白と黒の館へ

主道 学

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天使の扉

27話

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「おチビちゃんは勇気があるんだね。その時は俺も一緒に行くよ」
「私も行くわ。それと、グッテンも連れていきましょう」
 ロッテはリンゴティーを口に含むところだった。
 
 僕はリスヘルとなった。僕の部屋でお義父さんとお義母さんに昼食を御馳走してもらい。
天使の扉へとコルジンと行くことにした。
 館の迷路を右に左に……頭がこんがらがる……。コルジンは何の苦もなくずんずんと歩いて行く。きっと、みんな今日も一生懸命なのだろう。僕は天使の扉のバリアを壊すのが良いことなのか悪いことなのかと考えてしまう。でも、外へとみんなは出たいのだから……悪いことではないよね。
 天使の扉へと着くと、大人たちは青いエプロンを着て今日も一生懸命だ。
「みんな! 今日から仕事をしなくてもいいことになったぞ!」
 コルジンの一声に、大人たちは目を丸くして、一番の働き者のコルジンを一斉に見つめだした。
「コルジン?いったいそりゃ……どういうことだ?」
 一番手前のおじさんがボロ布をバケツに放り込む。きつい仕事へのやる気が今の一声でなくなったかのようだった。

「こいつが黄金の至宝さ。これでバリアを砕けるし、館の外へと出られるんだ」
 コルジンが僕の持つ黄金の至宝を手に取り、高々と掲げた。
 その次の瞬間。天使の扉は大歓声に包まれた。

「やったぞー!」
「外へ出られるぞー!」
「コルジン万歳! コルジン万歳!」

 大人たちは口々にコルジンを称える。
「おいおい! これを見つけたのはおチビちゃんだぜ!」
 コルジンが僕を前に出す。僕は嬉しくなって顔を上気させる。
「ありがとな……ヨルダン」
 大人たちは涙声の人がポツリポツリとでて来た。
 これで賞金の100クレジットもナンセンスになったんだね。


 入口にいる恐ろしく細い女は何やら考え込んでいた……。

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