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第5章

沢山稼いだと思ったんだ

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慌てちゃってちょっとかわいそうな感じで身体二つになっちゃったりして、収納巾着無い人はどうやって持って帰るんだろう?って感じになってしまったので、途中から突風を出して進路妨害をすることに徹した。

ーーーーーーーー

護衛騎士と侍女様、そして私の数匹を合わせると23頭ほどになった。ギルドでもらったランク票を熟読したわけでは無いけど、襲ってきた奴は居ないと思うから一番下の方のランクD.Eあたりだと思う。宿代いくらだったのか知らないけど、悪くないんじゃないかな?

「ねぇねぇ。毎日帰らないで、数日野営して狩り沢山してから戻るって言うのはどお?この国なら収納巾着つかってもいいんじゃないかな?なんとなくだけど護衛騎士と侍女様を超える腕前の人あまりいない気がしている、王族が絡んでくるとまた話は変わるだろうけど」

「そうですねぇ・・・・・どの国にもかなり腕の立つ人と言うのは居るので、軽く収納巾着を使うことをお勧めします、私の提案は今日の所はいったん帰って、明日からですかね?荷馬車を用意して自分たちで引くか、馬を・・・」

言葉をきって二人とも護衛騎士を見る。とても嫌そうな顔をしているけど、今が一番の活躍時だよ!?と思って見ていると、深いため息を履いてから

「わかりました、馬2頭連れてきます」

ん?その言い方は・・・

「もう馬は確保されていると言う事?」

「そんなところです・・・・・」

カァー!こいつぅー!きつねかー!?きつね族なのかー!?きつねは大事なものを隠すと言うからね、きつねって呼ぼうかなこれから

「護衛騎士のこれからの名前はゾロね」

「なんで?」

「さぁ?侍女様の提案だと、狩をして街に戻る手前で荷馬車とか出して獲物を乗せて、更にギルドで出すときに上乗せして出すってことだよね?」

「そうです、収納巾着を持ってるというのもバレにくいですし、ドレ国にはまだ収納巾着の存在そのものがあまり知られてないようなので、悪目立ちするよりかは良いかと思って」

「たしかに、せっかく足取り途絶えた所で収納巾着で大騒ぎになったら大変だもんね、そうしようじゃぁ今日は帰ろうか」

行は2時間近くかかったので、帰りも覚悟していたのだけど、意外と遠回りしていたようで1時間40分ほどで帰りつくことができた。

街道が見えそうな手前から獲物を大量にだして、これをもって町までは遠くない?といってもほんの数百メートルの場所まで移動していたのだけど、なかなか死んだ魔物を運ぶのも大仕事だなと。

大量の獲物を抱えたまま街に入ろうとしたら門の所で守衛さんに止められた。そんなに大量にもって街に入らないで欲しいと言う事らしい。

え?何個ならいいの?片手に2.3匹づつと言われた。

え?冒険者なんですけど?じゃぁこの大量の獲物は捨てなきゃいけないのか?と聞いたら、ここの裏に置いておく場所があるから、そこに獲物を置いて何往復もしろということらしい。

それがこの街のルール?ここにはいられないなーと思いながら裏に行くと、ただ広い空き地があるだけで。

え?もしかしてここに置くだけ?見張りの人は居ないの?ほかの冒険者が来たら?私たちの獲物持って行ってもおかしくはないよね?と、問い詰めると。

「まぁ・・・そうなってもおかしくは・・・」

はぁーーーーーーーーこの街はダメだ!明日移動移動!ふざけんなよ!と、みんなで両手に3匹づつ持って、残りは守衛さんが居なくなったのを見て、収納巾着に全部入れた。

冒険者に優しくない国なんて・・・問題外ですね?というか冒険者だけじゃない、きっと商人以外は全部こんな扱いなんじゃないかな。人を大事にしない国は絶対衰退する。

そして街の外観を気にして大量の獲物を持って歩いてはいけないんだろう、それならせめて裏の獲物置き場をきっちりと冒険者の為に整えておくとか、対策はあるんじゃないの?

