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西方のガルナルナ国
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急に幾つもの戦車の大筒がこちらに向かって火を吹いた。
高速の砲弾が飛んでくる。
ヤ……ヤバいぞ!!
「ブルードラゴン! 避けろーー! 緊急回避だーーー!」
「あ!!」
「あ、ソーニャーー!!」
俺の叫びも虚しく。ブルードラゴンの胸に砲弾が次々と当たっていく。爆発の衝撃でソーニャがドラゴンの背から落ちてしまった!!
白い鎧が太陽の光を反射しながら遥か地上へと落下していく。
だが、更に悪いことにはブルードラゴンが怒りだして、ガルナルナ国の正規軍向かってドラゴンブレスというのを口から吐き出した。
凄まじい青い炎だった。
遠い西の草原がガルナルナ国の正規軍と共に一瞬でただの焼け野原となった。
俺はソーニャを追って、遥か地上へと落下した。俺の身体は急速にブルードラゴンの体から離れていった。
気づけば、地上へ落下しているソーニャまで俺は無我夢中でジタバタしていた。
だけど、白い鎧を着たソーニャの方が重いのか、なかなかソーニャの身体まで近づけなかった。落下中の風の切るような音で耳が痛い。
それでも俺は必死に目を開けて、ソーニャの身体を追った。
ソーニャと俺の身体が地上に激突までもう目を開けてられない……もうダメだ……と思ったその時。
フワフワと大きな箒が俺の目の前を通った。
俺は驚いて、箒を必死に空中で掴んだ。そのまま落ちていくソーニャのところまで大きな箒は飛んでいく。
「大丈夫? 鬼窪くん!!」
大きな箒に跨っていたのは、他でもないマルガリータだった。
「じゃ、王女を空中で助けに行くわよ!! 鬼窪くん!! そのまま掴まっていてね!! 特に空中ではチャンスは一切無駄にできないものなの!」
「わかったーーー!! 任せろーーーー!!」
マルガリータはソーニャを助けに下方へと高速にすっ飛んだ。辺りの景色は空一色だ。ジョジョにソーニャの身体と地上の草木が俺の視界に近づいてきた。
このままだと俺たちもソーニャも地面に激突してしまう!
でも、今は考えてられない! マルガリータは「急げ!」と箒に命令した。風圧がかなり凄いが、大きな箒は落下するソーニャのところまで一直線に猛スピードで空を切る。
全員地面に激突する寸前。
俺は空中でソーニャの右腕を見事キャッチした。
「あっははは! 鬼窪くん! ナイスねーー!」
どうやら、ソーニャは気を失っているみたいだった。
マルガリータの箒が無事地上へと着地すると、俺はソーニャの身体を荒れ果てた地へとそっと寝かした。マルガリータも箒から降りる。
「どう? 鬼窪くん。王女は無事?」
「良かった。たぶん無事だと思う」
その証拠に、ソーニャは目を閉じているが微かに息をしていた。
「ふぅ―――、間一髪だったわね。それより水の神殿にいるブルードラゴンはどこにいるの?」
「あれ? その辺の空にいないか? 迷子かな?」
その時、激しい燃え盛る音が轟いた。西の方を見ると、激怒したブルードラゴンがガルナルナ国の正規軍の残存兵たちと激しい戦闘をしていた。
「ありゃ、相当キレてるな……」
「そうね……」
高速の砲弾が飛んでくる。
ヤ……ヤバいぞ!!
「ブルードラゴン! 避けろーー! 緊急回避だーーー!」
「あ!!」
「あ、ソーニャーー!!」
俺の叫びも虚しく。ブルードラゴンの胸に砲弾が次々と当たっていく。爆発の衝撃でソーニャがドラゴンの背から落ちてしまった!!
白い鎧が太陽の光を反射しながら遥か地上へと落下していく。
だが、更に悪いことにはブルードラゴンが怒りだして、ガルナルナ国の正規軍向かってドラゴンブレスというのを口から吐き出した。
凄まじい青い炎だった。
遠い西の草原がガルナルナ国の正規軍と共に一瞬でただの焼け野原となった。
俺はソーニャを追って、遥か地上へと落下した。俺の身体は急速にブルードラゴンの体から離れていった。
気づけば、地上へ落下しているソーニャまで俺は無我夢中でジタバタしていた。
だけど、白い鎧を着たソーニャの方が重いのか、なかなかソーニャの身体まで近づけなかった。落下中の風の切るような音で耳が痛い。
それでも俺は必死に目を開けて、ソーニャの身体を追った。
ソーニャと俺の身体が地上に激突までもう目を開けてられない……もうダメだ……と思ったその時。
フワフワと大きな箒が俺の目の前を通った。
俺は驚いて、箒を必死に空中で掴んだ。そのまま落ちていくソーニャのところまで大きな箒は飛んでいく。
「大丈夫? 鬼窪くん!!」
大きな箒に跨っていたのは、他でもないマルガリータだった。
「じゃ、王女を空中で助けに行くわよ!! 鬼窪くん!! そのまま掴まっていてね!! 特に空中ではチャンスは一切無駄にできないものなの!」
「わかったーーー!! 任せろーーーー!!」
マルガリータはソーニャを助けに下方へと高速にすっ飛んだ。辺りの景色は空一色だ。ジョジョにソーニャの身体と地上の草木が俺の視界に近づいてきた。
このままだと俺たちもソーニャも地面に激突してしまう!
でも、今は考えてられない! マルガリータは「急げ!」と箒に命令した。風圧がかなり凄いが、大きな箒は落下するソーニャのところまで一直線に猛スピードで空を切る。
全員地面に激突する寸前。
俺は空中でソーニャの右腕を見事キャッチした。
「あっははは! 鬼窪くん! ナイスねーー!」
どうやら、ソーニャは気を失っているみたいだった。
マルガリータの箒が無事地上へと着地すると、俺はソーニャの身体を荒れ果てた地へとそっと寝かした。マルガリータも箒から降りる。
「どう? 鬼窪くん。王女は無事?」
「良かった。たぶん無事だと思う」
その証拠に、ソーニャは目を閉じているが微かに息をしていた。
「ふぅ―――、間一髪だったわね。それより水の神殿にいるブルードラゴンはどこにいるの?」
「あれ? その辺の空にいないか? 迷子かな?」
その時、激しい燃え盛る音が轟いた。西の方を見ると、激怒したブルードラゴンがガルナルナ国の正規軍の残存兵たちと激しい戦闘をしていた。
「ありゃ、相当キレてるな……」
「そうね……」
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