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第6章

第146話 探検だ

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それを見た侍女様と護衛騎士も自分たちの収納巾着からカレーを取り出し、片側にそっとかけている。私と兄はスプーンを取り出し、一口食べて見せる。

真似をする侍女様と護衛騎士。
一口入れた瞬間に固まる二人。

そうでしょうとも

ーーーーーーーー

そしてみんなで無言でカレーを食す。私と兄は3日連続ということもあり、だいぶ落ち着いて食べていられるけど、侍女様と護衛騎士は飲み物のように食べてしまった。

何も言わずに白米をお皿に置いてあげる。カレーをかけて飲み物のようにまた食べるを、侍女様は3皿繰り返し、護衛騎士に至っては8皿も食べていた。すごいぞ・・・

しばらく食休憩をしていた侍女様がこちらを見て

「この白い物体は何でしょう?」

というので詳しく説明してあげた。これは前世の私の民族では食べるのが当たり前で、白米とカレー、白米と肉、白米とスープと言う感じで食べられ続けてきたこと。

そしてこのおにぎりは私たちのソウルフードだということ。

米無くして人生はないということを私は力説した。

この世界で米に出会っていなかったからいつかは!と思ってはいたけど半ばあきらめていたところ、ドリーさんが偶然、前世でこのコメの苗を持ったままこちらの世界に転移してきたこと、そしてドリーさんが農業のスキルを持っていて、本来であれば何か月もかけて作られるお米が2日で作れてしまう事。

そしてお米料理は最高だということを、私は淡々と説明した。

「その、ドリーさんとやらを囲い込むということは、このお米と言うも物が食べ放題になると言う事ですか?カレーも?」

「そういうことになるかな?今度白米を使ったどんぶり料理と言ものをドリーさんに頼んで作ってもらおうか?」

自分では作らない頼むに限る。

「ぜひ」

「じゃぁドリーさんは仲間に入れても?」

「それとこれとは話が別です、私自身もドリーさんという方と直接話してみたいので、明日街に行ってきます」

「わかった、いつ帰ってくる?」

「明後日には帰ってきます」

「ならその時にまた話し合おう」

その後はいつものように神経衰弱をしながら、私は兄用の収納巾着の空間付与をすることにした。

空間付与をしているから、負けてもふて寝することもできずに、永遠とみんなで神経衰弱をしている。頭を使ったからかだんだん疲れて眠くなってきたから神経衰弱からは離脱することにした。

それにしても、みんなこんな夜遅くまで神経衰弱をしていたのか・・・ほとんど寝てないのでは?

あっしまった!制作用の木材買ってくるの忘れた・・・けど、侍女様と護衛騎士が切っていた木を利用することにすればいいと気づき問題は解決。あとはこの長い夜を本を読んで過ごし、本に飽きたら兄の椅子と、板を乗せれば簡易的に使える机と、ビーチチェアの構図をどうしたらいいかを考えながら過ごす。

真っ暗になりみんなが寝てしまった後、周りの様子を観察してみる。ゾンビのような魔物たちは真夜中でも変わらずうろうろと徘徊している、そして襲ってくることは無い。

私はとあることに気が付いた。この不毛の地があると王都に魔物はたどり着けないのでは?と。

この不毛の地でこのような生きる屍になると、王都を目指そうなんてことにはならない気がしている。

なら、安易に緑の地を作らない方がいいのではないか?と言う考えが頭のよぎる。うーんでもなぁ?国は良いと言ってるんでしょ?うーん。考えても無駄かな?好きなようにやろう。

あーでも、ここに来る道すがら魔物に会うし?関係ないかな?魔物がこの不毛の地より向こう側で大量発生したら役に立つけど、内側で大量発生したらねぇ?

