相変わらず1人での活動・・・・そろそろパーティーを組んで活動したいのだが誰か受け入れてくれないかなあ?
そう思っていたので何度かパーティーへ加入してみたが、
「すまないが我々の活動スタイルに合わないようだ。」
「常に動きのある活動をしている我々には受け入れがたい。」
「いくらなんでも地面に突っ伏しているだけじゃあねえ。」
はー、どのパーティ―でも1週間続かない。
俺が地面に伏せて精霊達へ指示を、ぶっちゃけお願いをしているのが問題なのか?
こう言っては何だが、冒険以外、つまり買い出し野営に準備、そ、それにだよ?水の精霊がいるから飲み水に困らないし・・・・シャワーも出来るから清潔でいられるんだぞ?
解体はあれだ、精霊が仕留めた魔物を新鮮な内に地面へ引きずり込み、地脈を通って冒険者ギルドへ素早く運んでくれているから手間いらずなんだよ?重い荷物を運ぶ必要もないし?
だが駄目だった。
俺の何がいけなかったんだ?
確かに地面に伏せないといけないが、その間無防備になるように見えるけれど精霊が護ってくれている。
はー、誰か俺を正しく見てくれないかなあ。
・・・・
・・・
・・
・
冒険者になってから数年経ったが、相変わらず俺は1人で草原に居た。
魔物が殆どやってこない安全地帯なうえに、近くには色々な鉱物が埋蔵されていると思われる鉱山がある。
『じゃあちょっくら掘ってくるぞい。』
土の精霊、名前は何だったか・・・・じいちゃんと俺は呼んでいる。
じいちゃんが喜び勇んで山へ出かけた。
何故喜ぶ?
草原での活動は、基本的に薬草採取だ。
だが俺には見分けがつかない。採取の方法も、必要な部位も知らない。
しかし精霊達がやってくれる。
どうやら地脈を通じて得る魔力というのは、俺が思っているより貴重で美味しいらしい。
そして向こうの意思が分かるようになると色々教えてくれるようになった。
『濃厚で美味な魔力を頂いているのですから、これぐらい当然ですわ。』
水の精霊アクアさんに言わせれば、当然らしい。
『あーはいはいそこいちゃつかない!というか容れ物ぐらい用意しておきなさいよね。』
風の精霊ウィンディーネさんだ。
『違うから!シルフだから!』
間違った。
彼女はさばさばした性格で、時にからかってくる。
草原での薬草採取は基本水と風の精霊がコンビを組んでやってくれる。
根が必要なのは土の精霊が受け持ってくれる。
『向こうに強い魔物がいるようだ。近くに人もいない。少し見てこよう。』
火の精霊サラマンダーさんだ。
彼は俺の警護を主にしてくれている。
そして事前に危険を取り除いてくれたりしてくれる、頼れる兄ちゃんだ。兄貴って呼んでいい?駄目、恥ずかしいから?
火が得意な魔物の場合、自分で仕留める事に拘らず、他の精霊に助けを求めるなど、柔軟な性格だったりする。
そう、俺の傍に集まってくれた精霊達って、そういう所に拘りがない。
自分の手に負えなかったりすれば他の精霊に助けを求めたり、別の精霊と共に対策をしてくれたり。
・・・・
・・・
・・
・
本日も夕方となり、冒険者ギルドへ向かう事に。
実は手ぶらだったりする。
採取した薬草なんかは鮮度が大事だからと精霊が地脈を通じて運んでくれるし、仕留めた魔物もやはり鮮度が大事だからと精霊達が冒険者ギルドへ運んでくれる。
僕は冒険者ギルドで手続きを済ませ、お金を受け取るだけ。
で、俺は早速冒険者ギルドの中へ入った。
すると早速受付と揉めている冒険者が居た。
「あいつは俺達のパーティーなんだよ!だから俺達が換金した金を受け取るべきなんだ!」
「そう仰っても彼は今ソロで活動中でどこにも所属していませんよ。」
「だからさっき俺達がだなあ。」
「あ、ヘリット・ヘイマンスさん、この方々ご存知ですか?」
揉めていた受付の女性が突然俺に声を掛けてくる。
「え?この人達ですか?いやあ、初対面じゃないですかねえ?少なくとも一緒に活動した記憶がないです。」
「おい嘘を言うな嘘を!俺達がちゃんと守ってやっていただろう?」
うん?一体何の事だ?と言うかまた?
「あの、またですか?」
俺は受付の女性に質問してみた。
「ええそうなのよ。どうやらヘイマンスさんが草原で、しかもあのスタイルで採取や採掘、魔物との戦いをしていると何処かで聞いたのでしょうね。それでおこぼれを・・・・ちょっとそこ!今から査問を行いますからって!逃げるなあ!」
どうやら俺の報酬を横取りしようとたくらんでいた冒険者達は分が悪いと察し、逃げだしたようだ。懲りないねえ、この手の輩は。
これで今月だけでも5件だよ。
「ちっ!逃げられたか!お、おおほほほ、では本日の素材ですが、全て買い取りで宜しいでしょうか?」
「はい、お願いします。」
「何時も薬草採取助かります。新鮮な上に状態もよく、薬師の方々も上機嫌なんですよ。」
「それはよかった。」
「そして魔物の方も急所を一撃で仕留めているので、素材としての状態もよく、解体担当の職員も解体冥利に尽きるって張り切っていましたわ。下手な素人が我流で解体しちゃったら見るも無残なのよ。だからと言って腐りかけを持ち込まれても困っちゃうのよねえ。」
「精霊に感謝ですよ。」
「精霊ってそんな事もしてくれるのね。それに鉱物!今回はミスリルがあったんですよ!しかも大量に!!」
ミスリル?あの鉱山にそんなのあったんだ。
『いつもより少し深く行ってみたんじゃ!ビンゴじゃったぞい。』
じいちゃんありがとう。
そして貰った報酬、普段はせいぜい金貨20枚程度なのに、今日は100枚あった。
なので今はこうして地面に寝そべって精霊達に色々やってもらっているが、俺の意思はどうやら精霊に伝わっているらしく、薬草採取と念じると薬草を沢山採取してくれるし、たまに鉱山で採掘してくれているようで、気が付けば俺の周囲に宝石の原石が置いてあったりとまあ、ありがたいんだ。
何故そこまでしてくれるか未だ分からないが・・・・早く自分の意志で声が聞こえるようになるといいんだがなあ。
そうこうしているうちに、何とか声が聞こえる?ようになった。
聞こえるというよりも頭の中に入り込んでくるイメージ?
これでずいぶん楽になったんだが、相変わらず1人での活動・・・・そろそろパーティーを組んで活動したいのだが誰か受け入れてくれないかなあ?
そう思っていたので何度かパーティーへ加入してみたが、
「すまないが我々の活動スタイルに合わないようだ。」
「常に動きのある活動をしている我々には受け入れがたい。」
「いくらなんでも地面に突っ伏しているだけじゃあねえ。」
はー、どのパーティ―でも1週間続かない。
俺が地面に伏せて精霊達へ指示を、ぶっちゃけお願いをしているのが問題なのか?
こう言っては何だが、冒険以外、つまり買い出し野営に準備、そ、それにだよ?水の精霊がいるから飲み水に困らないし・・・・シャワーも出来るから清潔でいられるんだぞ?
解体はあれだ、精霊が仕留めた魔物を新鮮な内に地面へ引きずり込み、地脈を通って冒険者ギルドへ素早く運んでくれているから手間いらずなんだよ?重い荷物を運ぶ必要もないし?
だが駄目だった。
俺の何がいけなかったんだ?
確かに地面に伏せないといけないが、その間無防備になるように見えるけれど精霊が護ってくれている。
はー、誰か俺を正しく見てくれないかなあ。
・・・・
・・・
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冒険者になってから数年経ったが、相変わらず俺は1人で草原に居た。
魔物が殆どやってこない安全地帯なうえに、近くには色々な鉱物が埋蔵されていると思われる鉱山がある。
『じゃあちょっくら掘ってくるぞい。』
土の精霊、名前は何だったか・・・・じいちゃんと俺は呼んでいる。
じいちゃんが喜び勇んで山へ出かけた。
何故喜ぶ?
