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西方のガルナルナ国 その二
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「ふふふふふふふ。鬼窪くん。あなたはここで終わりよ! さっき本当に怖かったんだからね! ここで鬼窪くんさえ、死ねば。この国は私のものになる!! さあ、アリテア王よ! 鬼窪くんを倒すのよ!」
「……」
アリテア王が一瞬。通小町の方へ顔を向けた。さすがに……怒っているんだろうなあ……。
アリテア王は兜を付けているが、兜と鎧の隙間があった。
「見えたーーーー! 隙ありーーー!」
俺は急いで跳躍すると、およそ自分の出せる最大のスピードで、アリテア王に飛び込み。兜と鎧の隙間の首筋目掛けて神聖剣で突きを放った。
サクっという鮮やかな音がして、アリテア王の首から信じられないほどの血が噴き出た。
「ぐっ!」
「アリテア王! 今すぐ治します! うりゃ!」
通小町が慌てて片手を向けて回復魔法をアリテア王へ放つ。
俺はこの戦いで大事なのはスピードだと考えるに至った。
通小町の回復魔法の光がアリテア王を包み込む前に、玉座で立っている通小町の背後へ回り込んだ。
「もう、寝ろ!」
俺は通小町の後頭部を神聖剣の柄で思い切り小突いてやった。
通小町は片手を挙げたまま昏倒する。
「勝負あったな……」
「ま、またもや天晴!」
アリテア王はその場で崩れ落ちた。
…………
「うん?? 外が騒がしいな?」
俺はステンドグラスの窓から外を見てみると……大量破壊兵器でも放り込んだかのような大破壊がガルナルナ国の至る所の軍事施設らしいところで起こっていた。
大量の煙を巻き上げ。物々しい大砲は全て吹っ飛び。堅牢な建造物は跡形もなくなり。陣形を組んでいた大勢の騎士たちも退却している。
上を向くと、マルガリータがヒッツガル師匠を乗せて空を飛び回っている。火炎弾やブレンド・ファイアが軍事施設だけをピンポイントで火の海にしていた。
「うへええ……」
「もはや、降伏する道しか残っていないな……。鬼窪よ。我々、ガルナルナ国は全面降伏しよう……」
後ろを振り向くと、アリテア王がピンピンとしていて、金の鎧を脱いでいるところだった。その傍でもう気を取り戻したのか、通小町がこちらを睨んでいた……。
ここ王の間のステンドグラスの天窓から、マルガリータを乗せた大きな箒がヒュンと降りて来た。マルガリータの後ろには、ヒッツガル師匠も乗っている。
「鬼窪くん。こっちは全部片付いたわよ」
「ああ。鬼窪くん。今回は魔方向音痴の私もスッキリだったよ。狙い通りに魔法が使えるっていうのは気持ちのいいことだね。いつもこうだといいんだがねえ」
「お師匠……私がお師匠の魔法の狙い(右腕)を定めてあげただけなんだけど……」
「マルガリータにヒッツガル師匠。こっちも終わったよ」
俺はガルナルナ国の国王アリテア王を前で、マルガリータたちに笑顔を向けた。
一時はどうなるかと思って焦ったが。なんとかなったなー。
この戦争。
俺たちの勝ちだ。
「そういえば、ブルードラゴンは?」
「スッキリしたのかしらねえ? もう帰り支度しているわよ。あのブルードラゴンは」
「そうか……」
「それより鬼窪くん。その後ろでナイフを隠し持っている可愛らしい聖女様は誰? すっごい魔力を秘めているのも。ここから丸見えよ」
マルガリータは通小町の方を見て警戒しながら驚いていた。聖女の恰好をした通小町はきっとここへ来てから、かなりの修行や勉強をしたのだろう。学校では秀才で負けず嫌いな性格だったからなあ。悪く言えば上に立つものに激しい嫉妬心を燃やす性格だったような。良く言えば努力家なのだろうけどな。
「ああ……ふん!」
「ふふふふふふふ……ヒッ!」
俺が神聖剣を構えて素早く振り返ると、通小町の背に隠しているナイフを斬り飛ばした。ナイフは空中で真っ二つになった。
「捕虜にする」
「ヒ―――!! ……うん?? 捕虜??」
顔を引きつらせて震える通小町がピタリと止まった。俺は神聖剣を鞘に納めて、通小町の首根っこを掴んだ。
「……」
アリテア王が一瞬。通小町の方へ顔を向けた。さすがに……怒っているんだろうなあ……。
アリテア王は兜を付けているが、兜と鎧の隙間があった。
「見えたーーーー! 隙ありーーー!」
俺は急いで跳躍すると、およそ自分の出せる最大のスピードで、アリテア王に飛び込み。兜と鎧の隙間の首筋目掛けて神聖剣で突きを放った。
サクっという鮮やかな音がして、アリテア王の首から信じられないほどの血が噴き出た。
「ぐっ!」
「アリテア王! 今すぐ治します! うりゃ!」
通小町が慌てて片手を向けて回復魔法をアリテア王へ放つ。
俺はこの戦いで大事なのはスピードだと考えるに至った。
通小町の回復魔法の光がアリテア王を包み込む前に、玉座で立っている通小町の背後へ回り込んだ。
「もう、寝ろ!」
俺は通小町の後頭部を神聖剣の柄で思い切り小突いてやった。
通小町は片手を挙げたまま昏倒する。
「勝負あったな……」
「ま、またもや天晴!」
アリテア王はその場で崩れ落ちた。
…………
「うん?? 外が騒がしいな?」
俺はステンドグラスの窓から外を見てみると……大量破壊兵器でも放り込んだかのような大破壊がガルナルナ国の至る所の軍事施設らしいところで起こっていた。
大量の煙を巻き上げ。物々しい大砲は全て吹っ飛び。堅牢な建造物は跡形もなくなり。陣形を組んでいた大勢の騎士たちも退却している。
上を向くと、マルガリータがヒッツガル師匠を乗せて空を飛び回っている。火炎弾やブレンド・ファイアが軍事施設だけをピンポイントで火の海にしていた。
「うへええ……」
「もはや、降伏する道しか残っていないな……。鬼窪よ。我々、ガルナルナ国は全面降伏しよう……」
後ろを振り向くと、アリテア王がピンピンとしていて、金の鎧を脱いでいるところだった。その傍でもう気を取り戻したのか、通小町がこちらを睨んでいた……。
ここ王の間のステンドグラスの天窓から、マルガリータを乗せた大きな箒がヒュンと降りて来た。マルガリータの後ろには、ヒッツガル師匠も乗っている。
「鬼窪くん。こっちは全部片付いたわよ」
「ああ。鬼窪くん。今回は魔方向音痴の私もスッキリだったよ。狙い通りに魔法が使えるっていうのは気持ちのいいことだね。いつもこうだといいんだがねえ」
「お師匠……私がお師匠の魔法の狙い(右腕)を定めてあげただけなんだけど……」
「マルガリータにヒッツガル師匠。こっちも終わったよ」
俺はガルナルナ国の国王アリテア王を前で、マルガリータたちに笑顔を向けた。
一時はどうなるかと思って焦ったが。なんとかなったなー。
この戦争。
俺たちの勝ちだ。
「そういえば、ブルードラゴンは?」
「スッキリしたのかしらねえ? もう帰り支度しているわよ。あのブルードラゴンは」
「そうか……」
「それより鬼窪くん。その後ろでナイフを隠し持っている可愛らしい聖女様は誰? すっごい魔力を秘めているのも。ここから丸見えよ」
マルガリータは通小町の方を見て警戒しながら驚いていた。聖女の恰好をした通小町はきっとここへ来てから、かなりの修行や勉強をしたのだろう。学校では秀才で負けず嫌いな性格だったからなあ。悪く言えば上に立つものに激しい嫉妬心を燃やす性格だったような。良く言えば努力家なのだろうけどな。
「ああ……ふん!」
「ふふふふふふふ……ヒッ!」
俺が神聖剣を構えて素早く振り返ると、通小町の背に隠しているナイフを斬り飛ばした。ナイフは空中で真っ二つになった。
「捕虜にする」
「ヒ―――!! ……うん?? 捕虜??」
顔を引きつらせて震える通小町がピタリと止まった。俺は神聖剣を鞘に納めて、通小町の首根っこを掴んだ。
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