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第2章 

レオの後悔②

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ベッドの上で横たわるサラを見守り続け、私が持っていた解毒薬、そしてあらゆる状態異常から身を守る指輪を身につけさせ、一度は命を守ってくれるというハンカチも彼女に渡し、回復を祈り続けたが一向に良くならず、このままではらちがあかないため、人間の医者が居る私の屋敷に移動させると伝えた瞬間、サラと一緒に居た子が猛反発し始めた。

ーーーーーーーー

サラは何らかの毒によって倒れたこと
この村には解毒する手段がないこと
あれだけ激しく揺さぶり続けたら毒で倒れた人にはひとたまりもないこと
以上のことからここではサラを治療できないことを伝えた。

激しく口論になった時に、一瞬サラが目を覚ました。慌てて話しかけたが、すぐに意識を手放してしまったようだ。

一緒に居た種族が突然泣き始めた、自分のせいだと。自分が毒キノコを焼いて食べたその煙を彼女が吸ってしまったのだろうと。

この謎の種族は何を言ってるんだ?と思ったがその時はそれどころではなかったため、本宅に連れて帰って最高級の治療を受けるために、移動することにした。サラの身体の負担になると思ったがそれ以外は方法が無かったのだ。

謎の種族もついて来ようとしたが、それは絶対に許さなかった。私たちとあまりにも違う種族すぎて、解りあえないことが容易だから。私たちの常識が無さ過ぎる。共存は無理だろう。

村の水魔法使いに手伝ってもらい、サラがやっていたように空気のまくを展開させ、なんとか屋敷に移動させた。サラのようにうまくいかずに、全員息が出来ずに死にそうになったが念のため風魔法使いにもお願いしておいたので、みんなが生きるために必死になって、なんとか陸にたどり着いた。

謎の民族のおかげで王都に近い場所に出れた、この民族のことをもっと知りたがったが、今はその時ではない。無事サラを屋敷に連れていけたことに安堵と、早馬で知らせて医者を待機させていたので、すぐに見てもらうことにした。

謎の種族が毒キノコを燃やしてと言ってたがそんなことで毒の状態になるとは思えなかったが、念のためその毒キノコを1つだけ持ってきて医師に見せたが、このような毒キノコは見たことが無いと言う。

私は父親の伝手を使い、王宮の毒に詳しい人物にキノコの特徴を伝え、実際にこちらに来てもらい現物を見てもらったら、この毒キノコはミドクタケと言って、燃やしただけで半径5km程度の生物は殺せてしまうらしい。食べたらもちろん即死だという。

サラがなぜ毒に倒れたのか理由はわかった。

しかし

治療方法は無いと聞いて私は絶望した、これから起こりうる最悪の事態を私は受け入れることなどできない。誰でもいい、我が家の財力をすべて使い切ってでも、この毒からサラを治せるなら、私は何だってする。悪魔に魂を売ってもいい。

自然治癒することはあるのかと王宮からきた人物に問いただすと手立ては何もないと言われた。私はそこまで熱心な信者ではなかったが、この時ばかりは女神に祈った。なんでもするから、サラの毒が治ってまた彼女が自由に生きられるようにと。死ぬにはまだ早すぎる。

絶望に打ちひしがれたが、サラの為になることを考える。本来であれば秘匿とされている、転移魔法で彼女のご両親を呼び寄せ、少しでも声をかけてもらい、こちらの世界に呼び戻そうとした。

あらゆる手を尽くし、まじないでも占いでも、祈祷でも、何でも試した。

でも

サラは二度と目が覚めることは無かった。

夏の暑い日に、彼女は両親に見守られ旅立って行った。

毒で苦しむことなく、とても穏やかに。

眠るように。

私は何もかもどうでもよくなった。ご飯を食べるのも、息をするのも、彼女の居ない世界で自分がなぜ生きているのかすら、わからない。

なぜ女神はこんな残酷なことを私に・・・なぜ?酷すぎる、大事な愛する人を失うあの苦しみ、明日があると信じていた自分を許せない。嫌われてもいいから何がなんでもサラの側から離れるべきでは無かった。

自分に出来たことはもっとあったはず、だけど明日があると信じ切って、自分は何もしなかった、私もサラを殺したのと変わらない。

今私の世界は絶望で満ちている、悲しみが止まらない。なぜなのか、答えは見つからない、私も消えてなくなってしまいたい。

何度も何度も自分を責め、一度失われた命は手に戻ってこないことに絶望し、何でもするからサラを返して欲しい、サラとまた出会えるためならなんだってすると、女神さまに何度もお願いをしたが、その願いがかなえられることは無かった。

そして私も、気づけば暗闇の中に居た。なぜこうなったかははっきりと覚えてない、自分がその後どのように生きたのか、どのように過ごしていたのか、まったく覚えていない。

けど、この場所に来たことによって、また必ずサラに出会える気がした。きっと、間違いなく、また会えると。

根拠のない自信だが、私はそう確信した。

その時この部屋の中に

ぽん・・・ぽん・・・・・ポンポンポポポオポポンと音がしたと思ったら、一面花畑になった。目があるとすれば目が開けられないほどの光に包まれて、身体がぐぅーっと引っ張られるような感覚になり、光に導かれるままに・・・
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