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影の王国へ行こう
俺の影の野望??
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――――
フカフカ、チュンチュン
フカフカ、チュン
「おにいちゃーーん!」
「影洋くん! 起きてーーー!!」
「うがっ! むにゃーーー!!」
ステンドグラスの窓からの雀のさえずりとともに……。
特大の枕が二つ飛んできた。
見事に俺の顔面にジャストミート!
俺は顔を抑えて飛び起きた。
ふぅ……。
いつもは俺は早起きしてたんだがな?
これも影の世界が逆になっているからか?
光と杉崎と階下へ降りると、公平とおじいちゃんとおばあちゃんはすでに豪奢な細長いテーブルに座っていた。
今朝の朝食は珍しく日本の海鮮料理だった。おじさんはいつものクリュグをぐびぐびと飲んでいる。
海鮮焼きに、伊勢海老にアワビ、イクラに、タラバガニ、アクアパッツァなどだ。
俺は食事中、みんなの(おじさんとかは抜いて)背後の下を見た。影は全員、強者だった。やった! これで仲間というのができたのかも知れない。
恵さんは剣道家。
公平は空手家。
そして、杉崎はレスラー。
多分……。
俺の感がそう言っているんだ。
正しい!
「よし! これで影の王国へ行けるぜ!」
あ、でも……。
どうやったら恵さんたちの影に協力してもらえるんだ!?
あ! そうだった!
こんな時にはー、女神様に聞けばいいんだ!!
みんなを驚かせたくないので、(特に杉崎は……)俺は屋敷の外へ出た。
噴水のある場所まで歩いて行くと、早速女神様を呼んだ。
と、瞬間。
恵さんの屋敷全体と広大な庭が眩しい光で照らされた。
きっと、ステンドグラスの窓からこの光は屋敷内全体を照射しているので、恵さんたちも気が付いてしまったはずだ。
意味がない!!
女神様が目の前に現れた。
なんだか身体が薄くなっているように見えた……。
「影洋……。もう仲間を集めたのですね。仲間の影はもう出させました。これで影の王国ではあなたの味方になってくれるでしょう。さあ、早く影の王国へ行ってください! もう始まっているのです……が……今……集結して……」
「……女神様?」
「ぶー、おにいちゃん。女神様どうしたんだろ?」
「うぎっ! 妹よ! いつの間に俺の背後に!?」
「そんなことよりも、おにいちゃん。早く影の王国へ行かないといけないんじゃ。女神様のこともあるし」
妹よ、それは俺のセリフなんだが……。
そういえば、おじいちゃんとおばあちゃんにも話を聞いてみようかな。
再び屋敷へ戻ると、みんな驚いていた。
「影洋……。お前……」
「影洋くん……」
「影洋くん。って、さあ……」
公平たちが目を逸らしながら一言だけいった。
「禿げだったの??」
……
「ほひっ? そうだったの? おにいちゃん!?」
「うぎっ!! そんなわけあるかーーー!!」
恵さんたちの影が徐々に俺にまとまりついて来た。
そのまま屋敷の外へと妹と恵さんたちの影を連れて出る。
恵さんたちの影は、俺の背中に張り付て消えていた。
真っ暗で広大な芝生を通り抜けると、近所の黒い家に向かった。
所々から満開な桜が顔を出している道路を歩いていると、妹の光が不安をポツリと零した。
「ほにいちゃん……。影はなんで王国なんて作ったんだろう?」
「あん? そりゃ、俺になりたかったからだろ」
「ぶー、違うよ。おにいちゃん……それならわざわざ……王国まで作らなくてもいいじゃない」
「うん?」
確かに我が妹の言う通りだった。
うーん……あ!
影は……ひょっとして、影の王国のお・う・さ・ま……。
になりたかったんじゃ?
うぎっ!
そういえば、俺は普通の学生……いや、ちょい変わった学生だが平凡で普通だ。だからか、影は平凡な学生じゃないことを考えているんだ。
でも、なんだろうな?