草原での活動は、基本的に薬草採取だ。
だが俺には見分けがつかない。採取の方法も、必要な部位も知らない。
しかし精霊達がやってくれる。
どうやら地脈を通じて得る魔力というのは、俺が思っているより貴重で美味しいらしい。
そして向こうの意思が分かるようになると色々教えてくれるようになった。
『濃厚で美味な魔力を頂いているのですから、これぐらい当然ですわ。』
水の精霊アクアさんに言わせれば、当然らしい。
『あーはいはいそこいちゃつかない!というか容れ物ぐらい用意しておきなさいよね。』
風の精霊ウィンディーネさんだ。
『違うから!シルフだから!』
間違った。
彼女はさばさばした性格で、時にからかってくる。
草原での薬草採取は基本水と風の精霊がコンビを組んでやってくれる。
根が必要なのは土の精霊が受け持ってくれる。
『向こうに強い魔物がいるようだ。近くに人もいない。少し見てこよう。』
火の精霊サラマンダーさんだ。
彼は俺の警護を主にしてくれている。
そして事前に危険を取り除いてくれたりしてくれる、頼れる兄ちゃんだ。兄貴って呼んでいい?駄目、恥ずかしいから?
火が得意な魔物の場合、自分で仕留める事に拘らず、他の精霊に助けを求めるなど、柔軟な性格だったりする。
そう、俺の傍に集まってくれた精霊達って、そういう所に拘りがない。
自分の手に負えなかったりすれば他の精霊に助けを求めたり、別の精霊と共に対策をしてくれたり。
・・・・
・・・
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・
本日も夕方となり、冒険者ギルドへ向かう事に。
実は手ぶらだったりする。
採取した薬草なんかは鮮度が大事だからと精霊が地脈を通じて運んでくれるし、仕留めた魔物もやはり鮮度が大事だからと精霊達が冒険者ギルドへ運んでくれる。
僕は冒険者ギルドで手続きを済ませ、お金を受け取るだけ。
で、俺は早速冒険者ギルドの中へ入った。
すると早速受付と揉めている冒険者が居た。
「あいつは俺達のパーティーなんだよ!だから俺達が換金した金を受け取るべきなんだ!」
「そう仰っても彼は今ソロで活動中でどこにも所属していませんよ。」
「だからさっき俺達がだなあ。」
「あ、ヘリット・ヘイマンスさん、この方々ご存知ですか?」
揉めていた受付の女性が突然俺に声を掛けてくる。
「え?この人達ですか?いやあ、初対面じゃないですかねえ?少なくとも一緒に活動した記憶がないです。」
「おい嘘を言うな嘘を!俺達がちゃんと守ってやっていただろう?」
うん?一体何の事だ?と言うかまた?
「あの、またですか?」
俺は受付の女性に質問してみた。
「ええそうなのよ。どうやらヘイマンスさんが草原で、しかもあのスタイルで採取や採掘、魔物との戦いをしていると何処かで聞いたのでしょうね。それでおこぼれを・・・・ちょっとそこ!今から査問を行いますからって!逃げるなあ!」
どうやら俺の報酬を横取りしようとたくらんでいた冒険者達は分が悪いと察し、逃げだしたようだ。懲りないねえ、この手の輩は。
これで今月だけでも5件だよ。
「ちっ!逃げられたか!お、おおほほほ、では本日の素材ですが、全て買い取りで宜しいでしょうか?」
「はい、お願いします。」
「何時も薬草採取助かります。新鮮な上に状態もよく、薬師の方々も上機嫌なんですよ。」
「それはよかった。」
「そして魔物の方も急所を一撃で仕留めているので、素材としての状態もよく、解体担当の職員も解体冥利に尽きるって張り切っていましたわ。下手な素人が我流で解体しちゃったら見るも無残なのよ。だからと言って腐りかけを持ち込まれても困っちゃうのよねえ。」
「精霊に感謝ですよ。」
「精霊ってそんな事もしてくれるのね。それに鉱物!今回はミスリルがあったんですよ!しかも大量に!!」
ミスリル?あの鉱山にそんなのあったんだ。
『いつもより少し深く行ってみたんじゃ!ビンゴじゃったぞい。』
じいちゃんありがとう。
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