収納巾着が売れるなら商人の道でもいいけどさ、こればっかりはね・・・未知数だから。それとも・・・これも帰ってから要相談だ。

再び門をくぐる時に、守衛さんが何か言いたそうにしていたけど、私たちはちゃんとルールを守って片手に3匹づつ持ってるので無言の圧力で通り過ぎた。収納巾着に入れたのは5匹だけだけどね、なんか気に入らないじゃない?護衛騎士なんてわざと一番大きい獲物を6匹持っている。なかなか攻めの姿勢で私は好きだよ。

3人持ってるとそれなりの迫力だから何か言いたげだったけど、そんなことは知らない。

冒険者ギルドまで歩いてくなかで、何人かの人がギョっとした顔をしてこちらを見ていた。それって獲物を持って歩いてる冒険者が珍しいと言う事なんだろうなと。

これだけ魔物が多い世界にいてそれは無いんじゃない?冒険者が特別な存在になるような世界はダメだと思う。

冒険者ギルドに着いてから獲物を査定カウンターの上に大量においた、ついでにこっそり収納巾着からも5匹出した。ギルド職員さんは量にびっくりしていた。

「背中にしょって帰ってきたんですか?」

とかかわいいこと言っていたからそうですって言った。本当は収納巾着に入れてたけどね!久しぶりに大量の獲物を見たと喜んでいる、もしかして大量に持って街に入れないことを知らないのか?と思って聞いてみたら、そんなことは初耳だと驚いていた。

ついでに大量に持ち込みたければ裏に獲物を置いて何往復もしろと言われたこと、獲物を置く場所は無法地帯で誰も管理しておらず、自分の獲物を持って行かれる場合があることも伝えておいた。

受付のお姉さんはものすごい怒ってどこかに行ってしまった・・・私たちの査定は終わっていたからよかった。査定の仕方も左の耳を切ると言う形で何回も持ち込めない様な工夫はされてるらしい、なので耳が大事ですからね!と何度も言われたので気お付けようと思う。

その後は5分ぐらい歩いたところにある、商業ギルドに行って素材の買取をお願いすることに。大量の獲物を持って商業ギルドの前に着くと、守衛さんがギョっとした顔をしたけど、すぐさま通してくれた。私たちを見た商業ギルドの職員さんがガタッっと立ち上がり、さぁさぁこちらへ!と機嫌良く別室に通してくれた。

何か手元に取っておきたい物ありますか?と聞かれたので全部買取でお願いしますと言った。素材だけがあっても私たちは何もできないのでね・・・

そして、物々しく鑑定資さんがやってきて、一つ一つ丁寧に鑑定してくれる、暇なのかな?すべてめでたく?ランクDの魔物と言う鑑定が出た。23頭すべてお買い上げで69金貨になった!ランクがあってもランクより上や下の素材がたまーに出ることがあるらしい、そのための鑑定だと。なるほど。

え!?冒険者ギルドで46金貨で!?商業ギルドで69金貨!?全部で115金貨!?3人で割っても一人金貨38枚!!!!!!!!生きていけるんじゃないここで?

と侍女様を振り返ると、首を横に振っている。ん?問題があるのかな?宿に帰る時に

「ここは王都と言うこともあって、一番物価が高い場所です」

「ここ王都だったんだ・・・」

「「・・・・・・・・・」」

二人とも無言になっちゃって・・・そのうちここはどこかな?って聞こうと思って居たよ!

「そ、それで?」

「なので宿代も高いです」

「あーそういう感じ?そうだ昨日と今日の分の宿代出してなかった、一拍おいくらなの?」

「驚きの!!!!!」

「なんと!!!・・・・・・」

ゴクリ この間を挟んでくる!

「金貨50枚です!!!!!!!」

えぇ・・・二人の息ぴったりすぎる・・・そして今日の稼ぎより高いじゃん・・・

「今日は部屋二つ取ってるの?」

「今日はみんなで一緒に寝ましょう」

そうなるよね・・・屋台ではあまり感じてなかったんだけど、物価はヴェルト国の2倍ぐらいかな?と思って居たら、まさかの10倍以上違うという・・・ヴェルト国とコライユ国って物価ほぼ同じぐらいだったのに、隣の国で10倍違うって少しおかしくない?

狩りして野宿で稼いじゃう?
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