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第4章

夜中のお屋敷

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レオンが悪い人ではないと言うことは何となくわかる、ただ自分の欲望に忠実すぎて最初の印象が悪すぎたんだ。前世とかわけわからないことを言われたって、私は前世のことなんて覚えてないし、本当にレオンと知り合いだったのか解らない。

前世を前提に口説かれても?口説かれても無いよね?正直困惑しかないし、無理すぎるでしょ。一応こちらは女性という立場で多少なりとも結婚やお付き合いすることに夢を持っていたりする。

監禁から解放されてこれからどんな生活を送るんだろう、どんな人と知り合っていくんだろう、遠くまで行けば安心かな?素敵な発明をして片手うちわで念願のスローライフを願っている普通の女性だ。

そこに少しぐらい恋愛要素があってもいいじゃない?生活が落ち着いたら素敵な人と出会っちゃったりして?とか思たって罰は当たらないでしょ?

でも、蓋を開けてみれば、いきなりまとわりつかれて、久しぶりに会ったと思ったらバラの花束でいきなりプロポーズだ。

順番を踏んでると言えばそうかもしれないけど、結婚の過程までだって楽しみたいんだよ。今まで恋愛だってしたこと無いから、お友達から聞いていたお話で自分だったらどうなるんだろう?ってどきどきしたもんだ。

バラの花束とか憧れてたけどさ!あれじゃないよ!違うよ!もっとお互い深く知り合ってからのバラの花束でしょう!?いきなり自分自身を満足させるためにあの行動は無いよ!本当に好き?愛してるなら相手のこともうちょっと考えるでしょ!?あれは絶対考えてないよね?自分のことしか!

やっぱりいくら考えても無いよ・・・助けてくれたことには感謝しているし、これからもきっとお願いすることがあるかもしれないし、あのボスが居る限りはレオンは常に側にいてもらった方が逃げ切れるのはわかるけど。でも、それとこれとは別だよね。

うまいことずるずると引っ張るのもありだけど、流石にそれは私がやっちゃだめだなと思うから、しっかりと話し合いをしたいと思う。あの屋敷に帰ってからね?ここで置き去りにされたらたまりませんので!

ということで、考えもまとまったしもろこし爆弾を買いに行こう!何個買おうかな?前回は元を買って一気に護衛騎士にお願いして作ってもらったけど、元って本当にただのとうもろこしだけなら別に買わなくてもいいんだろうけど・・・でもあのとうもろこしが特別ならもろこし爆弾はあそこでしか作れないだろうし?

そもそも誰でも作れるならもっと各地にあっていいはずなのに無いということは?やっぱり特別な奴かな?簡単に元を売ってくれたけど・・・

あと思い出したのは影のボスから逃げる時に、黒い影が飛んできたの、大きなふくろうに見えたんだけど。あれ前にも見たフクロウかな?レオンがテイムしたふくろうなのか後で聞いてみよう。

以前もろこし爆弾の屋台があった場所に行ってみたらもろこし爆弾とは違う店がある!もろこし爆弾が無い!どこにいっちゃったんだろうと、隣の小物を売っているお店の人にもろこし爆弾を売ってたお店は移動してしまったのか聞いてみたら、あのもろこし爆弾の屋台は流しの屋台で、1週間だけ屋台を開いていたそうだ。1週間たったらどこかに出発してしまったとのこと。

もっと買っておくべきだった・・・・・次はいつ会えるのか・・・・・どこに行ってしまったのか聞いてみたらコライユ国から入ってきたらしいから今頃ヴェルト国のどこかにいるんじゃないか?と言っている。

一期一会
巡り合い
運命

という奇跡がまた起きるのを祈るしかない。仕方が無いので別の食べ物を買って帰ろうかな。この国にはかき氷は無いし・・・馬も気になるし・・・適当にスープとパンを買って一度戻ることにした。

戻ったら侍女様と護衛騎士が居ない。二人は離れて行ってしまったのかもしれない・・・と少し残念に思うも、仕方ないのでレオンと一緒にご飯を食べることにする。

何か嫌な事や辛いことがあったら、たとえ昼間でも何かを食べて寝るにかぎる。レオンに寝室はどこを使っていいのか?と聞くと、とても日当たりが良く美しい庭園が見える良い部屋に案内してもらった。

寝てしまえば一緒なんだからこんな良い部屋じゃなくてもいいのにと思ったけど、今回ばかりはありがたい。素直になってふかふかのベッドで寝ることに。久しぶりだな王宮ばりのふかふかのベッド。

王宮から逃げ出す時にもちろんベッドは拝借しているけど使う場所がなかなかなかったから、久しぶりの感触を堪能しつつ、すぐ眠りについてしまった。

どの位寝たかわからないけど目を覚ますと外は真っ暗になっている。部屋にはランタンが1つ置かれている。ありがたい。

今起きてもしょうがないからもう一度寝ようとしたけど、寝れない。ベッドの上で身を起こし、今日あった出来事をまとめることにした。

・影のボスが現れ旅が中断 ゆるさない!
・影のボスに侍女様と護衛騎士が操られる 危険
・レオンの前の前世の実家の別邸に移動 振出しに戻る
・謎の大きい影ふくろうっぽい子はレオンのテイム? 聞く
・侍女様と護衛騎士が居なくなる 寂しい
・馬はどうしているのか 心配
・もろこし爆弾は無い 悲しい

このぐらいかな?このぐらいでも続けてきたことが一度全部中断になってしまった・・・何とも言えない気持ちになる。自分の人生はこうも簡単に人によって崩されてしまうのか・・・

もっと私我儘に生きようかな、こんなにも人生変わってしまうならね?もっと自由に生きないとね?

決意も新たにもう一度眠りに着こうとおもうも、眠れないので屋敷を探索することにした、ランタンあるしね。

ランタンを持って部屋の外に出てみる。レオンに連れられてきた場所なのでいまいち道を覚えられていないけど、なんとかなるだろう!ここは突き当りの部屋のようなので、そのまま廊下を歩いてみる。足が沈んでしまうようなふかふかの絨毯の上を靴で歩くのはなんだか気が引けて思わず靴を脱いでしまった。

音もなく廊下を歩く、長い・・・無駄に長い・・・貴族と言う生き物は無駄が好きな生き物だ。その無駄をいかに優雅に過ごすか、そんなことにプライドと意地をかけて生きている気がする。

王宮で散々いろんな嫡子やらお坊ちゃまやらが突撃してきたけど、みんな一貫して同じだったのは、いかに自分をよく見せるかということを研究し尽くしていて、努力をしていない人間をとても見下しているように見えた。

その場合見下してる相手とは私だったわけなんだけど、それも平民だし、平民と言うだけで見下しているわけではなさそうだった。中にはどーしようも無いのも居たけど全員ではない。

貴族について少し学んだ気にはなっていたけど、このお屋敷を見る限りだと私が見たことなんてほんの一部なのだろう。天井や床のフチの部分にここまで凝った模様をいれる?しかも見る人居ると思ってるの?私はみてるけどさ・・・

こんな場所に繊細な模様を施し、大きく目立つところ、見える所は華美にならないよう素朴で何気なく質素、しかしよく見るとめちゃくちゃ凝ってる。この家の凄さがなんというか私の知っている知識をはるかに超えていく。これまさか王族所有の別邸じゃないよね?レオンの前世って王族じゃないよね?大丈夫だよね?

ランタンを揺らしながらてくてく歩いてるとふいに人影が現れてびっくりして転びそうになった。さっっと腰を抱かれて転ぶのは免れたけど、私を転ばない様にしてくれたのは、半裸の護衛騎士だった。

あーそおゆことか・・・二人は楽しんでいたと・・・キッっと目が思わずつりあがってしまったけど、疑問が出てきた。

「ねぇ?王宮で操られてた時に二人は恋愛関係だったんでしょ?それって本当の気持ちなの?」
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