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第6章

第141話 語り合う

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ドリーさんの事情を渡し二人だけの時に聞くか、みんな揃ってる時に聞くか?と思って居たら、ドリーさんが怒涛の勢いで今までの事を話し始めてきた。

ーーーーーーーー

曰く
18歳で駅の階段で落ちたと思ったら、こちらの世界に来ていた事。

若い夫婦に拾われて助けてもらったけど、異世界に転生してしまったと思ったけど言葉も解らないし、記憶喪失のフリをして咄嗟にごまかしたこと。

異国の国から来た人なんだろうと若い夫婦には判断されたらしく、街の警備隊や教会に連れて行かされたこと。

警備隊で異国人だからという理由でしばらく牢屋に入れられていた事。

その後スパイや工作活動要員ではないと判断されたようで、釈放されたけど、そのまますぐ教会に連れて行かされたこと。

魔法とスキルの鑑定を教会でされた時に、この国では異世界から来た人というのが密かに教会のみで浸透しているらしく、教会の人からまさかの前の世界の言葉で書かれた冊子を見せられたこと。

一通り読み終わって、最後に書かれていたのは、もしこちらの言語や文字が読めない場合は教会から学校に通わせてくれると言うことが書かれていて、教会で学校に入れてもらって小さい子供と勉強して、言葉と文字が解るようになったこと。

ついでに住民板を発行してもらったこと。

この世界になれるために、拾われた若夫婦の所で一時的に住むことになり、その生活費は教会が出してくれて、数か月若夫婦と暮らしたこと。

けれどそこの旦那さんに手を出されそうになって逃げだしてきたこと。

慌てて教会に逃げ込んだけど、奥さんはいい人だったから黙ってごまかそうと思って居たけど、なぜか奥さんが泣きながらごめんなさいと言って、旦那さんと離婚していた事。

そして今はその奥さんと一緒に暮らしている事。

そして今日のメインイベント私に会えたことが一番の出来事の様だ。

なんだか最後の方はだんだん重たい内容になってきた・・・よく奥さんと一緒に住めるね?気まずく無いのかな?そうなると奥さんを置いて出ていくと言うことは無いかも知れないなぁ?

と、思って居たら、奥さんは近々再婚するようで、近いうちに家を出て行きたいと思ってるらしい。奥さんはずーっといてくれていいのよって言ってくれるけど、そんなの無理では?と思って居て、独り立ちしようと頑張って居た所らしい。

家賃や食費もちゃんと収めているようでこのまま独立しても何となく一人でやっていけるぐらいの収入は見込めるようになってきたところで私の登場らしい。

それは藁にもすがってしまう気持ちになるかもしれないね。

思わず

「奥さんと一緒に住むの気まずくない?」

と聞いてしまったら兄が えっ!?そこ? って顔を横でしているけど気にしてはいけない。

「そうなんですよ!奥さんいい人過ぎるしめっちゃ気を遣うんです!私が原因なのに、いつもニコニコしていてすぐ再婚相手が見つかったからよかったけど、一生トラウマになるところでしたよ!」

そうだよね、そうなるよね。でもすぐ見つかるって愛人いたんじゃない・・・黙っておこう、

「住む家や場所は目星がついてるのかな?」

「そこは来月から借りることになってます、一人で住むには広いですけど、ローラさん遊びに来れますよ!」

んーちょっと立ち寄る分には良さそうな?拠点として?いきなり不毛の地に連れて行くのもね、今までここで頑張って居たわけだから、納得のいくまでやり遂げるべきだと思うし。

少し考えると何が最適なのかわからないから、とりあえず私がするべきことは侍女様と護衛騎士に相談すること。私も住民板がもらえないかな?って思ってる事。

そしてここからが大事なんだけど、私も前世の文字を読めるかどうかを試してみたい。頭の中で思い描いても、前世の文字を思い出せないからだ・・・

「あのねお願いがあるんだけど、前の世界の文字を書いてもらってもいいかな?頭の中で思い出そうと思っても、思い出せないの。私の中でどの位前の世界のことを忘れてしまっているか、ちょっと確認したいんだ」

「いいですよ、紙とペン持ってきますね」」

と言ってすぐいなくなり戻ってきた思ったら。

「ありがとう」

という文字を見せてきた。読めるわぁ・・・

「ありがとうって書いてある?」

「そうです!」

「もっと他の文字も書いてもらっても?」

「太陽 希望 頑張る テスト、ペン、筆、鉛筆、This is a pen.」

と書かれている

「たいよう、きぼう、がんばる、てすと、ぺん、筆、鉛筆、これはペンです・・・で間違いない?」

「間違いないです!」

ちょっとこのドリーさん面白い、This is a pen.を入れられるとは思わなかった。これだからこの世界でもがんばってこれたんだろう、ナイスメンタルだ。

そして横から兄も

「たいよう、きぼう、がんばる、てすと、ぺん、筆、鉛筆、これはペンです?」

と読んでいる、ずるい!なんで読めるの!やっぱり隠れスキルあるね!この人は!

ねぇ?もしかしてこれ読めるってことは、わたしも住民板もらえないかな?兄さんは普通に移住試験受けた方がいいと思うけど。

思わず私も異世界の人として住民板もらえないかなと聞いてしまったけど、ドリーさんを少し困らせてしまったようだ。そうだよね、私はこの世界で生れ落ちてるからなぁ・・・

「もしよかったら教会行って見ませんか?」

「教会?」

「そうです、たぶんなんですけど、この国の偉い人に転生者か転移者が過去にいたのか今いるのか?って感じなんだと思います。他の国の水準を見たことがないんですけど、ご飯とかも前の世界と遜色ない物がそろってるじゃないですか、でもやっぱりこの世界の食べ物ってこんな感じかな?って言うのもあるじゃないですか、私たちより前に頑張った人が居たと思うんですよね」

「それ、私もまったく同じこと考えてた!」

「教会にもしかしたらローラさんにとってヒントがあるかもしれません、今から行ってみませんか?」

「今からですか?」

「そうです協会はいつでも入っていいし、今の時間帯なら人が少ないので、行動起こすなら今が良いと思うんですよね」

兄さんの方を見ると、うなずいているので、早速一緒に教会に行くことにした。歩きながらドリーさんにこの国の事を聞く。

気候は常春と言う感じで、過ごしやすいこと。温度もそんなに変化しないけど、冬になると少し寒いらしい。紅葉も実はあって冬になる3日ぐらい前に突然始まってすぐ終わってしまうらしい。

いつか他の国も見てみたい、旅行もしたいし、冒険者も少しやってみたいと言っている。せっかく来たのだから全力で楽しみたい気持ちと、不安な気持ちが入り混じってるようで、今一歩踏み出せていないような感じで過ごしているらしい。生活の基盤をまず整えたいのと貯金をしたいと言っている。

まじめなタイプの人のようだ。私は今も昔も貯金なんてことはできていない・・・兄の方を見ると深くうなずいていて、共感しているようだけど、兄さん貯金出来てるタイプだったっけ?と思わず考えてしまったけど、黙っておこう。

教会について中に入ると、とても素敵なステンドグラスが窓になっていて、この世界で初めて見る前世の教会があった。

「うわー!この協会はステンドグラスあるんですね!すっごい綺麗だなぁー見て兄さん!あの窓!バラだよ!バラの花びらが1枚散ってるってことは、あの物語だよねっドリーさん!」

「やっぱりそう思いますか!?」

「間違いないよ!ガラスのケースに入ってないけどあの物語に違いないよ!それにみてあれ!眠っているお姫様に、小人とお姫様に、え?桃太郎?」

「そうなんですよ!」

「ここの教会のステンドグラスは全部物語を当てはめたステンドグラスなのかな?」

「そうなんですよ!でも知らない物語のステンドグラスもあって、他国の物語なのかあ私の知らない物語なのかなって思ったりして、よくきて見ているんですよ、寂しくなっちゃったときとか、落ち込んだ時にはここにきて、ステンドグラス見て元気貰ったりしてるんです!」

「ここはいい場所だねーへぇー!素敵だねー!」

と一通り見て回ってドリーさんとはしゃぎながら見て回ってると最後に何か文字が書かれている。

(人の恋路を邪魔する奴は馬に蹴られて死んじまえ!!!豆腐の角に頭をぶつけて死んでしまえ!!!!!ばーかばーか!一生恨むからね!)

って大きく書かれてる文字を見つけて、思わずはぁ?って顔になってしまっていたら・・・・

後ろから声をかけられた。
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