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近所を見に行こう
地震収まったが!?
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…………
「やっと、地震が収まったぜーーー! 光! 無事か?! それにしても、なんだったんだろ? あの綺麗なお姉さん? いや女神か? 影の世界へようこそって?!」
「おにいちゃんこそ……無事? それよりおにいちゃんと私の影が消えちゃった……影の世界だから? ねえ、おにいちゃん?」
「おう! なんだかそんな感じだな!」
俺は未だカクカクとした足と腰を安定させる。
今は自分の影と光の影のことはまったく気にしなくてもいい。
それよりも、周囲の建造物や桜の木々はグラついただけでなんともなかった。桜の花弁もひらひらと普通に舞い落ちている。ほんとに有難いや。けど……。
「おにいちゃん。何か変よ? 避難勧告もないし……」
「あれ? そういや、なんで誰も外へ逃げてないんだ? 大きな地震なのにー! おーい、町民ーー! みんなまだ寝てるのかーーー?? おはようございますーー! 夜だけど朝の7時ッスよーーー!!」
俺は比水公園から近くの住宅街に走っていくと、すぐそこの民家のドアをドンドンと叩いた。
パリッとした背広姿のおじさんが平然とでてきた。こちらを不思議そうに見つめている
「なんですか? あなたたち?」
「ええと、酷い揺れが。いや、地震だったので、大丈夫かなーと……避難勧告はでていませんが、まだ余震の可能性もあるかと……避難した方がいいかなと……」
「え、地震? そんな揺れはなかったな。おーい、裕子。今、地震なんて起きたか?」
おじさんは後ろを向いて、多分この人の奥さんに地震のことを聞いたようだ。
「え、地震? 何も起きてないわよーーー! きっと、小さい揺れだったのよ!」
家の奥にいる奥さんも、平然とした声を返してきた。
「大丈夫だよ。何も起きていないよ」
「ええ?! あ、すいませんでした!」
「お騒がせしましたー!」
俺と光は急いで踵を返すと、一旦家に戻ろうと光が言った。
「あれ? ここって? 確かついさっきまで俺の家があったよな……なあ、光?」
「うん……へ?」
俺と光はその場で立ち竦んだ。
二階建てで赤い屋根。築15年で庭が広い俺と光の実家が消えていた。元はおじいちゃんとおばあちゃんが買った新築の家だったけど、去年に二人共隠居生活をするため田舎に引っ越してしまっていた。以後、俺と光の二人暮らしだ。
「うん。さっぱりわからないよな光……」
「家がなくなってる? て、言うか。これからどこに住むのおにいちゃん?」
消えた俺の家。
だけど、地面に落ちている郵便箱の中にある封筒だけが嫌でも目を引いた。郵便箱から飛び出だしている白い封筒は縦50cm横30cmという大きさだった。
なにかなと思って取り出そうとすると、あることに気が付いた。
近所の寺田さんに、橋本さん。向井さんとかの家は無事だった。
普通に立ち並んでいる。
なんで、俺の家だけが?!
「あれ?」
それぞれの近所の家には、郵便箱にこれと同じ封筒が箱に入り切らずに飛び出していた。
「うん。開けてみよう……」
俺の家があった地面に落ちている封筒を開けると、一枚の回覧板が現れた。
端折ると、この近所の班長からこう書かれている。
「明日の町内会について 午前9時頃から避難訓練があります……避難訓練時。避難用ヘルメットを忘れずにしてください」
うん……確かに回覧板だね。
「やっと、地震が収まったぜーーー! 光! 無事か?! それにしても、なんだったんだろ? あの綺麗なお姉さん? いや女神か? 影の世界へようこそって?!」
「おにいちゃんこそ……無事? それよりおにいちゃんと私の影が消えちゃった……影の世界だから? ねえ、おにいちゃん?」
「おう! なんだかそんな感じだな!」
俺は未だカクカクとした足と腰を安定させる。
今は自分の影と光の影のことはまったく気にしなくてもいい。
それよりも、周囲の建造物や桜の木々はグラついただけでなんともなかった。桜の花弁もひらひらと普通に舞い落ちている。ほんとに有難いや。けど……。
「おにいちゃん。何か変よ? 避難勧告もないし……」
「あれ? そういや、なんで誰も外へ逃げてないんだ? 大きな地震なのにー! おーい、町民ーー! みんなまだ寝てるのかーーー?? おはようございますーー! 夜だけど朝の7時ッスよーーー!!」
俺は比水公園から近くの住宅街に走っていくと、すぐそこの民家のドアをドンドンと叩いた。
パリッとした背広姿のおじさんが平然とでてきた。こちらを不思議そうに見つめている
「なんですか? あなたたち?」
「ええと、酷い揺れが。いや、地震だったので、大丈夫かなーと……避難勧告はでていませんが、まだ余震の可能性もあるかと……避難した方がいいかなと……」
「え、地震? そんな揺れはなかったな。おーい、裕子。今、地震なんて起きたか?」
おじさんは後ろを向いて、多分この人の奥さんに地震のことを聞いたようだ。
「え、地震? 何も起きてないわよーーー! きっと、小さい揺れだったのよ!」
家の奥にいる奥さんも、平然とした声を返してきた。
「大丈夫だよ。何も起きていないよ」
「ええ?! あ、すいませんでした!」
「お騒がせしましたー!」
俺と光は急いで踵を返すと、一旦家に戻ろうと光が言った。
「あれ? ここって? 確かついさっきまで俺の家があったよな……なあ、光?」
「うん……へ?」
俺と光はその場で立ち竦んだ。
二階建てで赤い屋根。築15年で庭が広い俺と光の実家が消えていた。元はおじいちゃんとおばあちゃんが買った新築の家だったけど、去年に二人共隠居生活をするため田舎に引っ越してしまっていた。以後、俺と光の二人暮らしだ。
「うん。さっぱりわからないよな光……」
「家がなくなってる? て、言うか。これからどこに住むのおにいちゃん?」
消えた俺の家。
だけど、地面に落ちている郵便箱の中にある封筒だけが嫌でも目を引いた。郵便箱から飛び出だしている白い封筒は縦50cm横30cmという大きさだった。
なにかなと思って取り出そうとすると、あることに気が付いた。
近所の寺田さんに、橋本さん。向井さんとかの家は無事だった。
普通に立ち並んでいる。
なんで、俺の家だけが?!
「あれ?」
それぞれの近所の家には、郵便箱にこれと同じ封筒が箱に入り切らずに飛び出していた。
「うん。開けてみよう……」
俺の家があった地面に落ちている封筒を開けると、一枚の回覧板が現れた。
端折ると、この近所の班長からこう書かれている。
「明日の町内会について 午前9時頃から避難訓練があります……避難訓練時。避難用ヘルメットを忘れずにしてください」
うん……確かに回覧板だね。
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