色々な可能性があるからいちいち考えても始まらないよね。好きにやろう、ダメな時はダメと言われるでしょ。

この世界で生まれた私はうまくやれてるのかな?前世のことはよく覚えてないけど、サラのことは結構はっきり覚えてる。

特に強い意志も無く、だらだらと過ごしたいと思って居たけど、サラの死は早すぎたと思うよ流石にね。

今回はやり切って終わりたいな。だらだらを。

そんなことを考えたりだらだらしていたら夜が明けてきて、みんなで朝食を食べてから侍女様と護衛騎士は出発していった。

兄と二人でのんびり過ごしていると、お水欲しいよね?って話になった。近くに川がないか探しに行くと、結構離れた場所に不毛の地ではない場所に湖があった。ここからお水引けないかなぁ?でも引いたところでその水をまたどこかに流さないといけないわけで・・・

兄さんと一緒に不毛の緑の地の近辺の地図を作ることにした。

不毛の地の緑の場所というと長ったらしいので、緑の地と呼ぶことにして。緑の地の南側が、王都。湖はそこから北側にあって、海の方に流れてる感じがする。あくまでも感じで最後まで見てないから何とも言えない。

あの湖はただ水が溜まっているのか、少しは湧いているのか・・・近くに湧き水があったらいいのになぁ?女神さまの湧き水の加護!とかやってみようかな?

緑の地から湖の周りを少し歩いてみ、魔物はそこまで居ない気がする。魔物のたまり場が会ったらよかったのになと思ったけど、別に不毛の地で狩りすればいいから問題は無いかな。

お昼を久しぶりの本物の森の中で食べ、のんびりしてから緑の地に戻ることにした。その間私はちゃんと兄の収納巾着に空間付与をしている、えらいぞ。

突然思いついた簡単な地図作製は、今日はこの辺までにして地図の描かれた紙を見てみると、とてもじゃないけど地図というより、子供が描いたような宝の地図みたいな簡単なものが目の前にある。

兄と一緒に紙を見て・・・これは簡易地図だねとお互い納得することに、地図が全くないよりいいだろう。

もうちょっと見て回るかどうするか考えたけど、のんびりこのままピクニックに変更して、私を寝ない様に兄に監視してもらうことにした。

のんびりと穏やかな時間を過ごし、緑の地に戻る。侍女様と護衛騎士は戻ってきてないみたいで、明日帰ってくるのだろう。

私は眠さ限界なので夕飯は少なめにして、兄と小さい頃あった出来事クイズをして楽しく遊んだ。意外と覚えてないし、そんなことあったっけ?って盛り上がった。その遊びもうそろそろ24時間経つと言うところで終了。

空間付与し続けてからそろそろ24時間。兄の収納巾着だからもうちょっと頑張ろうと言う考えが少し頭をよぎったけど、そんな考えは捨ててすぐ寝た。

朝起きたら顔の見えない人間らしきものが3体転がっていた。顔が見えないのは顔に袋がかぶせられてるからだ。

「兄さん?いつの間にそんな紙袋そんなもの持っていたの?」

「お兄ちゃん」

「お兄ちゃん?いつの間にそんな紙袋そんなもの持っていたの?」

「ゾロとミレーナさんがくれた」

名前ゾロになってる・・・次からは二人の名前で呼んでみようかな・・・緊張する。

「何の目的で?」

「さぁ?解らないけど、顔を見てたら腹立ってきたからかぶせてみたよ」

なるほどな?それでいいのか?

「ところでこの人たちは?」

「夜中突然ここにやってきて、俺とローラを襲おうとしてたから縛ってみた」

なんだこの軽い感じで縛ってみたって、猫が猫じゃらしで遊んでみたみたいな軽いノリじゃないの・・・

「そんでこれどうするの?」

「うーん捨てるか?不毛の地以外なら魔物が片づけてくれるだろ?」

「そうだねぇ・・・一応みんなが戻ってきてから捨てに行こうか」

もしかして緑の地では平和に暮らせないのだろうか?もっと街道から見えない位置にしたほうが良いのかな?だいぶ離れてるけど、狩りで来た人が見つけてしまうんだろうなぁ・・・それなら空間魔法で見えない様にすればいいかな?侍女様達が戻ってきてからそのことも含めて相談だ。

一人もじもじしてて漏らしそうだから兄さんには遠くにやっておくようにお願いした。普通にだらだらと生きたいだけなんだけどなぁ?なかなかうまくいきませんねぇ
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