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第3章

オークションの行方

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【side レオン】

僕が納品したキツネの毛皮がことのほか大ごとになってきた。なんと王家がオークションなんてせず王家がそれなりの値段で買い取るから納品せよと言ってきたらしい。すでに各地に告知も終わってあとはオークションを行うだけと言う時になってだ。

キツネの毛皮は無事王都に到着し、一気に告知をした、そうじゃないとどこからか邪魔が入るだろうという予想だったんだけど、まさかの王家とはね・・・

流石にこれは市民からも、貴族からも、他国からの抗議が王宮に殺到したらしい、告知する前なら強引にでも奪えただろうけど、告知してしまった後だけに、流石にまずいと思ったのか、その要請は取り下げられた。

僕は王都に行ってない、兄の所で変わらず世話になってる、それなのにこの噂話が耳に入ってたからとてもびっくりした。これで僕が納品したものだと知られたらきっとキツネの毛皮は取り上げられていただろう。

変らずテイムと薬草の納品などをこなしつつ、お肉を取っては売ったりして生活を続けていた。ちょとした贅沢ぐらいならできる程度には稼げている。

あの時テイムしたオオカミがなかなかいい動きをしてくれていて、僕はだいぶ楽させてもらっているが、変わらず主従関係はどちらにあるんだ?という不思議な関係だけど、お互い尊重し合えてるんじゃないかな?テイム解除したらどうなるかわからないけど・・・

そしてハトなんだけど、ハトも変わらず僕の側にいる。ハト胸を自慢げにいつも頭に乗ろうとしてくるから攻防戦を繰り広げている。それが当たり前になりすぎて、ハトが居ない日は少し寂しく感じるようになってきた、時々いなくなっては僕がどこに居てもフラーっと現れるいつもどこに行ってるのか?変わらずテイムはしていない。これもまた不思議な関係だ。

そしてトーレ村から一緒のトカゲのムーはなんだか大きくなった気がする。他のトカゲより大きくてなんか丸っこい。食べ過ぎじゃないのかな?って思ってご飯を少なめにすると凄い怒るし、どこかで自力でご飯を調達しているようでダイエットには成功できていない。このままどんどん丸っこくなっていったら将来が心配になるなと思ってはいる。

そうやってのんびり過ごしていたんだけど、とうとうオークションの日がやってきた、どの位の金額で落札されたかはすぐに知る方法はないけど、たぶん商業ギルドに行って鑑定スキルを持っているマルコさんに聞けばすぐわかるかもしれない。

オークション会場には他国からの人も来ているようで、王都はものすごい賑わいを見せているようだ。ちょっとどんなんだか雰囲気を感じてみたかったのだけど、おとなしく東の街バリィーで過ごすことにした。ただ入ってきたお金で次はどこに行って見ようか?と楽しみにはしている。

オークションの日も変わらず僕は森へテイムと薬草採集の依頼を受けて、オオカミがまた何かを捕まえてきたので解体し、お肉をあげる。今日はハトは居ないようだ。ムーは変らず自由に木に登ったり僕に登ったりしている。

そうやって1ヶ月ほどたったころに、そろそろ住民板の方に振り込みが確認されてるのではないかと思って、一度確認してみた。金額は増えておらず、時間がかかると言っていたしな?と思ってそのまままた1ヶ月過ごした。

最初に住民板の金額を確認してから1か月後にまた確認してみたが、金額は変らず。そんなに急いでも居ないし、のんびり構えていたら、東の街バリィーのギルド長のミゲルさんから一度ギルドの方によって欲しいと連絡がきた。

〇日〇時に裏の入り口から入ってほしいと言う事なので、言われたとおりの時間ぴったりに裏口へ入って行った。入ってすぐギルド長のミゲルさんが立っていたのでそのまま応接室に案内された。

あまりにも慎重すぎて、何事なんだろうと少し身構えていると、ミゲルさんからの説明があった。

まずはお金の振り込みが遅れてる事の謝罪から始まり、その理由を聞いて衝撃だった。

まず落札したのはこの国の王家が破格の金額で落札したそうだ。余計なちゃちゃを入れてまで欲したという代物のようだ。他国からも富豪や他国の王家に連なる人も沢山来ていたので、驚くほど金額はつりあがって行ったようだ、その額なんと!驚きの!大白金貨200枚にもなったそうだ。

庶民の僕にはどの位の金額なのか正直想像つかないけど、3代先の子孫まで相当贅沢に暮らせる金額じゃないかな?解らないけど。

本来であれば落札されたら、その場での振り込みとなり、商品の引き渡しになりそうだ。すみやかに品物を移動させることによってリスクを軽減させるためだと言う。

しか大白金貨200枚ともなると、いますぐ振り込むと言うことが困難らしく、王家の代表者は最初から税金を引いた金額の大白金貨180枚を払ってこようとしたらしい。

普通はギルドが1割の税金処理をしてくれる、そうしないと支払わない人が居るかららしい。2割がギルドへ、残りの7割が僕に振り込まれるのが通常の流れだというのに、最初から税金を引いた金額を支払おうとしてきたらしい。

そんなことは認められないと突っぱねたが相手は王家、ごり押ししてこようとしてきたので、そんなことをすれば王家の信用も落ちるし、商業ギルドを敵に回す、そうなれば他のギルドも王家との取引を信用しなくことが解らないのか?と問いかけたらその日はしぶしぶ引き下がって行ったらしい、もちろん支払いは無い。

それだけでもありえないことなのに、その後連絡が無かったそうだ。落札したのに連絡も無い、1ヶ月だけ待つけどもし振り込みが無ければまた再オークションを行うと言って、いったんは待つことにしたらしい。

しかし1ヶ月経っても音沙汰がなく、また全体告知をしようと準備をしていたら、王家から連絡があり、先に品物を渡してくれないかと言われたようだ。もちろんそんなことはありえない、品物を先に渡してしまったら絶対お金は振り込まれないと思ったからだ。つっぱねたらまた1ヶ月待ってほしいと言われたそうだ。そして今日はその1ヶ月から3日経った日だと言う。

僕は呆れて声が出なかった。王家は何を考え居るんだろう?オークション告知した後にも横取りしようとしてきて、落札したけど払う気はない。もしかして大白金貨200枚も元から払えないのでは?

僕の不安が顔に出ていたようで、ギルド長のミゲルさんもうなずきながら、王家の信用は全くなく、支払い能力があるかもどうか怪しいと。なので極秘にもう一度再オークションを行おうと思って居ること、ついでに王家の醜聞も白日の下に晒そうとしていること、なので時間がかかるからもう少し待ってほしいと言われた。

元はと言えばオオカミが狩ってきた獲物だし、自分なら捕まえられなかったから、欲を出してはいけないと思うし?お金は大事だけどさ。それにミゲルさんは真摯に向き合ってくれているので、待てない理由は無い。

待ちますよと伝えると、ほっとした顔をしていた。

王家の醜聞って何にかちょっと気になったので聞いてみたら、再オークションを行うだけでそれ自体だ醜聞になるということだった。いわば支払い能力が無かったという証明になってしまうからだと言う。

なるほどな、そりゃそうなるよね、同じ毛皮がそんなにすぐ出るわけないもんな、加護自体が珍しい物みたいだしね。特別に王家に恨みがあるわけでは無いけど、少しざまーみろと思った。最近の王族の良い噂聞かないもんな。税金も上がる一方だし。

私達の生活が困窮しているわけではないけど、税金が上げられたら良い気はしない。今までが他国と比べて安すぎたといことも聞いたことがあるけどね。

なんにせよ、今の王家はもしかしたらあまりよく無いのかもしれないなと言う考えがチラっとよぎった。
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