7 / 29
捜索
捜索 1
しおりを挟む
早朝。
朝の6時起床入浴。
曇りの空の下で、昨夜の電話からアンジェたちは戦闘モードを、実に2年ぶりにしていた。ヨハは後で修理したほうがいいかもしれないが、アンジェたちのような正常な頭部は今現在はどこも製造されていない。
僕はゆっくりとシーザークロワッサンと玉子とウインナコーヒーで朝食を摂った。
気持ちの上下が僕にはない。
いつもの日課のテレビをつけようとしたが、手が滑って間違えて云話事町TVのチャンネルのボタンを押してしまった。
「おっはよーッス!! 云・話・事・町!! TV―――!!」
「はいっ、藤元 信二です!!」
美人のアナウンサーがピンクのマイク片手に、曇り空の下でA区の街並みを背景に話し出した。隣の藤元は呑気に空を眺めたりしていた。
「今日は大変おめでたいお話です。2年前の日本全土をひっくり返した野球の試合で、大活躍をした流谷 正章さん(男)がお子様を産みましたーーー!! お子様誕生でーーーーす!! おめでとうございますー!」
青緑荘というアパートの正面にあるコンビニで、カメラ目線の流谷は照れ隠しに顔を一度、伏せた。
「本当―――に、おめでとうございます。どうですか、今のお気持ちは?」
「……大変、嬉しいです……。妻の梨々花(りりか)も顔が奈々川さんに似ていて、とても嬉しかったです」
美人のアナウンサーはピンクのマイクで、容赦なく流谷の口の周りを攻めている。藤元は時々、カメラに向かってピースをしたりしていた。
「そうですか。前奈々川首相(晴美の父親)に?」
「ええ。はい。そうですね」
流谷は顔を真っ赤にして、恥ずかしいといわんばかりに顔を伏せた。
妻であろう梨々花という美しい女性が、後ろで赤ん坊をベビーカーに乗せて笑っていた。ういういしい新婚夫婦である?
「では、それでは今日の天気と運勢コーナーです――」
「はい。お天気は時々、細かいものなどをなくさないようにとでました。今日の運勢は……晴れですね」
「それでは、いってらっしゃいー。って、お天気と運勢が逆だろ! コラ!!」
僕はテレビのチャンネルを変えて、珍しく二杯目のウインナコーヒーとピザトーストと、ハンバーガーをアンジェに頼んだ。
食後。テレビを消すと、僕は駐車場に降りようと玄関口からマルカを護衛に連れ、エレベーターに向かったが、途中、武装したヨハがついてきた。
「私~も連れてって~、ダ~メ~~ですか~」
僕はこっくりと頷いて、武器と弾薬を持ったマルカだけを車の助手席に乗せていった。
まずは原田の居場所を探さないといけない。
昨夜から九尾の狐の情報をアンジェたちに探させているが、相手がわるいのか日本の全警察署のデータを調べても、名前しかでてこかなかった……。
云話事町で一番、裏の世界を知っていると言われる人物に会いに、僕は車を走らせた。その間。会社にはアンジェが連絡をしていた。
今頃は全部の仕事を押し付けた河守が大変だろうが、まあいいか。
後、僕は10年ぶりに拳銃を所持した。
旧ソビエト軍の正式拳銃マカロフだ。
昔はよくハト撃ちで遊んでいたけれど、治安が良くなるとボディガードやアンジェたちだけで身辺警護は十分になっていたので、使わなくなった。
「雷蔵様。ヨハが心配していましたよ」
「……」
僕は涼しい顔で車を走行して云話事ベットタウンへと向かった。国道6号線と高速道路を乗り換えていけばいい。その人物は云話事ベットタウンから更に東でA区よりの。云話事イーストタウンにいるという。
そこで、坂本の所在を突き止めて、原田と共にスリー・C・バックアップのデータを奪う。至極簡単だ。金は渡さない。
朝の6時起床入浴。
曇りの空の下で、昨夜の電話からアンジェたちは戦闘モードを、実に2年ぶりにしていた。ヨハは後で修理したほうがいいかもしれないが、アンジェたちのような正常な頭部は今現在はどこも製造されていない。
僕はゆっくりとシーザークロワッサンと玉子とウインナコーヒーで朝食を摂った。
気持ちの上下が僕にはない。
いつもの日課のテレビをつけようとしたが、手が滑って間違えて云話事町TVのチャンネルのボタンを押してしまった。
「おっはよーッス!! 云・話・事・町!! TV―――!!」
「はいっ、藤元 信二です!!」
美人のアナウンサーがピンクのマイク片手に、曇り空の下でA区の街並みを背景に話し出した。隣の藤元は呑気に空を眺めたりしていた。