フカフカ、チュンチュン
フカフカ、チュン
「おにいちゃーーん!」
「影洋くん! 起きてーーー!!」
「うがっ! むにゃーーー!!」
ステンドグラスの窓からの雀のさえずりとともに……。
特大の枕が二つ飛んできた。
見事に俺の顔面にジャストミート!
俺は顔を抑えて飛び起きた。
ふぅ……。
いつもは俺は早起きしてたんだがな?
これも影の世界が逆になっているからか?
光と杉崎と階下へ降りると、公平とおじいちゃんとおばあちゃんはすでに豪奢な細長いテーブルに座っていた。
今朝の朝食は珍しく日本の海鮮料理だった。おじさんはいつものクリュグをぐびぐびと飲んでいる。
海鮮焼きに、伊勢海老にアワビ、イクラに、タラバガニ、アクアパッツァなどだ。
俺は食事中、みんなの(おじさんとかは抜いて)背後の下を見た。影は全員、強者だった。やった! これで仲間というのができたのかも知れない。
恵さんは剣道家。
公平は空手家。
そして、杉崎はレスラー。
多分……。
俺の感がそう言っているんだ。
正しい!
「よし! これで影の王国へ行けるぜ!」
あ、でも……。
どうやったら恵さんたちの影に協力してもらえるんだ!?
あ! そうだった!
こんな時にはー、女神様に聞けばいいんだ!!
みんなを驚かせたくないので、(特に杉崎は……)俺は屋敷の外へ出た。
噴水のある場所まで歩いて行くと、早速女神様を呼んだ。
と、瞬間。
恵さんの屋敷全体と広大な庭が眩しい光で照らされた。
きっと、ステンドグラスの窓からこの光は屋敷内全体を照射しているので、恵さんたちも気が付いてしまったはずだ。
意味がない!!
女神様が目の前に現れた。
なんだか身体が薄くなっているように見えた……。
「影洋……。もう仲間を集めたのですね。仲間の影はもう出させました。これで影の王国ではあなたの味方になってくれるでしょう。さあ、早く影の王国へ行ってください! もう始まっているのです……が……今……集結して……」
「……女神様?」
「ぶー、おにいちゃん。女神様どうしたんだろ?」
「うぎっ! 妹よ! いつの間に俺の背後に!?」
「そんなことよりも、おにいちゃん。早く影の王国へ行かないといけないんじゃ。女神様のこともあるし」
妹よ、それは俺のセリフなんだが……。
そういえば、おじいちゃんとおばあちゃんにも話を聞いてみようかな。
再び屋敷へ戻ると、みんな驚いていた。
「影洋……。お前……」
「影洋くん……」
「影洋くん。って、さあ……」
公平たちが目を逸らしながら一言だけいった。
「禿げだったの??」
……
「ほひっ? そうだったの? おにいちゃん!?」
「うぎっ!! そんなわけあるかーーー!!」
恵さんたちの影が徐々に俺にまとまりついて来た。
そのまま屋敷の外へと妹と恵さんたちの影を連れて出る。
恵さんたちの影は、俺の背中に張り付て消えていた。
真っ暗で広大な芝生を通り抜けると、近所の黒い家に向かった。
所々から満開な桜が顔を出している道路を歩いていると、妹の光が不安をポツリと零した。
「ほにいちゃん……。影はなんで王国なんて作ったんだろう?」
「あん? そりゃ、俺になりたかったからだろ」
「ぶー、違うよ。おにいちゃん……それならわざわざ……王国まで作らなくてもいいじゃない」
「うん?」
確かに我が妹の言う通りだった。
うーん……あ!
影は……ひょっとして、影の王国のお・う・さ・ま……。
になりたかったんじゃ?
うぎっ!
そういえば、俺は普通の学生……いや、ちょい変わった学生だが平凡で普通だ。だからか、影は平凡な学生じゃないことを考えているんだ。
でも、なんだろうな?
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