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第3章

ハト?

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【side サラ】

護衛騎士様と森の中に行き、冒険者ギルドで採集依頼を受け、暇つぶしと狩りをしに来ていた。護衛騎士様は変らず私のことを護衛してもらっている。油断は禁物だ。

突如目の前にオオカミが現れた。襲ってくるでもなく、こちらをジィーっと見ている、試しにテイムしてみようかなと思って、テイムしようとしたら、キャンと鳴くじゃないか。

しまった、このオオカミは誰かのテイムされているオオカミだ!私のテイムスキルは隠してるからばれたらまずい!と思って逃げようとしたら、オオカミのマスターが来てしまった。

普通テイムされた動物はマスターの側にいるはずなのに、なんて私は運が悪いんだ!

「すみません、このオオカミ僕がテイムしたオオカミなんですが、何か失礼なことをしてしまいましたか?」

悪いも何もない!なんで側にオオカミを置いとかないのよ!でもこれだけで身元がばれるようなことは無い。大丈夫よ落ち着くのよ・・・

この人はとても普通の一般人に見えるから大丈夫・・・の・・・はず?なんだろ平民の服装してるんだけど、纏ってる空気がなんか平民じゃないんだよな・・・そしてこのねっとりとした視線は・・・気持ち悪いな・・・どこかで見たことあるきがする目をしているけど、どこで見たのか思い出せない。

護衛騎士様とこの男の人が何か言ってるけど頭に入ってこない。とにかく謝っておこう

「あの、申し訳ございません・・・・・知らずとはいえ、オオカミをテイムしようとしてしまいました」

なんか蕩けるような顔をしている、こおゆう表情は見たことがある、恋に落ちる時の顔だ。この場合私だよね・・・困ったな・・・本人が自覚したかどうか・・・

「大丈夫ですよ、オオカミもあなたのことをずーっと見つめていますが、きっとあなたのことが好きなのでしょう、なんなら私からあなたにマスターを変えたいのかもしれません」

いや、ここで変なつながり欲しくないから丁重に断らないと!って思ったら

フゥー

オオカミがため息ついてる・・・オオカミさんあなた苦労してるの?そうじゃなきゃ1匹にならない?もしかして凄い賢いオオカミなのかな?それなら逃げるためのお供に・・・お願いしたいぐらいだけど、少しでも人との接触は避けておかないとね?人と接した分だけ、足取りがつかめてしまうしね?

とにかく二重テイムのことは許してもらえたようだけど・・・

「いえいえ、それと同じテイマーの人に会うと言うこともなかなか無いので、今後何か情報交換出来たら嬉しいなと思って居るのですが、お名前お伺いしてもよろしいですか?」

名前聞かれたぁー!どっちの名前言うべきか・・・本名も今の名前もテイムスキル持ってないんだよね、どっちの名前を言うか瞬時した後、護衛騎士様を見るとうなずいていたので、今の仮の名前をつたえることにした、そう本名はもう捨てたのだからね。

「私の名前は サラ と申します」

なんだかこの人目を見開いて固まってるけど大丈夫かな?そろそろお暇したいな。しばらくしたら立ち直ったのか護衛騎士様の名前も聞いてきた。かねてより決めていた打ち合わせ通りに、兄と名乗る。

その瞬間の嬉しそうな顔・・・これはぁ恋ってやつだね・・・と確信したよね。

でもね、そんな事より気になってることがあるんだよね。私の頭の上に乗ってるハト、このハトは一体何者なんですかね?この人のテイムしているハトなのかな?このハトに後を付けさせるとかないよね?

それにしても珍しいハトだなぁ、初めて見たかもしれない。白い身体に茶色の羽根に羽がくるんとカールしてるハトなんて見たことないよ?あれ?でも何か見おぼえあるような?これでスライムもいたらとか?

なんでここでスライムが出てくるんだろう?きっと緊張のあまり疲れてるに違いない、今日はもう薬草も取ったしすぐ帰って家でのんびりしたいな。ここで別れたらもう一生会うことないだろうけど。

ゾクッっと背中に悪寒が走る。これはフラグってやつ?フラグってなんだ?さっきからいつも考えないことが出てくる、どうしちゃったんだ?この人と会ってから何かが動き始めた気がするんだけど?なんだろうもぞもぞするというかゾワゾワするといううか・・・とにかくハトをどうにかして欲しい・・・

「あの少々お聞きしたいことがありまして、そのサラさんの頭の居るハトはサラさんがテイムしたハトですか?」

「いえ、違いますね・・・」

この人がテイムしてたハト違うんかぁーい!じゃぁなんなのこのハトは???

「そうですか・・・テイムしますか?」

「どうしようかな・・・」

「「・・・・・・・・・・・・」」

「そのハト僕はテイムしてないんですけど、1年ぐらい前から良く僕の側に居て、すごい人慣れしてるから、どこかの人に飼われてる子なのかなと思って自由にさせてたのですが・・・」

そうかぁー謎のハトかぁーどうしようかなぁーテイムしてなくてもこうやってなついてくれるのは嬉しいよね、動物可愛いしね。テイムしようかなーどうしようかなーでもなーこのハト目立つしなぁ・・・家に帰りつくまで頭に乗ってたら考えようかなぁ?

謎のハトを頭にのせたまま、その人とは別れることに、最後まで相手から名前は名乗らなかったけどね・・・護衛騎士様と相談しないといけないなぁー大丈夫かなあー、たとえ森の中でもどこに人がいるかわからないから、外にいる間は兄妹のフリを徹底している。

今日は疲れたから家に帰りたいと護衛騎士様に言って、いつもより早く岐路に着くことにした。

冒険者ギルドで採集完了の受付を済ませ、夕飯を買って足早に帰宅する。本当はゆっくりカフェなどでお茶したりご飯食べたいけど、このヴェルト国に居る間は我慢、隣のコライユ国に行ったら好きなだけカフェに行ったりご飯に行ったりするのをとても楽しみにしている!自分ご褒美だ!

今は少しづつだけど冒険者ギルドで採集クエストや、護衛騎士さんが狩りをした獲物を解体し、肉や皮を売ったりしているからお金がたまってきてはいる、けど必要経費を差し引いた分、あまったお金は護衛騎士様の収納巾着袋にお金を入れている、テイムしちゃった罪悪感からのせめてものお詫びがお金しか思いつかないので・・・

そうして家に帰ってから、護衛騎士様と声を潜めて会話をする。

「あの若者どう思いますか?」

「そうですね、害は無いと思いますし、敵でもないと思います、ローラ様のことを知っている感じでは無かったですしね」

「なら大丈夫かな?」

「ただ気になるのはローラ様に対して異様なオーラを放ってた所ですかね」

「異様なオーラ?」

「はい、とても根の深い執念深いおどろおどろしい、おぞましい感じがしたので、ローラ様とは関係なく、サラ様としては注意したほうが良いかも知れません」

「なるほど・・・そこは注意しようと思います、そして私の頭に未だに乗ってるこのハトなんですけど、どうしましょう?どうしたらいいと思いますか?追い払うのはかわいそうだけど、テイムしたほうがいいかな?」

「これは難しいのですが、動物は自ら主人を選ぶと聞いたことがございます」

「主人を選ぶ・・・」

「はい、なのでこのハトに選ばれたのではないでしょうか?テイムされてみてはいかがですか?」

「うーん、してみようかなぁ・・・どうしようかなぁ・・・もう少し考えます」

「そうですねそのハトはちょっと珍しいので少し目立ってしまいますね」

「そうなんですよねーどうしようかなー」

と、思ったらハトが床におりてチラチラこちらを見ながら何か誘導している気がする。うーん、でも今日はもう家に居たいからと伝えるとすっごいがっかりした感じの雰囲気をだして、クルックー・・・って言ってる。

罪悪感がものすごいことになってるんだけど、目立ちたくないからねぇ。

明日ねとハトに言って、護衛騎士様と一緒にご飯と取って寝た。寝室はもちろん別々だよ。

ご飯を食べてる時のハトは執拗に私のご飯をチェックしてて、何がしたいのかよくわからなかったけど、食べたいのかな?と思ってあげてみたけど別に・・・みたいな態度を取られたので本当に良くわからない生き物だなと思った
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