「今日は大変おめでたいお話です。2年前の日本全土をひっくり返した野球の試合で、大活躍をした流谷 正章さん(男)がお子様を産みましたーーー!! お子様誕生でーーーーす!! おめでとうございますー!」
青緑荘というアパートの正面にあるコンビニで、カメラ目線の流谷は照れ隠しに顔を一度、伏せた。
「本当―――に、おめでとうございます。どうですか、今のお気持ちは?」
「……大変、嬉しいです……。妻の梨々花(りりか)も顔が奈々川さんに似ていて、とても嬉しかったです」
美人のアナウンサーはピンクのマイクで、容赦なく流谷の口の周りを攻めている。藤元は時々、カメラに向かってピースをしたりしていた。
「そうですか。前奈々川首相(晴美の父親)に?」
「ええ。はい。そうですね」
流谷は顔を真っ赤にして、恥ずかしいといわんばかりに顔を伏せた。
妻であろう梨々花という美しい女性が、後ろで赤ん坊をベビーカーに乗せて笑っていた。ういういしい新婚夫婦である?
「では、それでは今日の天気と運勢コーナーです――」
「はい。お天気は時々、細かいものなどをなくさないようにとでました。今日の運勢は……晴れですね」
「それでは、いってらっしゃいー。って、お天気と運勢が逆だろ! コラ!!」
僕はテレビのチャンネルを変えて、珍しく二杯目のウインナコーヒーとピザトーストと、ハンバーガーをアンジェに頼んだ。
食後。テレビを消すと、僕は駐車場に降りようと玄関口からマルカを護衛に連れ、エレベーターに向かったが、途中、武装したヨハがついてきた。
「私~も連れてって~、ダ~メ~~ですか~」
僕はこっくりと頷いて、武器と弾薬を持ったマルカだけを車の助手席に乗せていった。
まずは原田の居場所を探さないといけない。
昨夜から九尾の狐の情報をアンジェたちに探させているが、相手がわるいのか日本の全警察署のデータを調べても、名前しかでてこかなかった……。
云話事町で一番、裏の世界を知っていると言われる人物に会いに、僕は車を走らせた。その間。会社にはアンジェが連絡をしていた。
今頃は全部の仕事を押し付けた河守が大変だろうが、まあいいか。
後、僕は10年ぶりに拳銃を所持した。
旧ソビエト軍の正式拳銃マカロフだ。
昔はよくハト撃ちで遊んでいたけれど、治安が良くなるとボディガードやアンジェたちだけで身辺警護は十分になっていたので、使わなくなった。
「雷蔵様。ヨハが心配していましたよ」
「……」
僕は涼しい顔で車を走行して云話事ベットタウンへと向かった。国道6号線と高速道路を乗り換えていけばいい。その人物は云話事ベットタウンから更に東でA区よりの。云話事イーストタウンにいるという。
そこで、坂本の所在を突き止めて、原田と共にスリー・C・バックアップのデータを奪う。至極簡単だ。金は渡さない。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説

ご近所STORY ハイブラウシティ【改訂版】
主道 学
恋愛
時は西暦2045年。
日本は少子超高齢化によって経済的に衰退していた。ノウハウというアンドロイドの量産化。仕事がなくなる。そんな世界で。夜鶴 公はど田舎A区と裕福B区の貧富の差の板挟みにあっていた。
とことんツイてなく。B区からA区へ追放され、近所にいた総理大臣の娘と出会い。板挟みに挟まりながらの命掛けの恋愛に踏み切る。
これは、そんなお話。
やがて、二人は国を左右するハイブラウシティという出来事へと巻き込まれていった。



アルバートの屈辱
プラネットプラント
恋愛
妻の姉に恋をして妻を蔑ろにするアルバートとそんな夫を愛するのを諦めてしまった妻の話。
『詰んでる不憫系悪役令嬢はチャラ男騎士として生活しています』の10年ほど前の話ですが、ほぼ無関係なので単体で読めます。
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。


淫らな蜜に狂わされ
歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。
全体的に性的表現・性行為あり。
他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。
全3話完結済みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる