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天使の扉
29話
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「ハリーおじさん! あなたが僕たちにしたことは大変なことですよ!」
僕はハリーおじさんに、鋭く言い放つ。
ハリーおじさんは部屋の中央で目を四方八方にして、こちらをにこにこ見ている?
その顔はいっさいも恐ろしくは無く、それでいてどこかはしゃぎたいといった顔だった。
「ハリー。これはどういうことだ。俺たちをはめたのは何のため?」
コルジンが両腕の筋肉を引き締めた。まるで、弓を射るみたいにその体はきりりとひきしまる。
「ハリーさん! あなたは自分が何をしたのか解っているのですか!?」
グッテンは鋭い鋭利な刃物のような声を発した。
ロッテは僕の後ろへと隠れる。
ハリーおじさんが右手を上げた。
すると、ハリーの部下の黒タイツが、いっせいにどこからか現れ僕たちを囲み、機関銃が向けられる。恐ろしく細い女も機関銃を向けた。
「面白くなってきた。やっぱり面白くないといけない。さあ、さっさと黄金の至宝を渡してくれ!」
ハリーおじさんは僕の所へとゆっくりと歩いてきた。
僕はハリーおじさんが僕の手を触った時に、黄金の至宝を念じて捻じった。
周囲がぐにゃり。
瞬間、コルジンとグッテンがとても心配そうな顔を向けているのが垣間見えた。ロッテは驚いた表情が変わり頬を染める。
ここは原型館の館の端っこ。
「ふむ。これが黄金の至宝の力。なかなか、なかなか、なかなか、面白い」
ハリーおじさんと僕は一対一だ。
僕は一対一の対決をすることに決めたのだ。
ハリーおじさんはキョロキョロと辺りを見回し。僕から離れた。
「ハリーおじさん。きっと、ここにはとんでもないものがあると思う。それはもうそろそろ始まる」
「?」
僕はあのグランドピアノのメモを思い出していた。この部屋には何かある。そして、それはもうすぐ起きる何らかだ?そんな感じがする。
「ねえ。それを渡してくれないか。俺はこの館から出たいんだよ。……どうしても」
「無理だと思うよ。きっと、ここでハリーおじさんは大変な目を見る」
その時だ。周囲の空間に何か得体の知れないものたちの息吹を感じる。それと、囁き声だ。背筋が冷たくなってきて寒くもないのに震えそう……。そして、それは部屋の中央に集まって、見えない形を造りだしていった。
「あれー? なんだー?」
ハリーおじさんはその得体の知れない形を見つめる。その表情は何も表せない。
それは亡霊の塊となった。
その中に、ある人がいた。
それは、僕が100人は眠れるベットで見た美しい女性の亡霊だ。
「メアリー!」
ハリーおじさんは血相変えて叫んだ。
「メアリーじゃないか!」
「あなた……?」
その女性の亡霊はハリーおじさんを見つけると、塊から離れてこちらに来た。
「あなたはどうしていたの。私はこの有様よ」
「俺はただ、楽しいものや面白いものがないと気が狂って苦しいんだよ。君を失ってから」
なんと、ハリーおじさんは目が四方八方ではなくなって、まともな目の位置に戻った。
「ここは危険なの。恐らく死んでしまうようなことが起こるわ」
「メアリー! 待ってくれ!俺はこれからどうしたらいいんだ!? 君がいないと、また楽しいことや面白いことを毎日考えなくてはならない! とても辛いんだよ!」
「大丈夫。私がいるから、この館に。昔と変わらない姿で。この姿になって色々なことが私には解るの。あなたが正気を失ってから、館の住人に楽しいことや面白いことと言って、ひどいことをするようになったことが解るわ……。でもそれはいけないこと……人はみな孤立しているようで、本当は必ずどこかで繋がっているの。その中で悪いことをするのは……本当に悪いことなのよ。私を愛していた時を思い出して。私はこの館の亡霊になってしまったけど……。そして、時々正気を失うこともあるけど……完全な無ではないの。あなたは完全な無にはまだなっていない。お願い私をまた……愛して」
ハリーは涙を……人間の涙を……一筋流した……。
僕はもういいだろうと、ハリーおじさんの手を握り、黄金の至宝を念じて捻じる。
僕はハリーおじさんに、鋭く言い放つ。
ハリーおじさんは部屋の中央で目を四方八方にして、こちらをにこにこ見ている?
その顔はいっさいも恐ろしくは無く、それでいてどこかはしゃぎたいといった顔だった。
「ハリー。これはどういうことだ。俺たちをはめたのは何のため?」
コルジンが両腕の筋肉を引き締めた。まるで、弓を射るみたいにその体はきりりとひきしまる。
「ハリーさん! あなたは自分が何をしたのか解っているのですか!?」
グッテンは鋭い鋭利な刃物のような声を発した。
ロッテは僕の後ろへと隠れる。
ハリーおじさんが右手を上げた。
すると、ハリーの部下の黒タイツが、いっせいにどこからか現れ僕たちを囲み、機関銃が向けられる。恐ろしく細い女も機関銃を向けた。
「面白くなってきた。やっぱり面白くないといけない。さあ、さっさと黄金の至宝を渡してくれ!」
ハリーおじさんは僕の所へとゆっくりと歩いてきた。
僕はハリーおじさんが僕の手を触った時に、黄金の至宝を念じて捻じった。
周囲がぐにゃり。
瞬間、コルジンとグッテンがとても心配そうな顔を向けているのが垣間見えた。ロッテは驚いた表情が変わり頬を染める。
ここは原型館の館の端っこ。
「ふむ。これが黄金の至宝の力。なかなか、なかなか、なかなか、面白い」
ハリーおじさんと僕は一対一だ。
僕は一対一の対決をすることに決めたのだ。
ハリーおじさんはキョロキョロと辺りを見回し。僕から離れた。
「ハリーおじさん。きっと、ここにはとんでもないものがあると思う。それはもうそろそろ始まる」
「?」
僕はあのグランドピアノのメモを思い出していた。この部屋には何かある。そして、それはもうすぐ起きる何らかだ?そんな感じがする。
「ねえ。それを渡してくれないか。俺はこの館から出たいんだよ。……どうしても」
「無理だと思うよ。きっと、ここでハリーおじさんは大変な目を見る」
その時だ。周囲の空間に何か得体の知れないものたちの息吹を感じる。それと、囁き声だ。背筋が冷たくなってきて寒くもないのに震えそう……。そして、それは部屋の中央に集まって、見えない形を造りだしていった。
「あれー? なんだー?」
ハリーおじさんはその得体の知れない形を見つめる。その表情は何も表せない。
それは亡霊の塊となった。
その中に、ある人がいた。
それは、僕が100人は眠れるベットで見た美しい女性の亡霊だ。
「メアリー!」
ハリーおじさんは血相変えて叫んだ。
「メアリーじゃないか!」
「あなた……?」
その女性の亡霊はハリーおじさんを見つけると、塊から離れてこちらに来た。
「あなたはどうしていたの。私はこの有様よ」
「俺はただ、楽しいものや面白いものがないと気が狂って苦しいんだよ。君を失ってから」
なんと、ハリーおじさんは目が四方八方ではなくなって、まともな目の位置に戻った。
「ここは危険なの。恐らく死んでしまうようなことが起こるわ」
「メアリー! 待ってくれ!俺はこれからどうしたらいいんだ!? 君がいないと、また楽しいことや面白いことを毎日考えなくてはならない! とても辛いんだよ!」
「大丈夫。私がいるから、この館に。昔と変わらない姿で。この姿になって色々なことが私には解るの。あなたが正気を失ってから、館の住人に楽しいことや面白いことと言って、ひどいことをするようになったことが解るわ……。でもそれはいけないこと……人はみな孤立しているようで、本当は必ずどこかで繋がっているの。その中で悪いことをするのは……本当に悪いことなのよ。私を愛していた時を思い出して。私はこの館の亡霊になってしまったけど……。そして、時々正気を失うこともあるけど……完全な無ではないの。あなたは完全な無にはまだなっていない。お願い私をまた……愛して」
ハリーは涙を……人間の涙を……一筋流した……。
僕はもういいだろうと、ハリーおじさんの手を握り、黄金の至宝を念じて捻じる。
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