20 / 30
影の王国へ行こう
ここは……?
しおりを挟む
「これから学校かい?」
「ほい! おにいちゃん。ということで、急いで学校行こう!」
「……」
かくして、書統学校まで俺たちは走っていた。
朝日に照らされた校門まで林道の登り坂を走っていると、公平が俺たちと同じく校門目指して突っ走っている。うぎっ! 公平の奴! 不良に戻ってる!
昔風のツッパリカットの公平は唾を吐きながら走っていた。
うん!
あ、あそこに見えるのは!!
真っ白な陶器のような。それでいて真珠のような透き通る肌の持ち主……そして、黒の長髪のなんとおしとやかな! 俺の大好きな恵さんだ!!
ラッキーーー!!
「ほにいちゃん? ここって、多分……影の世界じゃないよね」
「……今頃、気が付いたか我が妹よ……」
恵さんと公平が校門を通って行った。
俺は少し立ち止まって書統高校の後ろ側を覗いた。
無い!
心影山が!
やっぱりここは表の世界だ!!
教室に入ると、みんな元に戻っていた。
学校の先生も授業も全部いつも通りに時は過ぎていく。
放課後になると。
「ふぁーーーー」
大欠伸をしている俺は、今日は恵さんと公平と一緒に掃除当番だった。
うん。今日も平和だ。
「影洋くん。聞いた? 昨日からこの学校の裏にあった山が忽然と消えたって……」
「うぎっ! それ本当ですか? 恵さん!? 裏にあった山って心影山?」
「うん……それにいつも夜だったのに、いきなり朝が来て……」
「???」
「今朝起きたら住んでいた屋敷がかなりこじんまりとしていて、黒かった肌も普通の色白になってて……私もびっくりしているけど、みんな不思議がっているわよ」
「ああ、俺もそうなんだ。朝起きたらこんな髪型になっててよお」
なんて、不吉な!
ここは一体……?
単に影の世界から表の世界になっただけかーーー!
でも、恵さんと公平……話し方が変?
というか、元に戻ってるぞ!?
もしかして、性格は元に戻ってる?
「なんか体の調子はいいんだがなあ。朝から誰かを殴ってスッキリしたくて仕方がないぜえ。まったく混乱するよなあ」
「私は朝から裁縫をしてくて仕方なかったわ」
うーん。
こっちまで混乱してくる。
たぶん、影が表の世界の住人になってきているんだろう。
うん。そういうことにしよう。
「ほい! おにいちゃん。ということで、急いで学校行こう!」
「……」
かくして、書統学校まで俺たちは走っていた。
朝日に照らされた校門まで林道の登り坂を走っていると、公平が俺たちと同じく校門目指して突っ走っている。うぎっ! 公平の奴! 不良に戻ってる!
昔風のツッパリカットの公平は唾を吐きながら走っていた。
うん!
あ、あそこに見えるのは!!
真っ白な陶器のような。それでいて真珠のような透き通る肌の持ち主……そして、黒の長髪のなんとおしとやかな! 俺の大好きな恵さんだ!!
ラッキーーー!!
「ほにいちゃん? ここって、多分……影の世界じゃないよね」
「……今頃、気が付いたか我が妹よ……」
恵さんと公平が校門を通って行った。
俺は少し立ち止まって書統高校の後ろ側を覗いた。
無い!
心影山が!
やっぱりここは表の世界だ!!
教室に入ると、みんな元に戻っていた。
学校の先生も授業も全部いつも通りに時は過ぎていく。
放課後になると。
「ふぁーーーー」
大欠伸をしている俺は、今日は恵さんと公平と一緒に掃除当番だった。
うん。今日も平和だ。
「影洋くん。聞いた? 昨日からこの学校の裏にあった山が忽然と消えたって……」
「うぎっ! それ本当ですか? 恵さん!? 裏にあった山って心影山?」
「うん……それにいつも夜だったのに、いきなり朝が来て……」
「???」
「今朝起きたら住んでいた屋敷がかなりこじんまりとしていて、黒かった肌も普通の色白になってて……私もびっくりしているけど、みんな不思議がっているわよ」
「ああ、俺もそうなんだ。朝起きたらこんな髪型になっててよお」
なんて、不吉な!
ここは一体……?
単に影の世界から表の世界になっただけかーーー!
でも、恵さんと公平……話し方が変?
というか、元に戻ってるぞ!?
もしかして、性格は元に戻ってる?
「なんか体の調子はいいんだがなあ。朝から誰かを殴ってスッキリしたくて仕方がないぜえ。まったく混乱するよなあ」
「私は朝から裁縫をしてくて仕方なかったわ」
うーん。
こっちまで混乱してくる。
たぶん、影が表の世界の住人になってきているんだろう。
うん。そういうことにしよう。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
赤い部屋
山根利広
ホラー
YouTubeの動画広告の中に、「決してスキップしてはいけない」広告があるという。
真っ赤な背景に「あなたは好きですか?」と書かれたその広告をスキップすると、死ぬと言われている。
東京都内のある高校でも、「赤い部屋」の噂がひとり歩きしていた。
そんな中、2年生の天根凛花は「赤い部屋」の内容が自分のみた夢の内容そっくりであることに気づく。
が、クラスメイトの黒河内莉子は、噂話を一蹴し、誰かの作り話だと言う。
だが、「呪い」は実在した。
「赤い部屋」の手によって残酷な死に方をする犠牲者が、続々現れる。
凛花と莉子は、死の連鎖に歯止めをかけるため、「解決策」を見出そうとする。
そんな中、凛花のスマートフォンにも「あなたは好きですか?」という広告が表示されてしまう。
「赤い部屋」から逃れる方法はあるのか?
誰がこの「呪い」を生み出したのか?
そして彼らはなぜ、呪われたのか?
徐々に明かされる「赤い部屋」の真相。
その先にふたりが見たものは——。
すべて実話
さつきのいろどり
ホラー
タイトル通り全て実話のホラー体験です。
友人から聞いたものや著者本人の実体験を書かせていただきます。
長編として登録していますが、短編をいつくか載せていこうと思っていますので、追加配信しましたら覗きに来て下さいね^^*

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
終焉の教室
シロタカズキ
ホラー
30人の高校生が突如として閉じ込められた教室。
そこに響く無機質なアナウンス――「生き残りをかけたデスゲームを開始します」。
提示された“課題”をクリアしなければ、容赦なく“退場”となる。
最初の課題は「クラスメイトの中から裏切り者を見つけ出せ」。
しかし、誰もが疑心暗鬼に陥る中、タイムリミットが突如として加速。
そして、一人目の犠牲者が決まった――。
果たして、このデスゲームの真の目的は?
誰が裏切り者で、誰が生き残るのか?
友情と疑念、策略と裏切りが交錯する極限の心理戦が今、幕を開ける。
【⁉】意味がわかると怖い話【解説あり】
絢郷水沙
ホラー
普通に読めばそうでもないけど、よく考えてみたらゾクッとする、そんな怖い話です。基本1ページ完結。
下にスクロールするとヒントと解説があります。何が怖いのか、ぜひ推理しながら読み進めてみてください。
※全話オリジナル作品です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる