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第2章 

ラーゴ村

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「ようこそラーゴ村へ」

「ラーゴ村」

「そしてあなた様が新しい人間ですね」

「新しい人間?」

「そうですよ、この世に安寧を与えてくれる選ばれし人のことです、サラ様」

私名前言ってませんけど。

「安寧?」

「加護を与えてくれる人間のことを言います」

「あぁ~?なるほど?」

「疑問に思われるの仕方ありませんが、これも定めです、受け入れれば楽になりますよ」

絶対に認めない!私はスローライフを目指しているんだ!

「スローライフは送れますよ、ハンカチに加護さえつけていれば、使い切れないほどのお金が手にはいりますから、刺繍の合間にちょこちょことお出かけすればよいのです」

この人なんでこんなに詳しいのかな?

「アウローラ様もこちらにいらしたことありますよ」

「えっそうなんですか?」

「はい、加護を付与できる人間が現れると必ずこの魔羊に連れてこられます」

ん?フローラ君は一体何者なんだ?昨日の今日でこの流れってなんだろう?刺繍しろってがみがみ言われてる気になってきた。なんかやだな?強制されるのは好きじゃないんだよねぇ。

それに安寧って、私じゃなくて騎士様とか国の防衛のために動いてくれる人は沢山居るし、加護を付与できるって、刺繍したものを渡して確認したわけじゃないのに、なんだろう?ものすごくもやもやする。気分は首に鎖をつけられた気分だ。

私が刺繍しないと言ったらどうなるんだろう?

「サラ様が刺繍を望まなければ、別の形でもいいんですよ、加護さえ付与していただければいいのです」

加護加護加護ってうるさくない?私自由に生きたいんですけど?昨日はハンカチにワンポイント入れればお金持ちになりそうだなって、うきうきしてたけど、ここまで加護だけを望まれると、私と言う存在は必要されてない、加護だけあればいいって言われてるよね?

「ならば子をおつくり下さい、種はこちらで用意いたしますので」

ん?????今種って言った?そうかーそうなのかー・・・逃げるか

「逃げることはお勧めしませんよ、サラ様の定められた運命です、諦めた方が楽ですよ」

この人さっきから思うに、私の意志なんて必要ないと言ってるんだな、だから私は気に入らないんんだ

「・・・・・・・・申し訳ございません、私は人の感情に疎いのです、良かれと思って説明しておりました」

勝手に人の心読んで返事してくるところ

「申し訳ございません・・・」

私だって少しは自分の人生を選んで進んでみたいこと

「決まってる運命に逆らうなんて私には考えられなくて」

そこだよ!考え方の違いは!私の人生には無限の選択肢があると思って居る。結婚だってそう、仕事もそう、何かを選択すること。

人生とは自分で岐路に立った時に選択できるところ、誰かに決められてあーしろこーしろ言われた人生を私は送りたくない。

自分の人生を選択できるなんて、最高の贅沢だ!前世では自分であまり選択できない人生を送っていた、だからこそ今の人生を大事にしている。

スローライフだって人それぞれ考え方は違う、緩く働きながらスローライフを送りたい人もいれば、ずーっと働かず本を読んだり、お庭を眺めながらのんびりする人生を選ぶ人もいる、スローライフにだって色々ある。

スローライフ送れるから良いでしょ?だから運命受け入れなさいと言われて受け入れられるか!自分で選択した人生だからこそ、波乱万丈でも面白いんだ。

隠れスキルがあると解った時に、めんどくさいから教会に伝えなくていいやとも思ったし、ばれた時にめんどくさそうだから素直に伝えに行った方がいいか?って正直迷った。

別に隠れてるわけだから、隠し続けてればよいだけで、上手に利用してお金儲けできないかな?と考えたりもした。

でもお日様の元を何も気にすることなく、歩きたいと思ったし追われる人生を送りたくないと思ったから、教会に隠れスキルのことを言いに行ったら、職が無くなった!

後悔はしてない、自分が選んだことだから、結果は残念だったけど。うそちょっぴり後悔した、言うんじゃなかったって。

もし誰かに隠れスキルのことがばれてしまい、その人が私のスキルのことを教会に伝えに行ってしまっていたら、どうなっていたか?

良くって拘束、悪くて死罪になってたかもしれない、それは前例を聞いたこと無いから想像でしかないんだけど。

自分で決めた人生なら納得はできるけど、他人に決められた人生なんてこれっぽっちも納得できない。だから私はこの人に対して怒ってるんだ。

運命を受け入れて加護してねと言われて、それしか道がないと言われて、逃げ道が無くなった気がして、とっても嫌なんだ。とても心が苦しくなってくる。

こんな所に連れてこられて、フローラは何を考えてるのかわからないけど、もう帰ろう、知らない。

「私帰りますね、フローラここがどこだか知らないけど、私は先にアウローラさんの元に帰るから」

「めぇぇぇぇぇぇ・・・・・」

「フローラはここで好きなだけ過ごしたらいいじゃない、私はここに1秒たりとも居たくない。帰るね」

私を呼び止める声が聞こえるが、そんなことは知ったことか!と歩みを進めていると。

ここはどこだろねぇ・・・?私アウローラさんの元に帰れるのかなぁ?そもそもここは湖の中なのか、それとも地上なのか?

それと私に向かって石投げてきたあの子!どの子かもさっぱりわからないけど!あんな勢いで石投げたらだめだよ!って注意したかったか!あんなの当たったら身体が木っ端みじんになってしまうわ!

ラーゴ村に戻るわけにもいかないし、仕方ないから歩き続けてみるか、どうにかなるさきっと、スライムも居るしね。

「スライムは帰る道わかる?」

少し考えてからふるふると揺れているスライム

知らないかー

「スライムにとってもここは初めての場所なの?」

うんうんとうなずくスライム。可愛いなもう名前つけちゃうか?

「スライムに名前つけようかなって思うんだけど、どお?つけられたい?つけられたくない?名前つけると絆強くなるよ、ただそれだけなんだけど、私はスライムのことを従属させようとは思って無いし、対等でありたいと思ってる、何で今かというと純粋に心細いからです!」

スライムはぴょこぴょこはねながら喜んでいる。

「じゃぁ名前つけるね、レアスライムなんだよね?」

うんうん うなずくスライム

「レアス」

赤く光るスライム

怒ってる・・・えっと真剣に名前考えるか。魔羊さんはフローラでしょ?おばあさんがアウローラで、スライムは

「スローラ」

赤く光るスライム

ダメか・・・

「ローラは?」

うーんって何となく考えてる。

普通こおゆうのってマスターが名付けたら考えることもなくわーい!って感じになるもんじゃないの?違うんです?なんで私がテイムした子はみんなこだわり強いの?ハトにも名前つけたかったなぁーって思っていたら。突如スライムが

”ラロ”

という文字を見せてきた。

「ラロって名前が良いの?」

ぴょこぴょこはねて喜んでる

「スライムあなたの名前はラロ、これからよろしくね!」

ラロは素敵な名前思いつくなーと思う反面、帰り道どこかなーって
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